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一時的にはアメリカ政府の家計支援策は功を奏したが、問題は解決しておらず、ついに失速しようとしているのが現在の状況である。
http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/294.html
投稿者 TORA 日時 2010 年 7 月 23 日 13:48:46: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu220.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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一時的にはアメリカ政府の家計支援策は功を奏したが、問題は
解決しておらず、ついに失速しようとしているのが現在の状況である。

2010年7月23日 金曜日

住宅市場は、4月末までの減税措置が打ち切られた後、
関連指標が急降下したことで市場の懸念は日増しに拡大


◆<FRB>議長「景気懸念」に市場動揺 米で緩和圧力強化も 7月22日 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100722-00000110-mai-bus_all

【ワシントン斉藤信宏】米景気の先行きにいっそう暗雲が垂れこめてきた。21日には米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が、米上院の公聴会で「米国経済の見通しは非常に不確実な状況になっている」と強い懸念を表明。追加の金融緩和策を検討する可能性にまで触れた。米市場では株価が急落し、長期金利が1年3カ月ぶりの水準まで低下するなど動揺が広がった。

 米景気の先行きにFRBが危機感を強めている背景には、住宅市場の不振と雇用情勢の改善の遅れがある。

 特に住宅市場は、4月末までの減税措置が打ち切られた後、関連指標が急降下したことで市場の懸念は日増しに拡大。20日に発表された6月の米住宅着工件数も5.0%減と2カ月連続で減少し、09年10月以来の低水準に沈んだ。減税打ち切りに伴う反動は続いており、先行指標となる許可件数も、住宅需要を占う一戸建て住宅の許可が3.4%減った。

 住宅市場の不振は建設業界の雇用を直撃するほか、住宅価格の長期低迷による家計資産の目減りは個人消費を冷え込ませる。今後は中間選挙を11月に控えた米議会からも、FRBに対し追加の金融緩和策を求める圧力が強まりそうだ。しかし事実上のゼロ金利政策を継続する中では、即効性があるかはっきりしないだけに、FRBは難しい判断を迫られることになりそうだ。


◆第59回 アメリカのバランスシート不況 7月22日 三橋貴明
http://www.gci-klug.jp/mitsuhashi/2010/07/21/010045.php

話をアメリカ経済に戻す。日本経済の牽引車が民間企業だったのに対し、アメリカの場合は文句無しで家計である。

 07年までのアメリカの家計は、年に100兆円規模も負債を増やし続け、住宅投資や消費に費やしていたのである。このアメリカの負債(及び支出)拡大が民間企業に波及し、同時に世界の輸出国(日中独など)をも大いに潤した。

 さらに金融工学の発展は、アメリカの家計の負債を「海外に輸出」することを可能とした。いわゆる、証券化商品である。

 家計の負債(住宅ローンなど)を証券化し、海外投資家に販売することで、アメリカの金融機関は債権保有リスクから解放された。それが益々、アメリカの家計の負債拡大を助長し、最終的にバブル崩壊に至ったわけである。

 バブル崩壊後のアメリカ経済は、家計が負債を減らし続ける中、主に政府が負債と支出を拡大することでフローの下支えを続けてきた。まさしく、90年代の日本と同様の対策を、アメリカ政府が実施したわけである。

 公共投資のように直接的にフローを拡大する支出はもちろん、アメリカ政府はスクラップ・インセンティブ(日本のエコカー減税に類似した制度)や、前例のない規模の住宅購入支援などで、世界最大の需要を支えようと奮闘してきた。確かに、一時的にはアメリカ政府の家計支援策は功を奏したが、大本の部分では問題は解決しておらず、ついに失速しようとしているのが現在の状況である。

ご覧頂いた通り、アメリカ政府の景気刺激策が継続していた今年の第1四半期に至っても、同国の家計は負債残高を減らし続けている。(中略)

 結果、市場がアメリカの景気低迷を予想し、長期金利が下落(米国債価格は上昇)。米国債の十年物国債金利は、3.04%という低水準に至った。今後も同様の推移を続けると、リーマンショック後のように、米国債十年物の金利が2%台に突入する可能性もある。

 無論、金利低下は、民間経済の活性化の切っ掛けの一つになるかもしれない。かつてないほどに低金利で資金を調達できる以上、通常の経営者であれば、低コストの資金を借り受け、設備投資に費やし、将来的な収益向上を目指そうとするだろう。

 ところが、バブル崩壊後の恐慌経済下では、この「常識」が通用しないというのは、日本人の多くがご存じの通り。本来であれば、超低金利にも関わらず投資を拡大しようとしない経営者は、企業成長の意欲を失ったと断ぜられてもおかしくはないのである。ところが、90年代以降の日本では、高収益の企業までもが借金恐怖症に陥り、バランスシートの調整に熱中した。また、切実に資金を必要としている中小企業などには、銀行側が不良債権化を恐れ、与信を厳しくしたわけだ。

 結果、日本国家全体の民間負債が拡大しない時期が続き、代わりに政府の負債だけがひたすら増え続けたのである。現在のアメリカも、90年代の日本とほぼ同じ環境下に置かれている可能性が極めて濃厚なのだ。

 アメリカの個人消費という「世界最大の需要項目」は、同国の家計の負債が減るどころか、「増えない」だけでも大ダメージを受ける。それにも関わらず、リーマンショック以降のアメリカの家計の負債は、毎四半期ごとに着実に残高を減らし続けているのである。

