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株式日記と経済展望
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ウソとは言わないまでも、明らかに偏った超悲観シナリオで、ましてや
日本のような先進国で食糧不足が起こるようなことはあり得ない。
2010年8月8日 日曜日
◆小麦先物相場、2年ぶり高値 異常気象で投機買い膨らむ 8月6日 朝日新聞
http://www.asahi.com/food/news/TKY201008060386.html
世界的な異常気象の影響で小麦などの先物価格が上昇している。ロシア政府が干ばつ被害を理由に小麦輸出の一時停止を決めたことを受け、小麦相場は約2年ぶりの高値水準に。大豆やトウモロコシ、コーヒー、ココアも上昇しており、将来的にはパンやめん類などの消費者価格の値上がりにつながる可能性もある。
シカゴ商品取引所では5日、小麦取引の国際指標となる先物価格が値幅制限いっぱいの前日比0.6ドル(8.3%)高の1ブッシェル(約27キロ)=約7.85ドルで引けた。最近2カ月で約2倍の上昇ぶりだ。
日本の小麦輸入量(食糧用)は年間約480万トン。6割が米国で残りの4割がカナダと豪州だ。「ロシアから輸入しているエジプトなどの中近東諸国が米国にシフトする」(大手商社)との見方もあり、米国産小麦の価格も値上がりする恐れがある。
背景には、収穫減を見込んで投機筋が買いに入っていることがある。他の商品も同じ構図で、大手商社によるとたとえばコーヒーは、ニューヨークの先物市場で1年前より約6割高の水準だ。いずれ現物価格も上がれば、家計を直撃しかねない。
ただ、今のところ、国内の企業は冷静な見方だ。
小麦の場合、輸入は政府が管理しており、年に2回、輸入価格をもとに製粉会社への売り渡し価格を決める。3〜8月の価格を反映させる次の改定は10月。7月までの価格が低水準のため、製粉業界や商社は「急激な上昇はない」との見方が多い。兼松の下嶋政幸社長は「米国では小麦が豊作。投機マネーでしばらくは上昇傾向が続くかもしれないが、秋口ごろには戻ってくるかも」と話す。
パン最大手の山崎製パンは、2007〜08年の小麦の高騰時に値上げに踏み切ったが、「今回は当面値上げはないと考えている」。仮に政府が価格を引き上げても、消費者の低価格志向が強いため、「デフレの中で商品への価格転嫁は難しい」(第一屋製パン)との声もある。
◆食糧危機のウソ@ 1月5日 世界平和への旅
http://kiichi.at.webry.info/201001/article_2.html
世の中には色んなウソがまかり通っている。ウソは大きければ、大きいほどばれにくいというは本当だ。気候変動やエネルギー枯渇など疑わしいものはたくさんあるが、今回は食糧危機のウソに焦点を当てる。
『「食糧危機」をあおってはいけない』(川島博之、2009年、文藝春秋)を読んだ。2007年から始まった食糧価格高騰は、サブプライム・ローンなどで余った金融資金が穀物市場に流入したために起こったもので、世界の穀物需給が逼迫したためではないと説いており、食糧危機のウソを一つ一つ暴いている。
そもそも食糧危機説は、ローマ・クラブという民間組織から委託を受けたMITプロジェクトチームが『成長の限界』という本を1972年に出版した時に始まったものだ。『成長の限界』では、「世界の経済成長や人口増加は地球資源の制約によってやがて限界に達する」「世界人口の幾何級数的増加に対して、食糧生産力は比例的にしか増加せず、工業化・都市化により農地も縮小していく」と結論付けている。1973年に第一次石油ショックが起き、原油価格と食糧価格が高騰したこともあり、『成長の限界』は世界中に知れ渡ることとなった。
