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株式日記と経済展望
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日本にとっての最大市場はアジア市場であり、アメリカ市場はこれから
更に縮小して行く。輸出取引の40%は円によって決済されている。
2010年8月25日 水曜日
◆悪いことばかりではない円高の影響 8月25日 ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Heard-on-the-Street/node_94278
円高の日本の製造業に与える影響といえば、「苦痛」以外にはなさそうに思える。
一般的に日本の輸出業者は為替相場から身を守る必要があると思われている。しかし、実際にはこうした企業に円がもたらす苦痛の分岐点は、投資家が思っているほど低いものではない。
円は5月初め以降、ドルに対して11%以上急上昇し、日本株からの資金流出につながった。円が24日、節目の1ドル=85円を抜け、対ユーロでもほぼ過去9年間の高値を付けるなか、日経平均株価は1年3カ月ぶりの安値を付けた。
こうした為替相場の動きは、日本の製造業が危機的状況にあるとの印象を与える。だが実は、大和総研によると、製造業セクター全体の通期の営業利益は、円が1ドル=80円に上昇するまでは前期比で減少し始めることはない。これは円の名目史上最高値に近い水準だ。
また、円が1ドル=67円を付けるまでは利益が完全に消えてしまうわけではない。これは製造業は実際には石油や食品業界と同様、円高が部品の輸入のコストを押し下げるという恩恵を受けるためだ。さらに日本の輸出取引の40%は円によって決済されているためでもある。こうした企業にとって、為替レートの変動は営業利益にリスクをもたらさない。
すべての企業が円高の影響を受けにくいというわけではない。もし円が1ドル=84円近辺で推移していれば自動車メーカーの利益は減少し始める。
しかしその自動車メーカーの中でも他社よりも円高に強い企業が存在する。例えば、日産自動車はトヨタ自動車よりも米国内での自動車生産比率が高いのでその痛みは少ない。また日産は、タイから低価格帯の自動車を国内で販売するため輸入しているため、円高がプラスに働く。
さらに日産の第3の市場である欧州で販売される車種は現地生産されている。ドイツ銀行によると、同社の今年3-6月期のユーロ安に関連した損失は合計でわずか1300万ドル(約11億円)という。
企業がさらなる円高から自分たちを守る動きに出ることで、日本はある程度、長期的な難題に直面することになる。製造業が海外に生産を移転するため、設備投資と高額な給与の雇用の海外流出は問題となる。さらに、円高は日本がデフレを輸入することを意味する。すでに10年間物価下落を続けてきたのだが。
しかし、投資家が非常に心配している業績への打撃はしばらく先のことかもしれない。
◆為替介入ができない理由 8月25日 小笠原誠治
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2010/08/25/010394.php
円が1ドル83円台を付け、為替介入を求める声が強まっているようです。
まあ、それにしても最近、非常識な論調が目立ちます。先ほどスパモニをみていたら、あの森永教授が、何故今円高なのかを解説していましたが、その解説を聞いていたらアホらしくなりました。
リーマンショック以降、米国やヨーロッパはマネタリーベースを倍増させたが、日本の場合には1割ほどしか増加させていない。つまり、市場に出回るドルやユーロの量は急増しているのに、日本の円は殆ど増えていないので、円が強くなるのは当然だ、と。そして、この円高を食い止めるには、日銀がもっともっと円を市場に供給すべきなのだ、と。
よくこの程度の知識で教授をやっているものです。そして、またこの森永氏に話をさせるテレ朝のレベルとは。
確かに米国の場合、リーマンショック後にマネタリーベースが、それ以前の2.5倍ほどまでに拡大しているのは事実ですが、それは単に、市中銀行などの準備預金が増大しているだけの話で、実際に世の中に出回るお金が増えているというわけではないのです。
それに、仮に世の中に出回るお金が増えたからといっても、そのことが直ちに為替相場に影響を及ぼすものではないのです。為替相場に影響を及ぼすのは、飽くまでも為替市場における需要と供給の関係なのです。
その辺のことを分かっていないのでしょうか。
まあ、でも、そのことはおいといて‥
為替介入を求める声が強まっています。
では、実際に為替介入は行われるのでしょうか?
私は、その可能性は小さいと判断しています。
何故か?
