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金は人々の間を渡り歩き単に循環しているだけだから消えてなくなるのだと言うことをよく聞きます。消費者から企業へ、企業から企業へ、企業から従業員へと言うように、金は循環しているから、国家部門で幾ら赤字になってもその文民間部門にたまっているから大丈夫だと言う議論です。本当でしょうか? 以下に、金もやはり消えてなくなるのだと言うことを述べます。 1. お金は質量保存の法則に従うものではなく、経済の拡大によって生み出されるものであり、当然、経済規模の縮小に従って消えてなくなるものです。昔から、今のように1万円札がいっぱい発行されていたのではありません。戦後すぐの時には、経済規模が小さかったので、今の多分数十分の一から百分の一程度の通貨しか発行されていなかったはずです。つまり、日銀は、経済発達の程度を見ながら、市場から社債などを買い取ってその分のお金を市場へ供給します。これによってお金が生まれるわけですから、当然、経済規模が小さくなればお金も消えるのです。具体的には、日銀が保有している社債等を市場へ売りにだし、それによって市場から貨幣を回収します。 2. ただ、最近、多分もうすでに十年以上になりますが、日銀がお金を供給すればそれで景気が良くなるのだと言う主張が非常に強くされ、また、同様な主張が世界中でされていて、世界中の国々の中央銀行が無節操に資金を市場へ供給してきたと言う歴史があります。その結果、資本が一部の権力者のところへ偏って貯まり、それが、市場の支配力をより高め、ほぼ世界のどの国でもアメリカの資本家たちの意向によって経済政策が決まってしまうような状況になっているのだと思います。この部分はあくまで「思います」ということです。なかなか客観的な資料は手に入りません。 3. ともかく、日本においても、世界においても、資金供給過剰な状況なのです。そのため、実経済の規模の何倍もの投機資金があると言われています。この部分は多くの報道でも認められています。 4. 日本においては、国民金融資産が毎年毎年数十兆円と言う規模で増え続けてきましたが、その分、負債も増えていて、純粋な資産は近年減少傾向にあるはずです。 5. 更に、日本が持っている金融資産のかなりのものが本当は経済活動を伴っていないのです。このからくりも、国債とか地方債にあります。借金には利子が発生します。国や地方が借りている借金にも利子が発生しそれを返す費用が必要です。これを国債費、または、公債費と言います。基本的に60年で返済すると言うことで毎年年頭の借金残高の60分の1の金額を返済していきます。今だいたい国全体の借金が1000兆円ほどあると近似して、その60分の1は、17兆円ほどです。過去10年ほどでどのくらいが利子分として生み出されたかと言うと、過去10年の平均をいい加減ですが12兆円として、10年分で120兆円にも上ります。実際は、昭和の40年代代から国債を発行し続けてきたのですから、日本の経済規模のかなりの部分が実質的に経済活動の裏うちのないものであったはずです。つまり、現在の個人金融資産の何割かはこうした実質的に意味のないものであった可能性が高いのです。 6. ですから、当然、これらを現実の経済活動に戻そうとするとゆがみが出てきます。現実には、インフレなどの実質的な貨幣価値の低下です。インフレの時には人々は銀行預金を引き出して実物に変えようとします。ここで、銀行による信用創造が無くなりますから経済規模が縮小します。すると、日銀がインフレを抑制するために手持ちの債権を売りにだし貨幣を回収しようとします。こうして、お金は消滅していきます。 7. 全ての背景には少子高齢化と今の日本の産業構造の非効率化があります。 *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<69>>
金は消えてなくならないか?
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/h19-kaku/point.pdfの11ページ目に次のような記述があります。「平成19 暦年末の国民資産残高は8,420.3 兆円(前年末比118.3 兆円(1.4%)減)と、5年振りに減少となった。これを非金融資産と金融資産に分けると、非金融資産は2,536.8 兆円(前年末比32.2 兆円(1.3%)増)、金融資産が5,883.5 兆円(同150.5 兆円(2.5%)減)となった。なお、家計の金融資産は1,503.6 兆円(同62.0 兆円(4.0%)減)となっている。」平成19年でマイナスですから、その後もマイナスが続いているはずです。そして、これらの金融資本の減少は基本的には投機資金が主に海外勢によって日本から巻き上げられているために起こっていると思います。
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