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中国が世界2位になったことで、アメリカの政治家は対中「報復」に向かって勢いづくか? 中国企業を新たな関税で狙い撃ちする。
http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/531.html
投稿者 TORA 日時 2010 年 8 月 18 日 13:47:15: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu222.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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中国が世界2位になったことで、アメリカの政治家は対中「報復」に
向かって勢いづくかもしれない。中国企業を新たな関税で狙い撃ちする。

2010年8月18日 水曜日

◆中国経済「世界2位」で強まる風圧 8月18日 ジョエル・シェクトマン
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2010/08/post-1528.php

中国が世界第2の経済大国になった今、アメリカとヨーロッパは巨額の貿易不均衡をめぐる中国批判を強めるはずだ。高度に工業化された日本と長らく競り合っていた中国が日本を追い抜いたことは、大きな意味を持つと受け止められている。

「もはや中国を新興国と呼ぶことはできない」と、エコノミック・アウトルック・グループのバーナード・バウモールは言う。「より大きな国際的責任と向き合わなければいけない。フェアに行動する必要がある」

 日本政府が16日に発表した今年4?6月期の国内総生産(GDP)の速報値によると、日本の経済規模(名目GDP)は約1兆2883億ドル。同期の中国のGDPは1兆3369億ドルで、初めてライバル日本を上回った。

 その差はわずかだが象徴的な節目であり、貿易不均衡を是正するよう中国に圧力を掛け続けるアメリカにも影響を与えるかもしれない。中国の7月のモノとサービスの輸出は、輸入より287億ドル多かった。つまり287億ドルの貿易黒字だ。一方のアメリカは6月、貿易赤字499億ドルを記録した。

 中国が巨額の貿易黒字を抱えているのは、自国の通貨を操作して自国企業を競争から守っているからだと、アメリカとヨーロッパは主張する。「中国は今や世界第2の経済大国であり、こうした保護主義的な政策を正当化するのはますます難しくなる」と、バウモールは言う。

中国企業を狙い撃ちする法案
 貿易赤字があると外国への借金に依存することになり、それは中国を含む世界の経済にとっても良くない、というのが米欧の立場だ。「いつまでも借金を増やすわけにはいかない」と、スタンダード&プアーズのチーフエコノミスト、デービッド・ウィスは言う。「いずれ世界の市場はアメリカの債務が多すぎると判断し、ドルが暴落するだろうが、そのときは人民元も暴落することになる」

 中国の政策は、高価な商品への需要が急拡大している自国の消費者にとってもマイナスになりかねない。人民元を安く保てば、アメリカの消費者にとって中国製品は安くなるが、中国の消費者が買う輸入品の値段は高くなる。

 中国が世界2位になったことで、アメリカの政治家は対中「報復」に向かって勢いづくかもしれない。それは皆にとって不幸なことだろう。アメリカの貿易赤字が過去2年で最悪の水準に達するなか、チャールズ・シューマー上院議員(民主、ニューヨーク州)は中国企業を新たな関税で狙い撃ちする法案を推し進めようとしている。

「政治家は赤字が嫌いだが、アメリカで新たな保護主義が台頭すれば、両国の経済を揺るがしかねない」と、ウィスは言う。


◆【社説】ジャパン・アズ・ナンバースリー 8月17日 ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/Opinions/Columns/node_92180

若い読者にとっては信じ難いことかもしれない。ほんの20年前、米国の政界と学界は、日本を躍進する経済大国とみなしていた。ハーバード大学の学者、エズラ・ボーゲル氏の著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は広く読まれ、メディアは、日本は戦争で米国に敗北を喫したが経済では米国に勝利を収めた、と報じた。

 中国の国内総生産(GDP)が日本を上回り、世界2位の経済大国となったとのニュースは、こうした見方を皮肉に変えた。この出来事は一世代前には想像すらできなかった。それでも、日本の1人当たりGDPと生活水準は中国を大きく引き離す。

しかし、チャートが示しているように、両国の成長トレンドに開きがあるのは否定できない。1990年から2009年までの中国の年間成長率はほぼ10%だ。これに対し、日本は高度経済成長の後、成長率が2%を大きく下回る水準まで著しく低下した。一方は貧困から急速に抜け出した。もう一方が陥ったのは、よく言って繁栄を維持しながらのスタグネーションだ。

 アジアにおける形勢逆転の理由と、これが持つ意味合いを考えたい。明らかな教訓は、国家の豊かさは生得権ではないということだ。国民の才能を解き放つ健全な経済政策を通じて国家は毎年、繁栄を重ねていく。

