http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/554.html
Tweet |
ここにきて注目度が増してきた菅・白川会談!
http://news.livedoor.com/article/detail/4959662/?p=2
前田拓生
提供:アゴラ(前田拓生)
2010年08月21日16時35分
現在、為替レートは85円/ドル台の水準で高止まりしています。
この水準に至るスピードが速すぎたため、輸出企業を中心に対応が難しくなっているようです。
それを反映して、株式相場も低迷したままの状態が続いています。
そもそも先週の日銀の金融政策会合における「何もなし」の発表が原因であり、その後の政府、特に菅首相の対応の不味さが、このような円高を招いたと思われます(*)
前田拓生のTwitter/ブログ
*これについては、先週、投稿したコラムを参照!
その後、円は高いものの大きな変動がなく高値水準に留まっているのは、来週(23日)の菅・白川会談を市場が注目しているからであり、決して、円のボラティリティが低くなったわけではありません。
つまり、この会談の内容如何によっては、大きく「円安」にも「円高」にも振れる可能性があるということです。
とはいえ市場としても、この会談で「大きな何かが出る」とは考えていないので、予想通り「大したことがない」という場合には、急速な円高になると思われます。
しかも、会談が終わってしまった後の円高に対しては、日本政府による単独円売り介入も効果がないでしょう。
ここで「単独円売り介入」ですが・・・
そもそもこの政策には意味がありません。
為替レートは市場が決めるものであり、日本政府が介入をしたからと言って、市場が、そこに何らかの“権威”を感じて、その意向に従うようなものではないからです。
つまり、介入と言っても、政府が一投資家として市場に参加するだけのことですから、経済ファンダメンタルズから「円高が正しい」と市場が判断すれば、政府の意向は無視されます。
したがって、「円高だから為替介入」という単純な話ではなく、如何にタイミング良く手掛けるかがポイントなわけで、それは一種の“相場観”に係ってくるのです。
「政府が相場観」というのもおかしなものですが、要はタイミングを見計らって、うまく立ち回ることにより、政府が伝えたいことを市場に示すことも、政府の大きな仕事であり、大切なことなのです。
その道具の一つが「為替介入」なのですから、うまく使いこなせれば、効果はあると言えます。
とはいえ、欧米は「介入」という手段で自国通貨安に導いたのではなく、あくまでも金融政策の違いが市場によって受け止められ、それによって今の「円高」があるわけですから、日本だけが自国の都合による「為替介入」、特に自国通貨安に導くような介入を行えば、他国からの批判は免れないでしょうね。
しかも、日本政府だけで介入を行ったとしても、今、市場では「日銀の金融政策が上手くない」とみているわけであり、この部分が変わらないのであれば、介入をしてもまた円高に戻ることになるでしょう。
その辺りの「本気度」が問われているので、来週の菅・白川会談は重要ですし、白川総裁が「どこまで譲歩できるか」がポイントになってきます。
ところがここで日銀としては、量的緩和を打ち出しても、経済効果はあまりない上に、経済に対する悪影響も考えられるため、本当の意味での「量的緩和」を行うつもりはサラサラないでしょうね。
そのつもりが少しでもあれば、先週、何らかの対策を打ち出していたはずです。
ここが日銀の“真面目”なところであり、逆に言えば、「市場を知らない」ということなのでしょう。
原理的に行って「意味がない」のに「やっても仕方ないでしょう」と考えていると思われます。
しかし、もうそのようなことを言っている状態ではありません。
この会合前後に何らかの追加的緩和政策、というよりも、少なくとも定義を広くした場合に「量的緩和と考えても差し支えない」というくらいの政策を打ち出さない限り、失望感からの円買いが増加することになるでしょう。
これだけ高いハードルになってしまったのは、先週に「何もなし」という決定を打ち出してしまった日銀の責任であり、ある程度、致し方ない。
いずれにしても、意味が「ある」/「ない」に関係なく、(この際、マネーストックに波及しないハイパワードマネー・ベースでも良く、時限でも結構だけれども)円通貨の量が増加し、世界的にみて「円通貨が減価する」と市場が感じるような「何か」を打ち出さないと、市場は為替相場、および、株式相場をおもちゃにする可能性が高いと思われます。
なお、菅・白川会談で政策が出たにもかかわらず、それでも「円高が続く」という場合、それは当該政策が「甘い」と市場が感じたわけなので、そこで政府は実弾による為替介入をしても、上述の通り、それは一切効かないでしょう。
根本の問題が「欧米と日本の金融政策のスタンスの違い」と市場はみているわけですから、その政策が「まだ甘い」と判断させれば、政府がいくら介入をしても無駄になります。
今、市場は政府・日銀の「本気度」を見極めようとしているのですから、かなり大胆な政策を打ち出さない限り、この円高を乗り切ることはできないでしょうね。
逆に・・・
市場が本気度を認めれば、すんなりと90円/ドルくらいまでは戻すでしょうから、チャンスはチャンスとみることも可能です。
何事も同じですが、タイミング良く政策を打ち出すことこそが「市場との対話」であり、それをうまくやるのも政治の仕事です。
マスコミとの対話や支持率ばかりを考えるのではなく、市場をみて、政権運営をして欲しいものです。
なお、オバマ政権としては輸出振興策を打ち出していますし、米国、および、日本の対外資産負債状況より中長期的にみた場合、円は対ドルでは強い状態が続くと思われます(資源国や途上国通貨に対しては安くなる可能性はあると思います)。
なので、ここで円高を食い止めても、今後も円高対策には苦しめられるでしょう。
しかし、レベルとしての為替レートは「安定」が重要であり、急激な変動に対しては、今後もイチイチ対応をしていかざるを得ないと考えています。
ここにきて注目度が増してきた菅・白川会談!
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。