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日銀総裁:見通しの下方修正も、必要なら適時適切に対応(Update3) 8月30日
(ブルームバーグ):
日本銀行の白川方明総裁は30日午後、記者会見し、同日の臨時の金融政策決定会合で追加緩和を決めた背景について「上振れリスクより下振れリスクに注意する必要があると判断した結果、前倒し的に行った」と述べた。先行きについては「標準シナリオそれ自体を幾分下方修正する可能性も否定できない」と指摘。「必要と判断される場合は適時適切に対応を行う」と述べた。
白川総裁は「前回の会合以降、米経済について弱めの指標が相次いだ。そうした中で円高、株安も生じた。こうした動きを見ると経済・物価の先行きのリスクについてより注意する必要があると判断した」と指摘。政府が経済政策を打ち出すことについては「政府も対策をしっかり検討されるということはもちろん承知しているし、そうした政府の対策が採られるということも私たちとしては意識した」と述べた。
日銀は同日の臨時会合で、0.1%で長めの資金を供給する新型オペを20兆円から30兆円に引き上げ、うち10兆円の供給期間を6カ月とすることを賛成8、多数1の賛成多数で決定した。
白川総裁は上下のリスクのバランスについて、前回10日の決定会合では「少しずつ下振れの方のリスクを意識する方、あるいはその程度が増しているなという感じだった」と指摘。今回の臨時会合では「もちろん委員によって若干ニュアンスの差はあるが、上振れリスクというよりは、下振れリスクの方により注意をするという方に傾いた。その結果、前倒し的に金融緩和措置を行った」と述べた。
標準シナリオの下方修正も
白川総裁は「前回の会合以降に出た日本経済のハードデータ(指標)は、むしろやや強めの指標が多かった」としながらも、「先行きを見た場合、先ほど申し上げたリスク要因が出ていることを考えると、このようなリスク要因で標準シナリオ自体を幾分下方修正する可能性ももちろん否定できない」と語った。
バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は27日、白川総裁も参加したワイオミング州ジャクソンホールでのシンポジウムで「必要と判断されれば、非伝統的手段を通じて追加の金融緩和策を講じる用意がある。景気見通しが著しく悪化した場合には特にそうだ」と言明。情勢次第で追加緩和に踏み切る姿勢を示した。
白川総裁はFRBとの金融緩和姿勢の違いについて問われ、「日銀は先々の政策について、毎回の決定会合の公表文で、中央銀行として最大限の貢献を粘り強く続けていくことを明確に示している」と指摘。「経済物価動向や金融情勢の変化によって、必要と判断される場合には適時適切な対応を行うということであり、この点もFRBの政策運営に当たっての考え方と同じだと理解している」と述べた。
一段の利下げには消極的
白川総裁はその上で、「違いは、FRBの方は現在、追加緩和の措置を採っているわけではないということだ」と指摘。「日銀は今回、固定金利オペを拡充するということで、景気の下振れリスクに対応して前倒しで追加の緩和を行った」と述べた。
0.1%の政策金利をさらに引き下げることについては「あらかじめ特定の政策を排除したり、念頭に入れることなく、予断なく判断していく」としながらも、「実質的なゼロ金利という極めて低い金利水準となっている現状で、追加的な利下げが市場機能や金融機関の行動に与える副作用についても十分見極めた上で判断する必要がある」と言明。一段の引き下げには慎重な姿勢を示した。
長期国債買い入れ額の引き上げについても「日銀の買い入れ額をFRBと比較すると、名目GDP(国内総生産)対比でみたフローの買い入れ額は約3倍、残高ベースでもほぼ2倍となっている」と指摘。日銀としては「効果と副作用を考えた上で、現在の買い入れ規模が最適と判断している」と述べ、慎重な姿勢を示した。
須田委員の反対理由
同日の臨時会合における追加緩和に決定に対し、須田美矢子委員は反対票を投じた。白川総裁は同委員の反対理由について「足元の経済指標はおおむね想定に沿った展開になっているほか、為替円高や株価下落の実体経済への影響についても、もう少し見極めが必要と思われること」、さらに、今回の措置が「為替対策と受け止められかねず、長い目で見てバブルの温床につながるリスクを高める」ことを挙げた。
白川総裁はさらに、須田委員が「本措置による効果が限定的である一方、市場機能を今以上に低下させるなどコストが高く、デフレ対応という観点からは、現在取り組んでいる成長基盤強化に注力すべきであるという理由から反対した」と述べた。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=aDXwVRgxEkOE
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