 中国にとっての突破口は、ケ小平氏による1978年の改革開放経済政策の導入だった。当初は農業、後にそのほかの産業が開かれ、中国は格段に企業家精神に富んだ国になった。08年の本紙のリポートにあるように、GDPに政府が占める割合は78年の31%から2000年代初めに約11%に縮小した。中国は一方的に関税を引き下げ、世界貿易機関(WTO)に加盟し、国有企業を改革して競争にさらした。そして、こうした政策がもたらす成長モメンタムの影響を引き続き享受している。(中略)

中国は今日、より力強く自信に満ちた国家だ。国民は失われた数世紀を取り戻そうと努力し、地域大国として再び主張を始めた。中国は(一人っ子政策のせいで)高齢化の問題に直面しているが、農村部から都市部に向かう数千万人の出稼ぎ労働者が若い労働力を提供している。

 問題は、中国が一党独裁の限界に突き当たるなか、素晴らしい成長を維持することが可能であるかどうかだ。金融危機が米国型経済モデルを傷つけるなか、中国は「国家主導型」の世界企業を追求している。

 中国通で知られるコンサルタント会社APCOワールドワイドのジェームズ・マグレガー氏は米商工会議所の最近のリポートで、中国は主要7地域において国内企業を競争から保護する政策を打ち出し、市場経済からの離脱を図っている、と指摘。これにより、国内で効率性と革新性が後退するとともに、世界各国で反感が芽生える可能性がある、との見方を示した。政治主導の資本は一時は花を咲かせるが、市場規律の欠落により衰退を余儀なくされることは目に見えている。

 それでも、中国の経済面での躍進は世界の繁栄に寄与している。日本の戦後の復興時と同様だ。対照的に、日本の20年間のスタグネーションは日本人のみならず世界にとっても悲劇だった。世界の繁栄はゼロサムゲームでない。各国が貢献することが大切だ。

 米国民にとっての朗報は、他国の順位に変動があっても、少なくとも08年までは米国のGDPの順位は不動であったことだ。中国は躍進しているが、米国の経済規模はこれを凌駕する。日本と同じ政策の過ちを犯し、日本の運命をたどることを米国は避けねばならない。

(私のコメント)
日本は80年代ころからアメリカの猛烈なジャパンバッシングの嵐に遭い、その度に市場開放と規制の緩和を強いられ続けてきた。一番の矛先は金融市場でありジャパンマネーの争奪戦が行なわれてきた。一番の標的は日本の銀行でありBIS規制や時価会計を押し付けて来て、日本の株式持合い制度を崩して行った。

このようなアメリカからの強い要求に対して日本の政治は無力であり「構造改革」の名の下に実行されていった。特に年次改革要望書による改革はアメリカによる内政干渉であり、日本のマスコミはこの事を隠し続けて報道してこなかった。90年代に行なわれたビックバンは金融規制緩和の決定版であり、日本の銀行経営は護送船団方式からダメな銀行は潰す政策に切り替えられて銀行による貸し渋りと貸しはがしが横行するようになった。

このように「改革」の名の下に「日本解体」が進められたのであり、世界帝国アメリカを脅かす世界第二位の日本は痛めつけられて衰退していった。それに代わって登場したのが中国であり、GDPにおいても中国は日本を追い抜いて世界第二位の経済大国ということになった。

アメリカがドルに対して人民元の四分の一までの切り下げを認めて輸出主導の経済体制で経済発展を目指した。それは日本がモデルであり韓国や台湾でも成功したモデルであり、経済発展が民主国家への発展につながると言うアメリカの希望があった。その為には日本に対しては円高によって日本の輸出産業を中国へ移転させる戦略だった。

80年代から90年代にかけて1元=2ドル台から1元=8ドル台まで切り下げられ、それだけでも中国の手取り収入は四倍に膨れ上がる事になり輸出による経済発展が促されてきた。それに対して日本は1ドル=360円から1ドル=80円割れまで円高になることによって、単純に換算すれば1万ドルで売られていた日本車が4万ドルに跳ね上がった事になる。

日本は食糧からエネルギーから石炭鉄鉱石まで何でも輸入しなければならない国だから、円高は必ずしも不利なものではないのですが、製品輸出する輸出企業は大打撃を負った。日本は製品輸出から資本財を輸出する経済構造になり、石油などの原材料を高い円で買い資本財に加工して韓国や中国の企業に売って、韓国や中国は製品として組み立ててアメリカに輸出する分業体制になった。

だからリーマンショックで韓国や中国の製品輸出がストップする事で一番打撃を受けたのが日本であり、それは資本財を中国や韓国の企業に輸出していたからだ。部品点数の多い自動車産業などは国内で生産したほうがいいのですが、部品点数の少ない家電製品などは韓国や中国に抜かれて日本の家電産業は崖っぷちに追い詰められてしまった。

