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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu222.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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自動車用電動モーターに、中国産レアメタルを使わずとも、同サイズ・
同性能のモーターの開発がなされている。日本は特許で世界を支配する。
2010年8月30日 月曜日
◆レアアース輸出拡大、中国側「ゼロ回答」 日中経済対話 8月29日 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/0828/TKY201008280254.html
【北京=琴寄辰男、古谷浩一】日中両政府の経済閣僚が集まる「日中ハイレベル経済対話」が28日、北京で開かれた。ハイブリッド車(HV)や省エネ家電の部品生産に使われる「レアアース(希土類)」の輸出枠を中国が大幅に削減した問題で、日本側は「世界全体に大きな影響がある」などとして削減の再考を求めたが、中国側は採掘に伴う環境問題などを理由に応じず「ゼロ回答」に終わった。
直嶋正行経済産業相がこの日、中国の李毅中・工業情報相、陳徳銘・商務相との会談で中国側に申し入れ、閣僚がそろう全体会合でも輸出枠の拡大を求めた。日本側の説明によると、中国側は「環境対応で生産量を減らす必要がある」「資源の枯渇が見込まれ、節約が必要だ」と主張し、議論は平行線に終わった。陳商務相はこの日、記者団に「国内でも採掘を制限しており、(日本にも)理解してもらいたい」と語った。
中国は7月、今年下半期向けの輸出枠を約8千トンと発表。年初からの合計では約3万トンにとどまり、前年比約4割の大幅減となった。世界生産の9割超を握る中国が今後も輸出枠を削減する姿勢を続ければ、HVや省エネ家電の生産にも影響が出る可能性がある。
日中ハイレベル経済対話は2007年12月に第1回会合が北京で開かれ、今回が3回目。日本側は岡田克也外相、直嶋経産相ら6閣僚が訪中し、中国側は王岐山(ワン・チーシャン)副首相らが出席した。レアアースを巡る議論のほか、マグロ類資源保護での協力や省庁間の定期協議設置などに合意した。
■「戦略資源」高値化狙う
中国側がレアアースの輸出を制限するのは、ハイブリッド車(HV)や省エネ家電などに欠かせない「戦略資源」を、国内需要向けに計画的に使うとともに、価格支配力を強めて海外にもっと高値で輸出したいからだ。
「下半期だけでみれば輸出枠は7割減。これはやりすぎだ」
直嶋経産相は、中国側の関係2閣僚との会談でこう食い下がった。中国が削減の理由に挙げた採掘に伴う環境問題について「日本に技術的に協力できるところがあるかも知れない」とも申し出たが、中国側が譲る気配はまったくなかったという。
中国国土資源省幹部は今月、地元テレビのインタビューで「乱開発で価格を押し下げられてきた。ある地方政府幹部に言わせれば『大根や白菜のような値段』だ」と不満を表明。中国ではレアアースを国内で加工し、付加価値をつけて高く売ることを目指している。中国メディアによると、広東省河源市の国土資源局幹部は「加工すれば金やダイヤモンドの値段になる」と話した。
レアアースの世界生産の9割超を握る中国に対し、輸入に頼る日本の立場は弱く、打開策はすぐには見つかりそうもない。液晶テレビのガラス基板の研磨剤などに使われるセリウムの価格は1キロあたり40〜50ドルと、1年前の5〜6ドルから急騰。家電1台あたりの生産に必要な量は少ないため、商品価格がすぐに上がることは考えにくいが、製造過程に支障が出るおそれもある。
日本の合金メーカー大手の幹部は「これまでも中国は輸出枠を絞ってきたが、今回は日本の景気が回復しつつあり、モノがほしい時に重なった。価格も青天井で上がる気配で、ショックは大きい」と困惑を隠さない。
輸出規制だけではなく、採掘制限の強化もささやかれている。この幹部は「いまは在庫はあるが、レアアース自体が入ってこなくなることが心配だ。今後は中国国内での生産や、中国以外の調達先を探すことも考えなければならない」と話した。(琴寄辰男=北京、神谷毅)
