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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu220.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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「海外で働きたいか」を聞いた質問では「働きたいと思わない」が49・0%
と半数近くを占めた。20人に1人は「退職覚悟で断固断る」と回答した。
2010年7月29日 木曜日
◆「内向き」志向広がる新入社員 産能大グローバル意識調査 7月28日 産経新聞
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/economy/policy/421339/
産業能率大学が28日発表した「新入社員のグローバル意識調査」で、2人に1人が「海外で働きたいと思わない」と回答し、新入社員の「内向き志向」が強まっていることを浮き彫りにした。2001年の調査に比べると海外志向の弱い層は20ポイント以上増加。海外志向の強い層も増加傾向にあるものの、企業にとっては、進展するグローバル化に対応可能な即戦力の確保が難しくなっているようだ。
この調査は、01年から3年ごとに行われ、今回で4回目。今年4月に新卒採用された18〜26歳の新入社員400人を対象に実施された。
「海外で働きたいか」を聞いた質問では「働きたいと思わない」が49・0%と半数近くを占めた。その理由として「海外勤務はリスクが高い」「自分の能力に自信がない」が50%以上あったほか、そもそも「海外に魅力を感じない」も44・4%あった。
海外赴任を命じられた場合の対応では「仕方なく従う」としぶしぶ受ける層が4割あったものの、20人に1人は「退職覚悟で断固断る」と回答した。
また、外資による日本企業のM&Aに関する問いでは44・0%が「自然なこと」と回答。6割以上を占めた04年に比べると外資への理解は低まっており、経営トップや上司に外国人が就くことにも5割以上が抵抗感を示している。
一方、「どんな国でも働きたい」との回答も27・0%を占め、9年前に比べて10ポイント上昇するなど「海外に打って出よう」との意識を持つ新入社員もいないわけではないようだ。
「内向き志向」の広がりは日本製品にみられる「ガラパゴス化」が人材面にも広がっている表れともいえ、日本の競争力や成長力の鈍化につながる懸念も強まりそうだ。
◆「内向き」で何か問題でも? 2009年1月5日 内田樹
http://blog.tatsuru.com/2009/01/05_1110.php
先日、苅谷剛彦さんと対談したときに、日本のように「国内に同国語の十分なリテラシーをもつ読者が1億以上」というような市場をもつ国は世界にほとんど存在しない、ということを指摘していただいて、「ほんとにそうだよな」と思ったことがある。
「国内に同国語の十分なリテラシーをもつ読者が一億以上」いるということは、言い換えると、「日本語を解する読者だけを想定して著作や出版をやっていても、飯が食える」ということである。
日本人が「内向き」なのは、要するに「内向きでも飯が食える」からである。
「外向き」じゃないと飯が食えないというのは国内市場が小さすぎるか、制度設計が「外向き」になっているか、どちらかである。
たしかほんの2年ほど前までは「アメリカではこうである」ということがビジネスモデルとしては正解だったはずであり、その当時、かのテレビ番組に出ていた識者たちも口々に「アメリカのようにしていないことが日本がダメな所以である」と口から唾を飛ばして論じていたかに記憶している。
その発言の事後検証については、どなたもあまり興味がなさそうである。
しかし、「自分の判断の失敗を事後検証すること」こそ「今採用している問題解決の仕方とは別の仕方を採用した場合には何が起きたかというシミュレーション」の好個の機会である。
その機会を活用されないで、いつ彼らはその知性のたしかさを証明するつもりなのであろう。
