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(回答先: 貨幣特権を廃止せよ〜その6 10数年後のNHKニュース 投稿者 JPLAW 日時 2010 年 8 月 22 日 14:00:07)
(1) 持ち越し税といっているが,財産税ではないか! 私有財産制度を認めた日本国憲法違反だ。
回答:現在の税はすべて,国民の持つ財産のいくらかをかすめ取るものです。例えば,消費税は,商品価格の5%分を購入者の財産からかすめ取っています。消費税の廃止を前提とした持ち越し税は,形式的には消費税の代替以上のものではありません。
(2) 金持ちが全部日本から海外へ逃避する,資産を持ってな。日本国債などの債券も持ち出すから,残された日本人は,貧乏人だけで,借金だらけとなりまさしく破産だ。
回答:富裕層が海外へ逃避していただければ,日本はどれだけ楽しい土地となることでしょう(笑)。海外へ永住する勇気のある富裕層はほとんどいないでしょうが,そうなったと仮定してみましょう。
貨幣特権を廃止せよ〜その3 数字で見る持ち越し税の図表1をご覧ください。超富裕層〜準富裕層が海外逃避したとすると,非課税預金額の合計は,約420兆円から約320兆円に減少することになります(試算)。しかし,単年度の政府債の発行額約60兆円には,まだまだ充分余裕のある額です。さらに重要なことは,実際に勤労してもの・サービスを生産しているのは,大衆層ですから,日本国の税収もほとんど変化ないことになります。人口減少分約9%以上には減らないでしょう。海外に逃避する人たちは寄生層だったのですから。
富裕層がいなくなることで,持ち越し税導入初期の大幅な需要増は望めなくなるでしょうが,大衆層でも「税金を取られるから,もの・サービスを買おう」という動機はあるわけで,景気上昇のスピードが遅くなるだけでしょう。
(3) 現金・預金が海外企業の株式投資に回ったら,日本の有効需要にはならないではないか。さらに,この株式バブルで国際金融資本に,日本の富裕層がカモられるだけということにならないか。
回答:確かに,その海外企業が日本でまったく活動をしていないなら国内の有効需要にならないでしょう。日本にある大企業でも実際は,海外で盛んに活動していることが多く,資金が海外投資に回ったら国内の有効需要にはなりません。どちらにしてもわたしにはよくわかりません,すみません。カモられるのは,今までも日常茶飯事であり,自己責任でしょう。
(4) みんな円から逃避する。従業員はドルで給料をもらい,ドルで商品を購入し,企業もドルで決済する。円は自然消滅するからあんたの構想は画餅だ。
回答:日本国政府・地方公共団体は税の支払いを円で要求します。また,政府債の発行・償還も円で行われます。したがって,円が自然消滅することは絶対にありません。おっしゃるように,税金逃れで,円以外の通貨を使用される可能性は考慮する必要があり,法的な規制が必要と思われます。しかし,具体的な対策案はわたしの能力の範囲を超えます。
(5) こんな≪実験≫をして,経済がむちゃくちゃになったらどうするつもりだ
回答:≪実験≫は,今までもずっと行われています。例えば,日本の政府(国・地方)の借金残高が1,000兆円にせまるという凄まじい実験が現在進行形で行われています。また,消費税がなかったころ,ものを買うたびに税金が取られるなんて考えもしませんでした。だから,消費税導入前の国民の抵抗はかなり大きかったのです。でも,消費税という≪実験≫も慣れれば,誰も普段は文句を言わなくなりました。
持ち越し税導入もおっしゃるように,≪実験≫ですが,現状の財政の≪実験≫を続けていても破綻は目に見えており,現状を変革することは,積極的な意味があると考えます。
(6) シルビオ・ゲゼルはダーウィニズム信望者であり,また,ヨーロッパ人を中心にしか考えておらず,信用できない。このような人物の経済理論はクソだ。
回答:たしかに,ゲゼルは,ダーウィニズムにはかなり傾倒していたようです。「優秀な」人間の子孫を増やして,将来は優れた高潔な人間の数を増やすのだ,と本気で考えていたようです。このあたりはヒットラーの思想と似たところがあり危険だと思います。しかし,当時,ダーウィン進化論は画期的な考えであり,特に,ゲゼルのような先進的な人間には受け入れやすかったのでしょう,こういう時代の束縛は致し方ないことだと思います。当方は,生物の進化の源泉は,「環境適応」であると考えており,ダーウィンの「優勝劣敗」・「弱肉強食」の考えには反対です。また,「突然変異」が進化の原因というのは現在では支持する人はほとんどいないでしょう。「進化」とは正しく言えば,生物「多様性の発展」というべきだと思います。人間の社会でも多様な人間が「自由」にいろいろ考え,「自由」にいろいろ行動することが人類の「発展」になると当方は考えます。
ゲゼルは,自身の書物(「自由地と自由貨幣による自然的経済秩序」)で,アメリカ大陸を,人類(=実はヨーロッパ人のこと)に与えられた神からのプレゼントである,地代がゼロの自由地であると言っています。ヨーロッパ人が,先住民を虐殺し,土地を奪い,資源を奪ったことにはまったく思慮がありません。これには,当方は相当頭にきて,本を読んでいる途中で,この本を破り捨てる衝動に駆られました。
万能の能力を持った人はいません。上記2点は,ゲゼルの限界点であったと看過しましょう。ゲゼルの思想の限界をおいても,減価する貨幣の画期的な着想の素晴らしさが消えるものではありません。
(7) 「高度の分業」社会は人間性を破壊するものであり,経済を発展させて人間性を高めるというゲゼルの根本の発想が間違っている
回答:当方も,全ての人が家族単位くらいで,自給自作できるのが理想だと思いますが,もうそういう段階には絶対に戻れなくなっていると実感しています(当方,できる限りの自給自作しようと田舎暮らしを始めましたが,現実には分業社会に頼らざるを得ない現実が身にしみました)。
高度の分業は,人間を「カタワ」にするのはまちがいないでしょう。そのあたりのバランスをどう取るか,これは,ゲゼルの思想ではなく,人間性をいかに確保するかという思考で個々人,社会がこれからも考えていく必要があると思います。
(おしまい)
最後まで読んでいただき(いるのかな?(笑),ありがとうございました。
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