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http://www.j-cast.com/2010/08/12073383.html
夏の国内観光地としてかつて人気だった沖縄が今、観光客離れに喘いでいる。ホテルは稼働率が低下して、客単価も減り、売上高が下落。観光地としての魅力に陰りが出たせいで地価も下がっている。沖縄はもうだめなのか。
09年に沖縄を訪れた観光客は、前年度を4.1%(24万4300人)下回る569万人で、8年ぶりに前年実績を下回った。08年秋からの世界的な景気悪化で旅行マインドが減少したことや、09年前半の新型インフルエンザが影響した。下半期は円高基調による海外旅行の割安感が増し、高速道路料金が値下げされて安・近・短志向が高まり、東京や関西方面からの観光客が減った。
観光収入、ホテル稼働率、いずれも前年下回る
このため、沖縄経済を支えている観光収入も減った。09年度の観光収入は前年度より12.1%(520億5000万円)減って、3778億3200万円だった。観光客が減少したほか、観光客1人あたりの県内消費額が、前年度比8.4%(6055円)減の6万6403円だったことも響いた。
消費額の多くを占めるのが宿泊費だ。ホテルも大きな打撃を受けている。沖縄振興開発金融公庫企画調査部が実施した「09 年度県内主要ホテルの稼働状況に関する調査」によると、都市部にあるシティホテルは稼働率が67.6%、リゾートホテルは67.5%となり、ともに前年度の稼働率を下回った。一方、料飲設備などをなくした宿泊特化型ホテルの稼働率は58.5%で、前年度をわずかに上回った。客単価はいずれも前年度を下回り、シティホテルが1万2085 円、リゾートホテルは2万1968 円、宿泊特化型ホテルは6562 円だった。
売上げも落ち込んだ。シティホテルの平均売上高は、前年度比9.8%減の20億7400万円、リゾートホテルは同比13.8%減の28億1000万円、宿泊特化型ホテルは同比5.9%減の1億9100万円だった。調査対象は県内のホテル38 軒。1施設当たりの平均客室数は228 室、1施設当たりの平均定員数が485 人。
また、朝日新聞は8月3日付けの記事で、リーマンショック前に約4200億円にのぼるホテル開発計画があったが、リーマンショック後、実際に着工されたのは4分の1程度にとどまったと報じている。
外国人観光客をどれだけ取り込めるか
観光客の減少は、地価の下落も招いた。国土交通省が09年3月に発表した県内公示地価は、商業地と住宅地あわせて188調査地点すべてで、前年より下がった。商業地で下落率がもっとも大きかったのは、宮古島市で前年比4.6%マイナス。石垣市は前年より2.4ポイント減って4.4%マイナス、那覇市は3.1%マイナスだった。
沖縄県土地対策課の担当者は、
「リーマンショックや新型インフルエンザの影響で観光客が減り、ホテルの稼働率が下がって収益が低下したことが、地価の下落につながったと思います」
と話している。
沖縄は観光地として、もうだめなのか。国内観光客の「沖縄離れ」が進むなか、09年の外国人観光客だけを見ると、前年度を3.9%(9200人)上回る24万6000人で、過去最高を記録した。台湾がもっとも多く、香港、中国、韓国と続く。
沖縄県は外国人観光客の取り込みに力を入れていくようだ。県観光振興課は、この4か国を重点地域としてプロモーション活動を行ったり、英語、中国語など10か国語に対応した外国人向けの観光案内ホームページを作成したりしているほか、10年度からインターネットやスカイプ、スマートフォンなどを使った観光案内を計画し、10年度は外国人観光客数30万人を目指すという。
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