◆AtoZ HV自動車用モーター、レアメタル類は不要と成りそうだ ! 5月4日 trizmegane
http://trizmegane.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/atoz-hv-a533.html
NHK番組 追跡 AtoZ で「レアメタルを確保せよ !」が5/01に放映された。
予想された内容ではあったが現状レアメタル・レアアースの入手は大変である。
現状あるいはここ十年程先までの日本の産業の屋台骨「自動車産業」、内容は大きく様変わりするだろう。
自動車の主流はハイブリット自動車・電気自動車に急速に変わるからだ。
この時必要な3要素「バッテリー・駆動モーター・制御インバーター」、その内のインバーターは日本の得意技これは大丈夫だ。
バッテリー/現在しのぎを削って大容量化・低価格化・省資源化に取り組んでいる。
バッテリーに関しては次回に思うところを書いてみます、今回は触れません。
さて駆動モーター、これにはネオジムマグネットが使われている。
この磁石は日本の発明、住友特殊金属が1982年に開発した物だ、しかし「錆び易い・脆い・温度に弱い」の欠点がありなかなか自動車用途には実用化出来なかった。
しかし、改良を重ねジスプロシウムやテルビウムと言う希土類を添加して飛躍的な性能改善が為された。
トヨタのプリウスの補助モーターとして使われ出し一躍有名になった。
ところが今日ネオジムやジスプロシウムが入手困難になっている、もちろん価格が高騰している事もあるが原産国からの出荷量よりも需要が上回り品不足となっているのだ。
出荷量の制限が為されている模様だ。
原産地が限られ中国で世界の90%を産出しているからだ。
上記 NHKの番組中でも中国の販売窓口の担当者は高圧的・傲慢的・威圧的交渉態度で
交渉に臨み、高慢な素振りが感じられたのは筆者だけではないだろう。
電気自動車の普及期に当たるこの時期、番組を見た方は不安を覚えるでしょうが、モーターに関しては筆者は 「大丈夫だ」 と考えている。(o^-^o)
むしろ、高慢な交渉をしていると後に原産国側が不利になるだろうと思っている。
理由は 希土類を一切使用しない同サイズ・同性能のモーターの開発が為されているからだ。(後略)
(私のコメント)
中東は石油で資源外交を展開していますが、中国ではレアメタルを資源外交を目指しています。レアメタルにおいては中国が大きな割合を占めていますが、レアメタルは取り出すのに非常に手間がかかりコスト高になる。アルミニウムも昔はレアメタルでしたが電気分解法が出来た事で普通の金属になりました。つまり中国にレアメタルが集中しているのは取り出しやすい形であるだけで、精錬法が完成されればアルミニウムのように普通の金属になる。
だからレアメタル相場が高騰すれば、様々な精錬法が開発されてくれば普通のありふれた金属となるかもしれない。レアメタルの価格が上昇すればレアメタルを使わない開発も進められるから価格の上昇は、やりすぎればかえってやぶ蛇になるかもしれない。精錬法が開発されれば低品位の鉱石からも取り出すことが出来るようになり価格は下落する。
レアメタルは金や銀などのようにそれ自体に価値があるわけではなく、用途が出来た事で価値が上がってきた。チタニウムにしても軽くて錆びずに丈夫なので航空機や自動車などに使うことが期待されていますが、精錬法に非常に電気を使うので高価な金属ですが、革新的な精錬法が見つかればアルミニウムのように普通の金属として地球上には豊富に存在して意いる。
電気自動車に使われるネオジムやディスプロシウムといったレアアースは地球上の存在量が少なくは無いのですが、中国の取り出しやすい鉱床があるだけで中国にしか存在しないと言うわけではない。だから中国がレアメタルやレアアースで資源外交しようとしていますが、値段が上がれば製造法も開発されて元も子もなくなるだろう。
このようなレアメタル外交は昔でも錫などでマレーシアが行ないましたが見事に失敗している。つまり相場が高騰すれば他の地域での採掘が広がり、代替品の開発でやぶ蛇になってしまった。朝日新聞の記事でもレアアースを金やダイアモンドのように売りたいらしいが、はたして金やダイアモンドで日本の自動車会社が電動モーターを作るだろうか?
