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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu222.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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必要額の半分に相当する3,500万円を、自分で調達しようとした。
そう考えたのは、銀行員としての経験からだった。 松田公太
2010年8月17日 火曜日
自分の目の届くところで最高級のコーヒーを焙煎し、
最も新鮮なうちにお客様に届けることができるのだ
◆すべては一杯のコーヒーから 松田公太;著
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4101180318.html
◆松田公太「すべては一杯のコーヒーから」新潮社 2005年10月23日 hiog
http://hiog.seesaa.net/article/8477309.html
p12.情熱は誰でも平等に持つことができる。その点が生まれ持っての資産や容姿、才能とは違う
p21.最初から意思決定権を持った人に話をする
p23.まずは、銀座や青山といった東京都内の一等地に一号店を出店し、ブランドイメージを確立することが必要となります
p33.「それは間違いです!」私はトムの言葉をさえぎった
p38.契約を結ぶ場所として、トムはシアトルでも有名なシーフードレストランを予約してくれていた。しかも、アールジェイを伴い正装で現れた彼は、懐に高級な「モンブラン」の万年筆を2本、忍ばせていた
p40.このとき私とトムがわずか3ページの契約書しか交わしていなかったことが上場後に大きな問題を呼んだ
p66.それが学校の先生や親に見つかって、大目玉をくらってしまった。これがアメリカだったら、彼は逆に誉められていたかもしれない。自分のアイディアで始めたビジネスでカネを稼ぐことは、たとえ子供であろうと素晴らしい
p98.一方の私には、信仰はない。その分、悲しみも自分で消化するしかなかった。私はこう考えようと努めた。(弟は自分のなかで生き続けている。私が楽しく人生を歩むことができれば、弟も一緒に喜んでくれる。弟は自分の運まで私に与えてくれているのだから、仕事だってうまくいかないはずはない)
p101.とにかく銀行の仕事においては、何においても同一行動が求められるのだ
p105.「支店長に許可されたからといって、車を使うのは遠慮がなさすぎる。20代の若造を乗せる運転手さんの気持ちにもなってみろ」そうした私への非難が次々と聞こえてきた。余談だが、当時の運転手さんとは仲が良く、今でも年賀状をやり取りしている
p107.「松田くんは、挫折というものを知らないだろう。挫折もなしに支店長代理に昇進すれば、部下の気持ちもわからない上司になってしまう。キミはいずれ、同期のなかではトップで支店長代理へと推薦される人間だ。その前に、同じ仕事で苦労している奴もいると知ってもらいたかった」呆れるしかなかった。相談もなしに数字を改ざんしておいて、何という言い草なのか
p126.私はまず、必要額の半分に相当する3,500万円を、自分で調達しようとした。そう考えたのは、銀行員としての経験からだった。企業のプロジェクトに融資する際にも、半分を企業が自前で出すとなると銀行に対する印象が良いのである
p131.税関を通過する苦労を味わっているだけに、HIVを引き起こす非加熱製剤や、最近でも狂牛病にまつわる「肉骨粉」が日本で問題となったとき、私は腹立たしくて仕方がなかった。コーヒーカップは隅から隅まで検査しておきながら、なぜ人間の体に入るものを見過ごしてしまうのか
p141.フェローに対しても、コーヒーの入れ方と同じくらい、お客様との会話が大切なのだと強調し続けた
p145.シアトル出張の際には必ず、街のサンドイッチ屋を回って、うまいと思った品物を日本に持ち帰る。そして成田から会社に直行し、待機してもらっているサンドサンドの社長にサンドイッチを渡し、すぐに同じものをつくってもらうのだ
o156.「何を言っているんですか!タリーズが世界で一番おいしいコーヒーを出しているお店ですよ。シアトルで大人気になったように、日本でもいつか必ずナンバーワンになりますよ!」
p173.タリーズでは全社員にストックオプションを導入し、他者に先駆けてアルバイトにまで広げている。独立を目指すフェローたちに、資金的な協力ができればと考えたからだ
p190.従来の日本企業では、創業者が上場後も過半数の株式を所有し、会社を支配し続けるケースが珍しくない。だが、私は企業の経営者と所有者は別であるべきだと思う。たとえ創業者が経営者を兼ねていようと、株主から罷免される緊張感がなければ、健全な経営は難しいのではなかろうか
p193.いつもどおり、私は張り込みから始めた。陣取った場所は、道を挟んで物件の反対側にあるコーヒーショップ。そこから数日間、通行人を数えてみる
p195.神谷町のリピーターと親しく会話をしてるなかで、私は何度かスカウトされたこともあった。「英語が話せる元銀行員」ということで興味を持ってくれたらしい。「コーヒーショップの店長」と「銀行マン」に、果たしてどれほどの「差」があるのだろうか。コーヒーショップの仕事にだって、私は銀行で働く伊所言うの夢は抱けると信じている
p200.三井物産と関係の深いコーヒー会社にも、店舗への出資を提案した。だが、同様に拒否されてしまった。これで彼らにも、反対する理由がなくなった
p204.彼女のことを書き記すのは、六本木で失敗した責任を彼女に転嫁するためではない。出資者に言われるままに出向を受け入れてしまった私の失敗例として、読者に参考にしてもらいたいのだ
p206.私は東京から片道1時間以上もかかるNサービスの事務所に30回以上は出向くことになった。そして、数え切れないほど頭を下げた。とにかく役人体質が強く、自分が世の中で一番偉いと勘違いしている人たちばかりなのである
