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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu222.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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日本企業はタイを中心としたASEANに集中投資をして来た。
ASEANを中心とした32億人の巨大市場に投資して儲ける。
2010年8月23日 月曜日
タイは、アジア地域32億人巨大市場の中心になろうとしている。
(NHKスペシャル 灼熱アジア 第1回タイより)
25カ国から進出、特に日本企業の進出が目立つ。
◆NHKスペシャル 灼熱アジア 第1回タイ 8月22日 雑食系アラフォーclub
http://say1say1say1.blog.ocn.ne.jp/blog/2010/08/nhk_b27b.html
タイ・バンコクはアジアの一大生産基地となり、人手不足が起きている。
2009技能五輪選手権の旋盤の部は、タイの選手が1位となった。
タイの技術者の確かな技術力を示している。
自動車輸出は去年の86%増加、タイはアジアの製造業の覇権を狙っている。
◆「脱日入亜 日本企業の苦闘」
タイは昨年、過去最高の輸出額を記録し、経済成長率7.0%をとげた。
その要因は、FTA(自由貿易協定)だ。
原産地証明書があれば関税が免除される。(現在はまだ減額だけの地域もある。)
タイは、アジア地域32億人巨大市場の中心になろうとしている。
タイ アマタ工業団地17万人が就業、ここに外国企業の進出が相次いでいる。
25カ国から進出、特に日本企業の進出が目立つ。
コストダウン目的の生産だけではない。中枢部分の設計も日本からタイにシフトする企業もある。
タイは、インド、中国には人件費は敵わないが、技術力が高い。人材の質が高い。
その結果、年間35兆円の生産額が日本から失われている。
■金型部品メーカー 南武
金型部品メーカー(南武)のタイ進出。自動車部品の金型を作っている。
タイ人の技術力は日本人と遜色ない。
FTAの追い風で顧客が広がっている。去年の倍の注文がある。
リーマンショックによる東京本社の損失をタイ工場の利益で支えた。
タイ工場では日々、納期との戦いが行われている。
24時間体制の生産。ミスとの戦い。
デモの影響で検問の強化、トラックが送れることもある。
納期を守るために、タイの仕事を日本で肩代わりしてもらう。
完全な逆転現象である。
日本の部品をタイ人の技術者がチェックする。これまでなかった現象である。
日本人技術者でも困難な溶着(異なる金属を溶接)をタイ人技術者がマスターした。
日本生まれのジャストイン生産がアジア全体で行われている。
■アジア需要の膨張
空前の自動車ブーム、消費欲の旺盛な9億人の中間層が生まれた。
タイは自動車生産の拠点となっている。即断即決の予約販売。売上は去年の倍。
関税0の恩恵を目指すのは、日本企業だけではない。中国、インドもタイも進出している。
インド企業の進出。安い部品はインドから、高度な部品はタイで作り、組み立てる。
FTAの恩恵を生かしたビジネスモデルである。
■タイ地元企業「タイサミット」
日本の金型メーカー「オギハラ」を買収した。買収額300億円超
自動車のアウターパネルの金型製作を始めた。
技術力だけではなく、芸術性も求められる。
社運がかかる金型開発。
「オギハラ」の技術者がアドバイザーとして招聘された。
「一人でも多くのエキスパート技術者を育てていく。」日本人技術者の決意。
日本技術者シミュレーションによる警告を会社から無視される。
タイはシミュレーションを重要視せず、実際作って試行錯誤するスタイル。
タイの技術者は、シミュレーションを信じられない、使いこなす技術がまだなかった。
日本人技術者は、アドバイザーの意見を受け入れる組織改革を求めた。
タイ人技術者は日本人技術者の指導方法にも不満が出た。
日本式「技術は盗め」は評価されず、不満になっていたのだ。
タイサミット副社長の評価「期待はずれ:進歩の加速度」
日本人技術者の決断、プライドはひとまず置いて、一従業員として現場に飛び込むことにした。
日本人技術者は技術講習会を開催することにした。
タイ人技術者が初めて目にする日本人技術者の職人技。
タイ人からこれまで溜まっていた質問が浴びせられる。
そして、金型開発に目途がついた。
タイサミット42年前、バイクシートの工場からスタート
1997年アジア通貨危機。外国企業は現地タイでの部品調達に切り替えた。
日本企業はタイの技術を育てた。
そして、タイは安さと技術を兼ね備えた最高の生産基地となった。
買収した「オギワラ」のリストラも進んでいる。
「オギワラ」の群馬の工場を中国の新興メーカーに売り渡した。
日本からタイへの進出した企業2010年で60数社に昇る。
日本で売上が1/3に落ちた企業。タイへ進出生き残りを図る
年間35兆円の生産額が日本から失われている。
「オギワラ」の群馬の工場を中国の新興メーカーに売り渡した。
◆タイ進出の日本企業印象記 2007年12月3日 安岡襄のブログ
http://n-yasuoka.at.webry.info/200712/article_1.html
タイ経済における日本と日系企業の位置付け
タイには世界最大規模の日系企業の集積があり、在外日本人商工会議所会加盟企業数から見て上海についで上位第2位であるとのことであった。但し中国については北京が第6位の位置を占めているため、中国の5割強の企業進出と見られる。
次ぎにバンコックに於ける各国企業の進出に於いてバンコック商業会議所会員数は日本が第一位であり、続いて台湾、米国、英国という順位になっていた。
また日本商工会議所の調査では、在タイ日系企業が少なくとも6,226社存在しているという結果が出ている。