trizmeganeのブログに書かれているように、自動車用モーターはすでにレアアースを使わなくても同サイズ・同性能のモーターの開発は出来ている。つまり中国がレアメタルやレアアースを禁輸して相場を高くすれば、困るのは中国の採掘業者だろう。レアアースを使わないモーターは特許で固められるから、中国にはぜひとも禁輸して相場を高くしてくれれば、日本のメーカーはレアアースを使わない電動モーター自動車で一儲けが出来る。
アメリカ人も中国人も小沢一郎ではないですが単純でバカなところがある。昔オイルメジャーが石油を支配していた頃、アメリカの大統領はオイルショックを仕掛けて日本の台頭にブレーキをかけようとした。繊維交渉などでアメリカの製造業が危機に陥っていたためだ。しかしオイルショックでダメージを受けたのはアメリカ自身でありアメリカの自動車産業の受けたダメージは今年のGM倒産に繋がっている。
中国もレアメタルやレアアースで禁輸して日本を困らせようと言うのでしょうが、レアアースを使わない日本の電気自動車が世界で売れるようになるだけだ。中国がレアアースを禁輸してしまうとレアアースを使わない日本の電動モーターが世界に売れて、レアアースを使う中国製の電気自動車は高くて売れなくなる。
レアメタルやレアアースは使い道が出来たから高く売れるのであり、ユーザーに売らなくなれば自分で自分の首を絞めるような事になる。独占しようとしても代替品が出来て元も子もなくなるのが落ちだろう。二年前の石油の高騰もアメリカの投機筋が仕掛けたのですがサブプライムやリーマンショックで自分で自分の首を絞めてしまった。馬鹿は何度でも同じ過ちを犯すのですが、アメリカ人や中国人に付ける薬は無い。
◆レアメタルが普通の金属になる日 3月26日 日経新聞
http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A90889DE2E6E6EBEBE0E6E2E0E1E2E1E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E0E5E2E3E0E2E3E2E1EAE4E2
「産業のビタミン」と呼ばれ、関心が集まっているレアメタル。生産量が少なく産出地も限られるため、リサイクル技術や代替材料の開発が盛んだ。しかし地球上に存在する量だけ考えれば、手軽に利用されている銅より多いものもある。一気に供給を増やす可能性を秘めた新しい精錬法や鉱山の開発に取り組む動きが始まっている。
レアメタルをコモンメタル(普通の金属)に――東京大学生産技術研究所の岡部徹教授は、研究室にこんな標語を掲げている。そこで進められている研究の1つが代表的なレアメタル、チタンを低コストで効率よく生産する新技術だ。
新製造法は2塩化チタンに2塩化マグネシウムを加えて熱分解、金属チタンと4塩化チタンをつくる。低温でも反応速度が速く連続生産も可能で、バッチ式の現在の製造方法に比べて少なくとも数倍以上に生産効率を上げられる。比較的価格の安い低品位の鉱石が使え、チタン合金のスクラップから容易にチタンをリサイクルできるのも特徴だ。「残る課題は原料の2塩化チタンを効率的に作る手法の確立」と岡部教授は説明する。マグネシウムを還元剤に使う方法も研究中だ。
航空機や自動車を軽量化する決め手と期待されるチタンだが、生産量が少なく高価なことが普及を阻んでいる。しかし、地球上で存在する量は多い。地殻に含まれるチタンの存在比は5400ppm(ppmは100万分の1)で、銅の75ppmの約70倍にも達する。ただ膨大な電気を使って精錬する必要がある上、バッチ式の製造法なので1つのプラントで製造できる量は1日1トン程度しかない。ボトルネックとなっている製造法の革新で生産量が増え価格も下がれば、一気に普及して鉄や銅のようなコモンメタルになることも夢ではない。