p208.事業が伸びきった会社が上場しても、どれだけ株価に期待が持てるだろうか。投資家に高い値段で株を放出して得をするのは、多額の資金を調達できる会社側、「創業者利益」を享受できる創業者、それに引受手数料の入る証券会社くらいではないか
p225.「マクドナルド」だけが大成功して、「バーガーキング」は無残な撤退に終わっている。その理由は、バーガーキングが大手資本と組んで日本に進出を試みたのに対し、マクドナルドは「藤田商店」を率いる藤田田という当時、無名の経営者だった人物に期待したからなのだ「ダンキンドーナツ」と「ミスタードーナツ」にも同じことが言える
p230.5億円というのは、上場時に調達した資金にも匹敵する。しかし、タリーズジャパンが次のステージへと上るためには、この2つの権利は必要不可欠のものだった。これからは、自分の目の届くところで最高級のコーヒーを焙煎し、最も新鮮なうちにお客様に届けることができるのだ
(私のコメント)
現在の日本の労働環境は年功賃金体系から同一労働同一賃金体系に移行する過渡期に来ているのではないかと思います。年功賃金体系では中高年労働者が高給をもらい若年労働者が低賃金で働く事になります。しかし日本がゼロ成長経済下においては年功賃金体系では社員が高給をもらっている中高年社員だらけになってしわ寄せが若年労働者に来ます。
高給をもらっている中高年社員はなかなか首が切れないから、人件費が増え続けます。その為に新規の採用を控えたり新入社員を派遣労働者で埋めることになります。正社員に比べれば非正規社員は給与が半分以下に抑えることが出来るそうです。しかし会社の現場では正社員と非正規社員との摩擦が生じている。
年功賃金体系から同一労働同一賃金体系に切り替わるのは簡単ではなく、社会組織の根本から変わる事を意味するから不可能なことかもしれない。能力給といっても何を基準に能力を測るのかが分からない。成果主義という事も本来の意味も分からずに取り入れても会社は混乱するだけだろう。
年功賃金体系なら正社員はどんなに無理な過重な仕事を与えられてサービス残業してでもやる社員は多いだろう。我慢して勤め上げれば給与は年々上がっていくからだ。それに対して能力給は何年働いても同一賃金だからサービス残業までして働く意欲は無くなる。一部の出世したい人だけが成果を上げて出世する。しかし日本の会社では裏では足の引っ張り合いも激しく出る杭は打たれることが多い。
年功序列賃金体系も能力給賃金体系も一長一短があり判断は難しいのですが、時代の流れは能力給に移行して行くのではないだろうか? しかし日本人の精神文化が切り替わるのは無理ではないだろうか? さきの戦争中でも日本軍は年功序列を変えることが無く、無能な指揮官を代えることが出来ずに負けた。
戦争は勝った負けたの世界であり能力が結果として出やすい。しかし日本軍は嫉妬と足の引っ張り合いで有能な軍人を左遷させてしまう事が多い。その結果、几帳面で忠実で細かな事には有能だが大局が分からない東条英機のような人物が大将になってしまう。現代の会社でも会社に忠実で言われた事はきちんとやり会長や相談役に受けのいい人物が社長になる。
私自身も銀行に十数年いましたが銀行と言う所は人材の墓場であり、若くて優秀な人材を大量に採用しても使い潰してしまって、中高年になると使いものにならない人材ばかりになってしまう。みんなの党の松田公太氏も銀行を5年で辞めて起業しましたが、やる気があって有能人材は銀行など数年で辞めるだろう。周りからは高い年収なのにもったいないと言われましたが、銀行と言う所は辞めたくても辞められない外の世界では通用しないような人物しか残らない。
「株式日記」では若くて有能なら会社を辞めて自分で起業すればいいと書きましたが、平凡な人材は会社にしがみ付いていた方がいいだろう。アパート経営やビル経営も決して誰にでも出来る仕事ではないから平凡な人材は手を出さない方がいいでしょう。
アメリカでは大企業のエリート社員よりも企業家のほうが社会的な地位は高い。企業家に比べれば弁護士や医師などは低く見られている。弁護士などは頭が良ければなれるのでしょうが起業家は能力があってベンチャー精神も必要だ。しかし日本では大企業のエリート社員の社会的な地位が高くてベンチャー起業家は山師のように見られてしまう。
これからの企業は有能な人材をいかに育成して行くかが課題ですが、年功序列賃金体系では有能な人材ほど辞めて行ってしまうだろう。かといって日本に成果主義を取り入れても足の引っ張り合いでチームワークが乱されて会社経営はガタガタになってしまうだろう。学校でいじめの問題が起きるのも日本の特徴なのでしょうが、勉強が出来るだけでいじめの対象になる。
会社に入っても遊ばずに勉強などしていると変人奇人呼ばわりされたりする。松田公太氏の著書にも銀行内部のいやらしさが書かれていますが、ビジネスの基本を覚えるにはいいところだ。中小企業の社長とも話ができるし、これからどんな業種が景気がいいかも分かる。社長たちと話をしていれば一生サラリーマンをしているよりも起業家になったほうがいいと思うようになるだろう。
しかし起業するには自己資金が必要になるし、仕事に対する知識も深めなければなりません。その為に私は1000万円を貯めたし勉強して宅地建物取引主任の国家資格も取りました。それが出来なければ銀行を辞めて起業することも出来ないでしょう。銀行と言う所は個性の強い社員は嫌われるし同一行動を求められる。考え方も同じであり枠に囚われた考え方をする人が多い。
楽天の三木谷社長も松田公太氏も銀行出身ですが、やはり銀行出身者は背広をきちっと着こなしてビジネスの基本は持っている人が多い。だから起業家志望の人も銀行に数年は勤めてビジネスの基本と中小企業の社長たちとのコネ作りもしたほうがいいと思う。ホリエモンは数年で潰されましたが三木谷社長は世界的なビジネスまで目指している。やはり銀行員の時の経験が生きているからだ。
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