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株式日記と経済展望
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日銀が10日の金融政策決定会合で追加金融緩和を見送ったのに対し、
FRBは事実上の追加金融緩和で円高が進み、85円を突破した。
2010年8月12日 木曜日
◆米FRBがMBS償還金を国債に再投資へ、景気に慎重な見方 8月11日 ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100811-00000254-reu-bus_all
[ワシントン 10日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は10日発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、失速しつつある景気回復のてこ入れに向け、満期を迎えるモーゲージ担保証券(MBS)の元本を長期国債に再投資する方針を示した。
FRBは、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0─0.25%に据え置くとともに、広く予想された通り、超低水準の金利を長期間(for an extended period)維持する意向を確認した。
声明では「物価が安定した状況での景気回復を支援するため、FOMCは政府機関債とMBSの元本償還分を長期国債に再投資することによって、FRBの証券保有額を現在の水準で維持していく」と説明した。
今回のMBSを再投資する決定は、数カ月前に刺激策からの出口戦略について協議していたFRBにとって、大きな方針転換を意味する。
アナリストや投資家の多くはMBS償還資金の再投資を見込んでいたものの、大半は再投資先として米国債ではなくMBSを予想していた。
一部のアナリストからは、景気減速の兆しが強まれば、FRBは一段と踏み込んだ政策措置を打ち出す可能性もあるとの見方が浮上している。
バークレイズ・キャピタルのエコノミスト、マイケル・ゲイペン氏は「見通しの悪化が続けば、FRBは新たな資産買い入れに踏み切る公算が大きい」と述べた。
ただ、ロイターが実施した米プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)調査によると、FRBが10日に発表した再投資に加え、いずれ新たな米国債買い入れを実施すると予想した回答は13社中5社にとどまった。
FOMC声明は米経済について、生産および雇用の回復ペースが「過去数カ月間に減速した(has slowed)」とし、一段と慎重な見方を示した。6月の前回会合では、経済回復が「進んでいる(proceeding)」としていた。
今回のFOMCでは、カンザスシティー地区連銀のホーニグ総裁が再び反対票を投じた。低金利を長期間維持する方針の表明をめぐり、同総裁が異議を唱えるのは5回連続となる。
ホーニグ総裁は経済について他のメンバーよりも楽観的な見方を示した。米経済は「緩やかに回復している」とし、FRBのバランスシート縮小を妨げる必要はないとの見解を示した。
<不安を伴う選択肢>
FRBは期間2─10年をはじめとする国債への再投資により、国内証券保有額を2兆0540億ドル程度に維持する見通し。
FRBの保有するMBSや政府機関債が毎年どの程度の規模で満期を迎えるかをめぐり、投資家の間では1000億─1500億ドルとの見方が出ている。これは少額ではないが、景気に大きな刺激をもたらすには不十分とみる向きが多い。
LPLフィナンシャルの最高投資責任者バート・ホワイト氏は「実際の効果は象徴的な効果よりも弱くなる」と指摘。FRBは今回の措置によって「景気の二番底を回避するためにすべての可能な対策を講じる用意があることを市場に示している」との見方を示した。
再投資先としてMBSではなく国債を選んだことは、特定のセクターを支援する政策に反対してきたよりタカ派的なFRB当局者の立場を踏まえた譲歩の可能性もある。
FRB当局者はこれまでに、景気回復がつまずいた場合、FRBとして取り得る措置は複数あると表明しており、超過準備預金金利の引き下げや、長期間の低金利維持へのコミットメントを強めることなどに言及してきた。
資産の追加買い入れもあり得るが、これには欠点がないわけではない。FRBは紙幣発行により政府が抱える多額の財政赤字をマネタイズしているとの批判にさらされる可能性がある。