また、タイの製造業における就業者数505万2,400人に対し、日本企業の雇用数は30万8,300人 と約6%に及んでいる。
タイの最大貿易相手国は日本で輸出の14%、輸入の23%を占めている。(2005年)
タイは東洋のデトロイトと言われているが、主力産業である自動車の生産・販売輸出の9割が日系企業で占められている。
タイの国内自動車販売台数は70万3432台で、トヨタの37%を筆頭にいすず、ホンダ、日産、三菱、マツダ、その他とほとんどの自動車メーカーが顔を揃えている。
そして各社とも今後の生産拡大を目指して投資を強化している。
ジェトロは中国と比較してのASEAN投資のメリットについて次の様な見解を表明している。
@ 膨大な投資ストック(多くは減価償却終了)、長年のパートナー、「日本式」が比較的通用する安定的な投資先(中国は「ハイリスク・ハイリターン」)
A日本ブランドが浸透した5.3億人市場(AFTAによる市場統合の完成した場合)人口は中国に比べて少ないが、購買力は高い。
B 中国一極集中リスクのヘッジ(チャイナ・プラス・ワン戦略)
C インド・中東などへの供給・進出拠点(ASEAN・インドFTAを活用した日系家電の対インド輸出など)
D コストは中国に比べて見劣りせず、場所によってはむしろ安い
(私のコメント)
昨日のNHKスペシャルで「灼熱アジア タイ」を放送していましたが、タイの工業団地には日本の主な輸出企業が進出している。歴史的にも40年以上の歴史があり技術の集積が進んでいる。特に自動車産業は広い裾野を持つ産業だから一ヶ所に集中した方がやりやすくタイのバンコク周辺は東洋のデトロイト言われるほど自動車関連産業が集中している。
先日の株式日記でもタイから輸入される日産マーチについて書きましたが、タイはASEANの中心国家として中国やインドともFTAを通じて東南アジアの拠点として投資されてきた。日本企業の海外進出先は中国が一番大きいのですが中国はカントリーリスクがあり、中国とASEANとの投資バランスを取っている所が多い。
さらにNHKの番組でも言っていましたが、中国に工場進出しても中国から輸出するには関税がかかるのに対して、タイならばFTAによって中国にもインドにも関税ゼロで輸出する事ができる。アジア・オセアニア全部合わせれば32億人の巨大市場がそこに出現する訳でありEUやアメリカよりも大きな市場が出来上がる事になる。
新興国においては韓国企業や中国企業ばかりが目立つとよく言われますが、タイは最大規模の日系企業の集積地であり日系企業はタイに集中的に進出している事が昨日のNHKの番組を見ていると分かる。その原因としてはカントリーリスクが他の国より低くて従業員の質も手先が器用で質が高い事が上げられる。
タイに拠点を置けばASEAN諸国はもとよりインドから中東への輸出拠点とすることが出来る。コスト的にも中国と太刀打ちできるし日本的な経営も生かせ易いことがあるからだろう。テレビで見てもタイは左側通行であり仏教国であり反日感情も低い。そこが中国や韓国と違う所だ。
しかしタイは人口が7000万人ほどなので、景気が良くなると人手不足になり賃金も上がりやすくなります。中国は水不足で工業用水の心配がありますがタイは水田の国であり水不足の心配が無い。二毛作で米の輸出国であり一年中夏だからフルーツなどの作物も豊富だ。
NHKの番組でもやっていましたが、進出した日系企業は日本式のカンバン方式で時間の厳守で生産に追われていた。リーマンショックをものともしない景気の良さは新興国ならではですが、タイは自動車の輸出国になり7%の経済成長で将来性も高い。日本が円高で直接の輸出が難しくタイなどを通じて輸出して行くしかないのだろう。
日本企業のこのような海外進出で2008年だけでも35兆円の生産額と100万人の雇用が失われていますが、これでは日本の景気が良くなるわけがないのであり、円高を何とかしなければなりません。しかしアジア諸国から見れば日本が円安になれば日本の輸出がどっと増えるから円高で無いと困る。
中国は13億人の巨大市場といわれますが購買力はさほど多くは無い。工場を進出させても利益が出始めれば合弁先に追い出される心配もある。それよりかはタイに進出してタイから関税のかからないFTAで中国に輸出した方がいい。いずれは日本とASEANとで東アジア共同体を作り中国やアメリカと対峙して行けば面白い。
つまりASEANプラス1で行けば面白い。分かりやすくいえば大東亜共円圏をつくり、やがては東アジア共通通貨を作って円の独歩高を回避する戦略をとるべきだ。問題は中国ですが中国を東アジア共同体に含めるとバランスが取れなくなりインドやオーストラリアなども入れなければならなくなる。場合によっては拡大東アジア共同体を作って重層構造にしたらどうだろうか?
NHKの番組を見ていて感じるのはタイの実業家たちはタイ語でビジネスをしているし、日本人の経営者たちとも日タイ通訳を介して話していることだ。決して英語でビジネスをしてるわけではない。英語が世界の公用語というのはプロパガンダであり、ごく一部のエリートたちが英語で会話しているに過ぎない。むしろ中国にしてもアジアにしても現地語が出来なければ現地のスタッフと意思疎通が出来ない。
さらにタイがコスト高になればベトナムが有望になりますが、日本がベトナムとタイとを結ぶ高速道路を建設している。そうなればタイの部品産業とベトナムの安い労働力とベトナムの港湾施設が利用できるようになる。このようにタイはアジアの交差点であり、中国人やインド人も多い。
アメリカは中国に集中的に投資をしてタイへの投資は日本、台湾よりも少ない。ベトナム戦争の後遺症のせいもありますが、アメリカ人は中国人を良く知らないからそうなるのですが、仏教国のタイ人のほうが性格も温厚で労働力の質も高く民主国家でもありビジネスもやりやすい。鳩山首相のアメリカを除外した東アジア共同体を敵視したのはアメリカが中国と手を組んだ事を密かに後悔しているからだろう。
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