電気自動車のモーター用高性能磁石を作るのに欠かせないネオジムやディスプロシウムといったレアアース(希土類)にしても、存在量は決して少なくない。地殻に含まれるネオジムの存在比は16ppm、ディスプロシウムも3.7ppm。しかし産出のほとんどが中国に集中するのは、特にディスプロシウムなど重希土類の抽出が容易な特殊な鉱床が中国でしか見つかっていないからだ。
ネオジムやディスプロシウムといった希土類は通常、花こう岩などに含まれるが取り出すのに手間がかかる。またウランなど放射能を持つ元素と一緒に存在することが多いので取り扱いも大変だ。しかし世界のディスプロシウム生産をほぼ独占する中国の「イオン吸着型」と呼ばれる鉱床は花こう岩が風化してできたもので、ウランなどを含まないうえ硫酸アンモニウムをかけるだけで簡単にレアアースを分離できる。他の鉱山が対抗するのはコスト的に容易ではない。
それでも需要増などからレアアースの価格が上昇していることで、休止していた米国のマウンテンバス鉱山が再開準備を進めているほか、カナダのトアレイク鉱床を新たに開発する動きも本格化している。カナダの鉱床はアルカリ岩関連鉱床と呼ばれるタイプで、中国のイオン吸着型鉱床に比べるとディスプロシウムを取り出すのに手間がかかるが、含有率は高い。
住友商事などがカザフでウラン鉱石の残さからディスプロシウムの生産に取り組んでいるように、他の元素を取り出した残りや生産の副産物として希土類元素を生産しようという取り組みも活発だ。
イオン吸着型鉱床の探査は世界各地でされているが、これまでまとまったものは見つかっていない。「もとになった花こう岩はあとから特殊な条件下で熱せられ変化している。中国以外でみつかる可能性は低いのでは」と産業技術総合研究所鉱物資源研究グループの高木哲一研究グループ長は話す。かりに中国で見つかっている鉱山以外にイオン吸着型鉱床がないとすると、他のタイプの鉱山から重希土類を効率的に取り出す技術の開発は、将来の安定供給を確保するためにも欠かせないことになる。
レアメタルの製造技術では「日本は世界をからだひとつリードしている」と岡部教授。現在は鉄や銅とともに広く使われているアルミニウムも19世紀末に電気分解を利用した現在の製造法が発明されるまでは生産が難しく、貴重な“レアメタル”だった。しかしレアメタル鉱山は国や地域に遍在し常に供給が不安定になるリスクを抱えていることから資源ナショナリズムの台頭を招くことが多い。
日本では携帯電話やパソコン、コピー機など電子機器や家電製品に使用された金属を回収、再利用する「都市鉱山」を事業化する動きも活発だ。希少資源を確保するという目的だけではなく、環境問題の観点からもDOWAホールディングスなどが金属精錬技術を生かして金や銀、レアメタルを“回収”する事業を広げている。中国やインドを含む新興国の生活水準が高まり電子機器の普及が一気に進めば、都市鉱山のノウハウは世界から求められることになる。
ただこれまでの使用量が少ないだけに、需要が拡大すればリサイクルだけでは追いつかない。薄型テレビに欠かせないインジウムのように製品に含まれる量がわずかで、リサイクルするより亜鉛をとった残りの鉱石から回収した方がずっと効率がよいレアメタルもある。都市鉱山と並行して、冒頭で紹介したような鉱山で採掘した鉱石から高品質の希少金属を取り出す技術の開発も着々と進む。そうしたイノベーションがおきれば現在のレアメタルが、アルミニウムのようなコモンメタルに変わる日は近いかもしれない。
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