第二のエポックは、アメリカの環境学者(ジャーナリスト?)レスター・ブラウンが『だれが中国を養うのか?』を1995年に出版した時だ。ブラウンは、急速に進む中国の工業化を分析しながら、耕地面積の縮小(工業化、砂漠化)と食生活の変化(肉食の増加)により、中国が一大穀物輸入国になり、世界の穀物を食い尽すと警告を鳴らした。
そして2007年から始まった食糧価格高騰は、「バイオ燃料の増産で穀物が足りなくなる」、というものだったが、1年ほどで穀物価格も落ち着き、いつも通り食糧危機は回避された。
誤解がないように言っておくと、本書では「世界全体でみると、食糧の需要過多は将来に渡って起こらない可能性が非常に高い」と言っているだけで、食糧支援は必要ないとか、飢餓が地球上からなくなる、と言っているわけではない。サハラ以南のアフリカでは紛争や貧困のために今後も食糧不足が続くだろうし、アジアの食糧輸出国の中にも政治的・構造的理由で、食糧支援が必要な人たちはいる。ただ、「人口増加に食糧生産が追いつかない」、というのは危機を煽るための方便で、よくよく検証していくとウソとは言わないまでも、明らかに偏った超悲観シナリオで、ましてや日本のような先進国で食糧不足が起こるようなことはあり得ない、ということを述べているに過ぎない。
細かな検証作業は次回以降書くとして、じゃあ何故そんなウソをつく必要があるのか、誰が得をしているのか、ということを考えてみたい。本書では、そこまで突っ込んでいないので、ここからはあくまで私的な考察だ。
まずパッと思いつくのは、アメリカなどの穀物メジャーだろう。石油価格が高騰すれば、石油関連会社が儲かるように、食糧価格が高騰すれば仲介の穀物メジャーに莫大な富が入り込む。途上国の農民の中から前回の食糧価格高騰で、ぼろ儲けしたという話はあまり聞かない。
次に考えられるのは、食糧輸出国、すなわち北米、ヨーロッパ、オーストラリアなどの先進国だ。これら先進国には日本の休耕田のような休耕地がたくさんあり、北米や旧ソ連、オーストラリアなどでは、農地の半分以上が休耕地で生産余力があるので、価格が高騰すれば、当然これら休耕地で生産を開始する。結果、政府は休耕地への農業補助金も削減できる。
そして最後に、世界を支配しようとする人々だ。昨今、総合安全保障という言葉がよく聞かれるようになったが、兵器やエネルギーと並んで、「食糧」は人間が生きていくのに欠かせない、安全保障上の主要な戦略物資の一つだからだ。食糧の価格と供給網を抑えている人々が世界を支配できると言っても過言ではない。
「食糧問題=農業問題」と考えている人もいるかもしれないが、食糧は、市場、貿易、流通網、バイオ技術など様々な要素の絡んだ、非常に政治的な物資である。人間が食糧を必要とする限り、それを支配の道具にしようとする人々、危機を煽って利益を得ようとする人々は後を絶たないだろう。
大きなウソを見破るためには、マスメディアのトレンドに乗らないこと、地道な専門家の意見に耳を傾けること、そして、経験で培った自分の常識と思考を信じることだろう。
(私のコメント)
農業においても先進工業国ほど食料生産力があり、小麦や米なども工業製品と同じように資本と技術力のある国が主導権を持っている。途上国の農業は灌漑や肥料なども不十分だから収穫に波があり天候によって左右されてしまう。日本の米が余るようになって来たのも需要が減ったせいもありますが、天候に左右されずに収穫できるようになったからだ。冷害の時は別ですが旱魃や日照りの被害はあまり聞かない。
だからロシアの農業被害も異常高温のせいですが、灌漑設備があまり整っていないのだろう。ロシアの異常高温は6月から始まっており草原が異常乾燥して自然発火などでモスクワなどではスモッグでヨーロッパからの渡航制限が出るほどになっている。
異常高温と乾燥による森林火災は防ぎようがありませんが、ロシアの田畑は非常に広大であるにもかかわらず天候まかせの農業であり、ロシア革命などの背景にも旱魃などによる飢饉などがある。灌漑をしようにも河川の水量も限られるし、アラル海消滅に見られるように河川から水を引くと湖が無くなってしまう。中国なども同じような問題に見舞われている。