興味深いのは、この「日本と比較してもしようがない他国の成功事例」を「世界標準」として仰ぎ見、それにキャッチアップすることを絶えず「使命」として感じてしまうという「辺境人マインド」こそが徹底的に「日本人的」なものであり、そのことへの無自覚こそがしばしば「日本の失敗」の原因となっているという事実を彼らが組織的に見落としている点である。
こうも立て続けに日本の選択が失敗しているというのがほんとうなら、「日本の選択の失敗」のうちには「日本の選択の失敗について論じる言説そのものの不具合」が含まれているのではないかという懐疑が兆してよい。
ある人が、立て続けに人生上の選択に失敗していたとしたら、私たちはその理由を彼が「成功した誰かの直近の事例をそのつど真似していないこと」にではなく、むしろ「彼の選択の仕方そのものに内在する問題点」のうちに求めるであろう。
ふつう私たちがバカなのは、私たちが「りこうの真似をしていない」からではなく、端的に私たちがバカだからである。
そう考えてはじめて「私たちの愚かさの構造」についての吟味が始まる。
別に私は識者たちの知性の不具合を難じているのではない。
個人レベルではできることが国家レベルではできないということはそれが、それこそが「日本の問題」だからである。
私たちがうまく問題を解決できないのは、私たちの問題の立て方が間違っているからである。
外国人に何を言われようと「明日の米びつの心配をしなくてよい」ということが私のライティングスタイルを決定的に規定している。
しかし、今の日本のメディアを見る限り、自分が100%国内仕様のライティングスタイルを採用しているということをそのつど念頭に置いて書いている人はあまり多くない(ほとんどいない、と申し上げてもよろしいであろう)。
中には「英語で発信すれば世界標準になる」と思って、「私はこれから英語でしか書かない」というようなとんちんかんなことを言う人もいる。
だが、世界仕様というのは要するに「世界市場に進出しなければ飯が食えない」という焦慮、あるいは飢餓感のことである。
「私はこれから英語で発信して、世界標準の知識人になるのだ」ということを日本語で発信して、日本の読者たちに「わあ、すごい」と思わせて、ドメスティックな威信を高めることを喜んでいる人間は、夫子ご自身の思惑とは裏腹に、頭の先からつま先まで「国内仕様の人」なのである。
失礼だけれど、骨の髄まで国内仕様でありながら、世界標準を満たしていると思い上がっている人間は、自分が世界標準とまるで無関係な「ドメスティックプレイヤー」であることを知っている人間より、さらに世界標準から遠いのではないかという危惧はお伝えしておかなければならない。
帝国主義国家が植民地獲得に進出して、よその人々を斬り従えたのも、「世界市場に進出しなければ(たのしく)飯が食えない」と彼らが(たいていの場合は根拠もなく)信じ込んだからである。
私は人間たちが「外向き」になったことで人類が幸福になったのかどうか、まだ判定するには早すぎるのではないかと思っている。
「家にいてもたのしく飯が食える人間」は「世界標準仕様」になる必要がない。
そして、私は「家にいてもたのしく飯が食えるなら、どうして寒空に外に出て行く必要があるものか」とこたつにはいって蜜柑を食べている人間である。
「内向き」が繰り返し問題とされるのは、「内向き」では飯が食えないビジネスモデルを標準仕様にしたからである。
「外向き」になるにはアメリカにはアメリカの、フィンランドにはフィンランドのそれぞれの「お国の事情」というものがある。その切ない事情についてはご配慮して差し上げるべきであろう。
だが、わが日本にはせっかく世界でも希なる「内向きでも飯が食えるだけの国内市場」があるのである。
(私のコメント)
最近の日本の内向き志向はいろいろな所に表れて来ている。情報家電についても日本メーカーは国内市場にばかり力を入れて、携帯電話などガラパゴス化していると言われています。自動車メーカーなどももっぱら欧米向けであり新興国などは韓国製や中国製の車が多くなって来ています。どうして家電製品や自動車で韓国や中国に負けてしまうのでしょうか?
円高で価格競争力で不利になるという事もありますが、日本メーカーの社員でも海外でやる気のある社員が少なくなってきたからではないだろうか? 産経新聞の記事にもあるように新卒社員でも半数が海外での勤務を望まなくなって来ている。20人に1人は退職覚悟でも断ると言う結果が出ています。それほど海外勤務を避ける理由は何だろうか?