◆円高加速 注目集まる日銀「次の手」 協調介入困難、長期債・オペ焦点 8月12日 フジサンケイ ビジネスアイ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100811-00000011-fsi-bus_all
日銀が10日の金融政策決定会合で追加金融緩和を見送ったのに対し、米連邦準備制度理事会(FRB)は事実上の追加金融緩和に舵を切り、「出口戦略」を転換した。これに反応して11日の東京外国為替市場は円高が進み、一時8カ月ぶりに85円を突破した。市場には、「1995年4月につけた過去最高値の1ドル=79円75銭も視野に入った」との観測もあり、政府・日銀の「次の一手」に注目が集まっている。
◆東証9300円割れ
国内企業業績の足を引っ張る急激な円高は、株価の下落要因にもなり、日経平均株価の終値は前日比258円20銭安の9292円85銭まで下げた。
「想定為替レートを1ドル=85円よりも円高に設定している企業はなく、これ以上の円高はリスク要因」(日銀幹部)で、輸出関連企業にとどまらず、ほぼ全面的に売られた。
事態を重く見た直嶋正行経済産業相は同日、円高についての緊急ヒアリング調査を国内企業200社に行うと表明した。
これ以上の円高に歯止めをかけるため、ささやかれ始めたのは、政府・日銀がドルを買って円を売る「為替介入」。ただ、輸出産業主導の景気回復を目指す米オバマ政権はドル安を容認する方向で、協調介入は現実的でなく、「日本だけで単独介入しても、効果は限定的」(第一生命経済研究所の熊野英生・主席エコノミスト)といえる。
最後に介入が行われたのは2004年3月16日だが、当時も米政府から日本の円安誘導に批判が集まり、介入をストップした経緯がある。
代わって焦点に浮上しているのが、追加金融緩和策だ。日銀が政策金利をこれ以上引き下げることは難しいが、追加緩和策によって日米の金利差を広げ、円安・ドル高に誘導しやすい。
◆「秋ごろ」の観測
有力な選択肢は、長期国債の買い入れ。「資金を市場に潤沢に出して、うまく循環するようにする。徐々に買い増すほうがいい」(農林中金総合研究所の南武志・主任研究員)。日銀の長期国債の保有残高をお札の発行残高よりも下に抑える「銀行券ルール」撤廃も視野に入る。
もう一つは現在、金融緩和策として行っている「固定金利オペ」の拡充だ。現在は20兆円規模の資金を金融機関に期間3カ月で貸し出しているが、「一部を6カ月のものに入れ替え、金融緩和の長期化にメッセージを出す」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)というものだ。
今後、日銀の「無策」への批判は避けられそうにない。追加緩和の時期については、「9月短観の結果や、エコカー補助制度などの効果切れが見え始める秋ごろ」との観測も上がる。円高が一層進み、臨時会合を開かざるをえない局面も予想され、日銀は待ったなしの対応を迫られている。(山口暢彦)
(私のコメント)
FRBがMBSや国債を買い込んで紙幣を市中に大量にばら撒いているのに対して、日銀は何もしないから円高ドル安が止まりません。日銀がFRBに対してドルをばら撒くのはやめてくれと申し入れるべきですが出来ないでしょう。中国もドルペッグのために人民元を大量に売って紙幣をばら撒いている。アメリカや中国でだぶついたお金は円買いに向かいます。
中央銀行が紙幣をばら撒けばインフレになりますが、中国はインフレになろうと輸出の為にはドルペグを維持しなければならない。中国が人民元を切り上げられないのは昨日も書いたように技術を盗んで安く売らなければ売れないからです。いくら安くても故障ばかりする中国車よりも高くても信頼性の高い日本車を中国人は買っている。
アメリカ人も同じでドルを刷りまくってもインフレにならず金利も高くならないから紙幣をばら撒かなければ馬鹿みたいなものです。日本は超低金利状態が15年も続いているのに日銀はインフレを恐れて紙幣をばら撒く事はしない。紙幣をばら撒くと言うのはFRBのように国債や証券を買い紙幣を市中に放出する事です。
銀行は国債や証券を日銀に売っても運用先が見つからないからまた国債を買いこんでしまう。政府は国債を発行して公共事業などを行なっていますが今では40兆円から20兆円に公共事業は減ってしまっている。国債の発行残高は900兆円を越したそうですが銀行などが買いまくっているから金利は低いままだ。