中国や韓国では輸出依存度が36%37%と非常に高くて日本は14%で高くはない。それだけ内需が大きいからです。日本の円がもっと安ければ製品輸出が多くなって来るのでしょうが、付加価値の低い資本財では輸出してもあまり儲からない。


◆日本の輸出に占める資本財の割合  2008年4月7日 新世紀のビッグブラザーへ
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/6017725.html

 意外に知られていませんが、自動車やデジタルカメラ、プラズマテレビや液晶テレビなど、一般の消費者が購入する「消費財」が日本の輸出に占める割合は、恐ろしく低いです。日本の輸出の実に七割以上が、工業用原料や一般機械、電気機械など「企業」が購入する資本財になります。

 JETROのデータを調査したところ、一般の人から、何となく日本の輸出の花形のように思われている耐久消費財(家庭用電気機器、乗用車など)のシェアは、20%もいっていませんでした。
 今までにも何人かの経済学者がこの点を指摘し、日本の輸出産業は円高に強い構造だと主張していましたが、定量的なデータを見たことがないので、自分で作ってみました。確かに2004年から07年までの四年間は、資本財が日本の輸出の平均75%を占めています。(面倒なので、03年以前は見ていません。興味がある人は、情報ソースに昔の数値も載っていますので、調べてみてください。)
 企業が購入する資本財は、一般消費財とは異なり、価格よりも品質が重視され、かつ一度選択すると取引関係上、簡単には購入先を変えれません。確かに日本は他の消費財輸出が中心の国々よりは、通貨高に強い構造と言えそうです。一般の消費者は、消費財の価格が上がれば、少々の品質には目を瞑り、安い製品に流れる可能性もありますが、資本財の場合はそうはいきません。価格だけで購入先を選択すると、下手をすると品質問題でラインが止まる可能性もあり、リスクが大きすぎるからです。
 しかも最近の資源高で、新日鉄などの資本財メーカは容赦ない値上げを行っていますが、韓国企業などの購入側は、仕入先を変えることもできず、涙を飲んでいます。特に新日鉄などが生産する高品質の鉄は、事実上、代替製品がありませんので、少々の値上げには文句も言えないような状況のようです。


(私のコメント)
日本は欧米からの貿易摩擦批判で円高を受け入れて製品輸出を断念して資本財輸出に切り替えた。もちろん製品輸出が一番おいしいところであり、韓国や中国の企業は好業績でサムスンなどは日本の家電産業が束になってもかなわなくなりました。ソニーやパナソニックと言った企業はテレビなどの製品輸出は諦めて部品や素材の輸出で生きていかなくてはならなくなりました。

特に中国経済の躍進は著しくGDPで日本を追い越すまでに大きくなりました。これでアメリカから受けてきたジャパンバッシングの嵐は過ぎ去り中国に向かう事になります。シェクトマン氏の記事を見ればそれが伺えますが、アメリカの戦略はナンバー2の国を叩く事だ。しかし中国は日本のように同盟国ではなく核ミサイルを持っている。

つまり日本は、ナンバー1のアメリカとナンバー2の中国の叩きあいを傍から眺めていればよくて、両方が共倒れになってくれれば一番いいだろう。日本にとっては人口が3億人のアメリカと13億人の中国が市場であり、経済規模もナンバー1と2なのだから16億人の市場が開けている。

日本は高品質な鉄やガラスなどの資本財を開発して中国や韓国やアメリカの企業に売って行けばいいのであり、自動車に使われる高張力鋼や高速鉄道に使われるレールなどは日本でしか作ることが出来ない。ガラスにしても自動車に使われるUVカットガラスや断熱ガラスなど日本で作られる。タイヤにしても中国製と日本製で見た目は変わりませんが使って見れば違いは直ぐに分かる。素材が違うからだ。

このように日本はステルス戦略で中国の陰に隠れる事でアメリカの圧力から回避する戦略を選んだ。場合によっては中国と手を組む事でアメリカの横暴を押さえる事も必要になるだろうし、中国の軍事的暴走はアメリカと手を組む事で封じ込めなければならない。しかしこのような巧みな外交戦略が取れる政治家もいないし、シンクタンクもない。

大英帝国はドイツやロシアやフランスなどの強大国をバランスを取りながら仲間割れをさせて勢力を削いできた。米中が新冷戦体制に入ればキャスティングボートを取って米中を操る事が必要ですが、台湾や韓国やASEAN諸国をどのように活用できるかがカギになる。沖縄の米海兵隊基地があるかないかでシンガポールの首相までが慌てる事態があったことは記憶に新しい。

 

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