国連などの職員でも、日本人職員を募集してもなかなか集まらない事は前々からありましたが、海外で働きたがらない日本人が増えてきているのは確かなようだ。しかし企業側から見れば海外進出して国際化を目指す企業は増える一方だ。国内産業といわれていたコンビニや外食チェーンなどの海外進出も多くなっています。
このような状況で社員に海外勤務を命ずるのは喜ばしい事ではないようだ。だから海外勤務を命じても2年から4年で呼び戻す条件で海外勤務を命ずるj事が多くなるだろう。家族などがいれば子供の教育などの問題があるから単身赴任とかいう事になる。駐在員の妻たちも欧米であっても生活に馴染めないでノイローゼになる人が多い。
昔は海外勤務はエリートコースであり出世階段でもあったのですが、最近は何処に飛ばされるかわからないと言った状況で、そのような状況が新入社員にも分かってきたから海外勤務を避けるようになって来たのだろう。これではアジアやアフリカ市場で韓国や中国に負けるのは仕方のないことなのかもしれない。今では出世コースから外れるとアフリカ勤務などをやらされたりする。
最近ユニクロや楽天が英語を社内の公用語とするニュースがありましたが本気なのだろうか? 社長が国際企業を目指すと言う意味でのパフォーマンスなのかもしれませんが、社内で日本人同士が英語で議論が出来るのだろうか? 日産のように社長が外人になって英語が公用語になってしまう事に対しても5割以上が抵抗感を感じている。
楽天やユニクロに優秀な社員が集まればいいのですが、英語が公用語だから入社するのはやめようと言う新入社員も出てくるようになるのではないだろうか? 英語が出来ないと言うことで幹部社員になれないのなら入るには止めようと考える若い人が出て来てもおかしくは無い。
日本人が内向きになった原因としては海外を目指さなくても日本で食えると言う理由があるからだろう。海外を目指さない日本人社員が増えれば経営判断として外人を雇って海外での事業を目指さねばならない。その為には社長が英語や外国語に堪能になって外国人幹部社員を使わねばならないから、社内の公用語を英語にするよりも社長が英語を話せばすむことだ。
日本企業がなかなか海外展開できないのは社長が英語が出来ない為であり、国際会議などでも英語で議論できる社長はどれだけいるのだろうか? 英語が出来ても経営が全くダメだったソニーの出井社長のような例もあるから国際企業の社長は難しい。内向き志向と英語公用語化は深いところでは関係しているのだろう。
海外留学と言えばアメリカ留学が圧倒的に多かったのですが、多くが語学留学ですが最近ではアメリカへの留学生が激減しているそうです。企業が国際化を進めているのだから英語が出来る人材は引っ張りだこだと思うのですが、就職難の時代にアメリカ留学が減ってしまうのはなぜだろう?
例えばアメリカに留学経験があり英語が出来る事で企業に採用されたとすると、必然的に海外勤務を命ぜられる可能性が多くなる。英語が出来る事で採用されたのだから必然的にそうなるだろう。それに対して若い人は英語を覚えない事で海外勤務を回避しようとしているのではないだろうか? 外務省ですら英語が出来ない役人がかなりいる。
このような若い人の海外嫌い、英語嫌いはなぜなのだろうか? それは親から「勉強しなさい」と言われれば言われるほど勉強嫌いになるのと同じではないだろうか? テレビなどでも若者は海外を目指せと言った言葉が氾濫していますが、企業が一生懸命海外志向や英語社内公用語化を煽っているからですが、ますます英語嫌いや海外嫌いを作り出している。
楽天やユニクロといった企業が英語を公用語化する時代なのに、大手の英会話学校が相次いで倒産するのはどうしてなのだろうか? 日本人の内向き志向とも関係があるのではないだろうか? それに対して漢字検定試験がブームになっているのは何故なのだろうか?
日本人にとっては英語が出来なくても恥ではないのに、漢字が読めないとテレビなどで全国で笑い者にされる。NHKでアナウンサーが漢字を読み間違えると日本中から電話が殺到する。日本では英語が出来る事よりも漢字の読み書きのほうが知的レベルの判定を下されやすい。麻生総理はそれが致命傷になってしまった。
だから帰国子女が英語がぺらぺらなのに漢字の読み書きが出来ない、日本語がおかしいといった事になると使えないと言うことになってしまう。あるいは外国の文化に馴染みすぎてしまって日本の企業文化に順応できなくて孤立してしまうと言った事もある。企業サイドから見れば海外志向で英語もぺらぺらな新入社員が増えて欲しいと言う気持ちも分かりますが、日本語が出来る外人社員を雇った方が早いのではないだろうか?
つまり内向きで英語嫌いになってしまった日本人を雇うよりも、アジアや欧米からの留学生を増やして日本語を教えて日本企業で採用を増やしていけば、英語の出来ない日本人学生を採用するよりも効果が上がるだろう。22世紀には日本が世界の覇権国になり日本語が世界の公用語になると書くと冗談に思われますが、アメリカが世界の覇権国であり英語が公用語だという常識は数十年後には変わってくるだろう。
日本人が内向き志向になってきたのは、無意識的にそれを感じているためであり、アメリカの一極覇権的な世界から多極化してきて、日本もその一極になるからだろう。内田氏が書いているように1億人以上の十分なリテラシーを持つ国民がいる国家は日本しかないからだ。日本の高機能な携帯や情報家電を使いこなせる国民が1億人もいる国家は確かに世界にはない。
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