このためにロシアは90年代は食料をヨーロッパから輸入していたほどであり、ロシアは広大な田畑があっても輸出するほどの農作物は中東に小麦を輸出する程度で収穫量は多くない。それに対してヨーロッパやアメリカなどでも異常高温や旱魃などでギリシヤやアメリカなどでも森林火災がよく起きますが、小麦が不作になると言う事はあまり聞かない。
農業においては耕地面積の広さよりも水量の豊富さのほうが問題になる。耕地面積がいくら広くても雨が降らずに河川もなければ農作物は育たない。日本の場合は耕地面積は非常に狭いが水量が豊富で灌漑設備も整っているから異常高温や旱魃があっても米が不作になる事はあまりない。むしろ夏はカンカン照りになるくらい晴れた方が豊作になる。
北米やヨーロッパが生産調整しなければならないほど農作物が取れるのに、広大な耕地を持つロシアが食料飢饉が起きるのは途上国型の農業であるからであり、コルホーズやソホーズなどの近代的農業はプロパガンダに過ぎない。不作の時はヨーロッパから輸入するほどなのは農業が近代化されていないためだ。
金額から見れば日本は農業大国である事は先日も書きましたが、耕地が広くなければ多くの食糧生産ができないと言うのは神話なのだ。農業も一種の装置産業であり田畑が広ければ沢山の作物が出来る訳ではない。農作物を作るには水や肥料や除草などによって収穫を増やす事ができる。
それに対して途上国型の農業は、タネをまいて後は天候任せの農業であり、ロシアのように旱魃や高温で小麦は枯れてしまう。日本では7月から8月に欠けては雨らしい雨も降らずに山火事なども出ますが、旱魃で米が不作になった事はあまりない。むしろ冷害のほうが手のうちようがない。
現代の農業は機械化が進んで農作物も工場生産されるように作られる様になった。小麦や大豆やトウモロコシも品種改良して収穫を増やす事ができれば日本でも米のように余るほどできるはずだ。アメリカなどでは遺伝子組み換えで作るようになりましたが、旱魃に強い品種や病虫害に強い品種などで生産している。
方法を変えればトウモロコシや大豆なども一つの苗から大量に実を実らせる事ができるはずであり、そうなれば耕地面積の広さよりも水や肥料などを十分に与えて管理すれば日本などでも十分大量生産は可能なはずだ。日本が食料自給率40%と言う神話も農業予算がらみで作り出された数字であり、日本が農業大国になる事は可能だ。
問題なのは酪農などの家畜に飼育に大量の飼料が必要だから日本は大量の食糧輸入国になってしまっている。宮崎県の口蹄疫などで日本で大量の牛や豚が飼育されている事が分かりましたが、生活が向上すればそれだけ肉を食べる事になり、多くの食物が飼料用に消費されてしまう。
もし中国やインドが経済が拡大して生活レベルが向上すれば肉を大量に食べるようになって家畜用の飼料の生産は間に合わなくなるだろう。ロシアなども飼料用穀物を確保する事が出来ずにスーパーの棚から食肉が消えた事は記憶に新しい。ソ連の末期には農村地帯には大量のジャガイモが山づみにされて腐っているのにモスクワに店頭は空っぽであることがありましたが、ロシアとはそういう国なのだ。
アメリカやヨーロッパは政府からの農業補助があって農業振興が行なわれて生産の合理化が進んでヨーロッパも以前は食糧輸入国だったのに今では輸出国になっている。日本も適切な農業振興策が行なわれていれば輸出できるほどになるだろう。現に埼玉県ほどの面積の田畑が減反政策で放置されている。しかし今回の民主党の戸別所得補償制度はヨーロッパの制度とはかなり違うものであり、輸出産業として農業を育成して行くべきだ。
BRICsと言う言葉があるようにロシアは産業に関しては中国、インド、ブラジル並みの国家であり、少しの旱魃や高温被害で小麦の生産は落ち込んでしまう。だからプーチン首相が小麦の輸出を停止させたところで食糧危機が来るわけではない。元々は輸入国だったくらいだからだ。
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