それには、大きく二つの理由があるように思われます。一つは、為替介入に対する米国の態度です。
恐らく、米国は日本が為替介入に出ることに強く反発することでしょう。何故ならば、米国では依然として失業率が高い水準にあり、また景気の減速懸念が強まっているからなのです。そうしたなかで輸出を武器として雇用の回復を図りたい米国としては、弱いドルを歓迎しているわけですから、そうした動きに対抗する日本の為替介入を許す筈がありません。
でも、もちろん、日本政府がそれでも介入するのだ、と決断すれば介入ができないわけでもありません。しかし、9月には、日米首脳会談が予定されているではありませんか。そうでなくても、基地問題などで負い目がある菅総理が、米国の意向を無視することなどできるわけはない、と。だから、菅総理の発言も急に元気がなくなっているというわけです。
為替介入がないと考える第二の理由は、仮に日本が独自に為替介入を行っても、その効果が殆どないと考えられるからです。それどころか、もし為替介入をやっても円高が進むとなったら逆効果になってしまうことも考えられるわけです。だったら伝家の宝刀は抜かない方がいいということになるわけです。
今、為替介入を求める人たちは、為替介入の効果など殆ど考えていないように見受けられます。ただ、少しばかりヒステリー状態になっているだけだ、と。(後略)
(私のコメント)
アメリカの中古住宅の販売実績が発表されましたが、予想よりもかなり酷い落ち込みようのようだ。失業者も二桁に乗せているのに株価だけが1万ドルを保っている。金持ちにとっては株が高ければ失業者が増えようが中古住宅が売れ残ろうがどうでもいい話だ。アメリカもこれからは日本のように格差社会がより酷くなっていくのだろう。
こうなるとオバマ政権としてはドル安で輸出産業を振興して失業者を救済して行かなければなりませんが、工場はみんな中国に移転させてしまった。しかし中国はなかなか人民元を切り上げには同調してくれません。為替相場は相手国の協力がなければ動かす事が出来ないから難しい。
昨日は日銀砲の事を書きましたが、アメリカの了解の下で行われた事であり単独介入では動かす事は難しい。人民元にしてもアメリカ国内には多国籍企業の中国進出があるので人民元が安い方が儲かると言う事情がある。アメリカは金融産業や不動産などの産業が景気が良かったからバブル景気で製造業が空洞化しても問題は生じなかった。
しかしリーマンショック以降は金融も不動産もダメになり失業者が激増している。だからドル安にして中国に進出した工場を国内に戻そうとしていますが、中国が了解しないだろう。どうしても中国が人民元を切り上げないのなら軍事的緊張を高めれば、外資系の工場は一斉に中国から他国に引き揚げるだろう。
EUもバブル崩壊でギリシャなどの国が危機的状態になりユーロも売られて安くなっていいる。いわばドルとユーロが切り下げ合戦をして日本の円がとばっちりを食っているのですが、アジアとの経済取引は大きくなり以前ほどドル高の影響は受けにくくなって来ている。アジアから円や人民元が国際通貨として流通する割合が大きくなっていくだろう。
中国は徹底した外貨管理をして人民元への投機を防いでいますが、中国がこれだけ外貨を溜め込んでいても切り上げをしないのは輸出競争力がそれだけ強くなっていないからだ。中国に工場進出させたグローバル企業も人民元の切り上げは困るからアメリカやヨーロッパの企業も切り上げを強くは求められない。
日本の円がこれだけ高く吊り上げられてしまうのも外資系企業の工場が無い為であり投機筋に狙われやすい。中国は外資を人質にとっているから抵抗する事が出来ますが、日本には人質が無いから抵抗できない。日本も90年代とは違って中国に工場を進出させて円高の影響は小さくなって来ています。むしろ問題は海外進出できない中小企業でしょう。
アメリカの製造業がなかなか復活できないのも中小企業が潰れてしまった為であり、アメリカ国内に工場を作っても部品などを中国から輸入しなければならない。これではアメリカの赤字が大きくなるだけであり、アメリカの失業は長期的に増えていく一方だろう。失業者を吸収するには製造業を復活させるしかないのですが、もはやそれは絶望的だ。
アメリカのヨーロッパも打つ手が無いからマネタリーベースを倍増させてカネをばら撒いていますが、国債やCDを買い込んで市場に放出している。しかしカネは銀行に滞留するだけだと小笠原氏は解説しているが、銀行は当座の残高を積み上げておく訳にはいかないから国債や外債を買って運用せざるを得ない。現金では利息は付かないが国債なら利息が付く。
だから銀行に当座預金が滞留すれば一部は外貨や外債に向かう訳であり、金融緩和は円安要因になる。世界中の銀行がリスクに過敏になっているから融資はせずに国債ばかり買いこむ事になる。アメリカもヨーロッパ諸国も国債の残高ばかりが積み上がっていきますが、ドイツは国債を発行できてもPIGS諸国は高金利でないと国債は売れない。
つまり金利が経済力のバロメーターなのですが、日本は長期にわたってゼロ金利が続いている。しかしアメリカは中国が米国債やドルを売り始めれば金利が急騰することになる。と言う事は日本がドルや国債を買い続けていればドルは大丈夫ですが、日本に見放されればアメリカは金利が急騰してアメリカ経済は破綻するだろう。
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