これだけ発行残高が増えれば国債は危ないんじゃないかという警戒が出てもおかしくは無いのですが、円高が進む一方では通貨に順ずる国債が値崩れする事は理論的にありえない。つまり円高はもっと国債を発行してもかまわないと言う信号なのですがマスコミが国の借金が900兆円で大変だと騒ぐから日銀が及び腰になってしまう。
信用のない新興国が国債を発行しようとすれば金利を高くしなければならず、発行するには限界があります。それに対して日本やアメリカは経済大国であり紙幣がだぶついている状態では国債は金利が低くてもいくらでも売れる状態だ。市場のマインドが冷え込んでいてリスクに敏感な状態では銀行も国債しか買うものがない。
国債をどれだけ発行できるかは金利と為替相場がバロメーターになりますが、円が独歩高になってドルとユーロが安くなっている。日銀が金融の量的緩和をしないからですが、日銀は金利や為替相場を見ながら通貨の量的な調整を柔軟に行なわなければ円高が一方的に進んでしまう。
基本的には日本の経常黒字が続いているから円も高くなります。それでだぶついた投機資金が円買いに向かう事になります。日本もアメリカも超低金利だから為替投機で儲けようというヘッジファンドが円を買います。ドルとユーロの通貨の切り下げ合戦で円が一手に為替価値を切り上げている。FRBがドルをばら撒けばECBも国債を買い込んでユーロをばら撒いている。
このような通貨の切り下げ合戦が行なわれるのは景気が低迷しているから輸出で景気回復させようという目論見があるからだ。しかし日本だけは円安にして景気回復というシナリオは無いようだ。政府日銀が円売りドル買い介入しなくとも日銀が資金を大量に放出すればその資金の一部は金利の高い通貨に向かって行く。
日本は900兆円の国債残高があるのだから日銀はそれだけ資金放出余力があるとも言える。日銀が900兆戦の国債を全部買い取って市場に資金を供給したらどうなるだろうか? 多くが資金運用先がなくてまた戻ってくるでしょうが一部は円キャリートレードが起きて円安になる。
マスコミは盛んに900兆円の国債を借金と言っていますが、金利の付く通貨であり現金に次ぐ信用力があるものであり、その円が高くなっていることは国債の信用度も高くなっていることだ。しかし日銀が900兆円の国債を一気に買い戻せばそれだけの通貨が市場にあふれる事になる。だから国債は通貨の缶詰のようなものであり借金ではない。
日本が戦争に負けて工場もインフラもみんな灰になってしまえば国債は無価値になり超インフレになりましたが、現代において日本の工場やインフラが一気に灰になる事はありえないからインフレになる事は無い。それだけ生産過剰でデフレギャップが生じているから国債を発行して事業を行なってギャップを埋めなければGDPは縮小していってしまう。
欧米もこれからは過剰な借金や過剰な設備や過剰な雇用を解消して行かなければなりませんが、一気に解消しようとすれば大恐慌になってしまう。だから政府は公共事業を増やしてGDPが萎まないようにしなければなりません。つまり日本のように長期間の停滞を余儀なくされるだろう。
新興国は発展余地がありますが、先進国からの投資が続いているうちはいいが新興国バブルが破裂して信用不安が起きれば新興国は元の木阿弥になってしまう。結局は先進国は投資先がなくなり国債しか買うしかなくなる。巨大なデフレギャップが出来ているのだから金利も上がるはずも無く国債の残高が増えても金利負担はごく小さいままだ。
日本が金利を高くしようと思ったら工場や生産設備を解体するか爆弾で処分するしかデフレギャップは解消せず、金利は上がりようがない。唯一考えられるのは石油がストップして工場の生産が止まれば一気にインフレになることだ。その為には脱石油体制を推進する事であり、その方面への国家的な投資を進めなければなりません。
しかし脱石油の体制は遅々として進んでいませんが、石油の値段はじりじりと上がり続けるだろう。昨日もテレビで水野和夫氏が石油の値上がりが低成長の原因と言っていましたが、世界的に経済成長の時代は終わっている。これからの経済成長は脱石油がどれだけ進んだかによるだろう。
具体的に言えば自動車が石油から電気に切り替わらなければ脱石油は成り立たない。発電も火力から原子力やエコロジーなものに切り替えていかなければ脱石油は出来ない。新興国バブルも石油の高騰が引き金となって崩壊して行くだろう。円が高くドルやユーロが安くなるのは日本が一番省エネが進んでいるからだ。
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