 家計が借金返済に専念し、負債を拡大しない以上、アメリカの個人消費が低迷して当然だ。前述の6月小売売上高、及びミシガン指数を見る限り、2010年6月末時点においても、アメリカの家計の負債減が継続している可能性は極めて高い。

 バブル崩壊を受け、民間の経済主体が超低金利にも関わらず、資金を借りず、むしろ返済に専念しようとする結果、フロー(アメリカの場合は個人消費)が減り続ける。

 要するに、バランスシート不況である。

 繰り返しになるが、日本のバランスシート不況の主役は民間企業だった。それに対し、アメリカの場合は家計が主役である。

 家計と企業という違いはあるものの、今後のアメリカは「国債金利低迷」「名目GDP成長率低下」「失業率の高止まり」「輸出攻勢」「ゼロ金利継続」という、98年以降の日本が通った道を辿る可能性が高いと考える。

(私のコメント)
90年代に日本で起きたバブルの崩壊と言う現象は数年経たなければはっきりした姿も見えず、直ぐに景気は回復するとみられていました。マスコミなどはバブルが再発すると何度も書きたてていました。政府が景気対策を打つとマスコミはバブルが再発すると騒ぐ為に景気対策は打ち切られて景気回復の目は摘まれてきた。

バブル崩壊が本格的になってきたのは97年ころからで、それまでの護送船団方式からダメな銀行は潰すと言う政策に切り替わってからだ。それまでは銀行の貸し渋りはそれほど酷くはなかった。護送船団で銀行の破綻は守られてきたからだ。長引く不況の原因は銀行ではなく、不動産価格の低落傾向がなかなか底を打たないからだ。

2007年頃に都市部の不動産価格が急騰してミニバブルが起きましたが、08年のリーマンショックでミニバブル崩壊が起きている。中国から不動産投機資金が入って来ていますが中国自身のバブル崩壊もだんだんと本格的になってくるだろう。アメリカのバブル崩壊もまだまだ起きたばかりであり、大型の景気対策を打ったからといって抜け出せるものではないだろう。

日本の景気対策でもエコカー減税などが9月で打ち切られますが、景気も二番底を探る動きになるだろう。「株式日記」では当初からバブル崩壊から抜け出すには不動産価格が底を打たないと無理だろうと書いてきましたが、路線価格などもまだじりじりと下がり続けている。ビルの空室率も大きくなってきて商業用不動産市場は冷え切っている。

銀行が融資を増やそうと思っても担保となる不動産価格が下落を続けていては増やしたくても増やせないのが現状だろう。中小企業に対して信用で貸し出せと言っても木村剛の日本新興銀行や石原慎太郎の新銀行東京が行き詰っているように無理な話であり、不動産価格が底打ちして上がらないと銀行の融資は増えない。

アメリカのバブル発生と崩壊も仕組みは同じであり、アメリカの場合は「ホーム・エクイティ・ローン」が主役であり、住宅価格の高騰が消費を支えてきた。その規模は毎年100兆円の規模でありそれが90年代から続いてきた。それが08年のリーマンショック以降は流れが逆転を始めたのであり、住宅価格の低下がローン返済を最優先にしなければならなくなってきた。

新規の住宅ローン申請は07年頃に比べると半分以下にまで落ちてきている。住宅着工件数からみると07年には200万個を越えていたものが現在では50万戸台にまで落ちている。アメリカの消費の原動力となっていた「ホーム・エクイティ・ローン」がどのようになっているかが想像できる。アメリカも住宅ローン返済を最優先にしてその分消費が減ってしまう。

アメリカは住宅ローンを証券化して投資銀行が世界に売って来た。銀行や住宅ローン会社は債権が転売できるのだからリスクゼロで商売が出来る。確かにうまい仕組みですがそれがCDOと言った金融商品となり切り刻まれて分割されてデリバティブ商品として流通してきた。安全性が高くて高利回りだから世界中に飛ぶように売れてアメリカの投資銀行はぼろ儲けしてきた。

まさに金融革命が起きたわけですが、日本の金融機関はこのような証券化ビジネスやデリバティブなどには消極的であり、不良債権処理に追われて手が出せなかった。確かに証券化ビジネスはうまいシステムですが、サブプライムローンなどと言う猛毒薬が混じるととんでもない事が起きてしまった。

昨日もアメリカ本体とウォール街との亀裂が入った事を述べましたが、バブル崩壊に伴う金融恐慌は住宅ローン破綻を招いて家を失う人が続出してくる。それまでは家を持っている人は資産価値の上昇に伴ってローン枠が拡大して消費に使うことが出来た。それが今は逆回転が始まっている。

家を失った人々の恨みは必然的にウォール街に向かうのであり、仕事を失った人々の恨みもウォール街に向かう。日本でもバブル崩壊後において銀行への経営責任を問う声が大きくなり、バブルに踊った銀行や企業は潰せと言った過激な言論がマスコミなどで囃されるようになった。アメリカでも金融機関の経営者の責任追及が始まり高額なボーナスもヤリ玉に上がるようになった。

こうなると金融機関も自己防衛のために貸し渋りや貸しはがしが起きるのであり、ローンを借りていた人は最優先でローン返済に向かう事になる。最悪の場合は住宅を売り払ってチャラに出来ますが、損失は債権者がかぶる事になる。しかし債権者は細分化されて担保処分はかなり時間と手間のかかるものになる。

アメリカは日本に対しては時価会計原則を押し付けてきたり飛ばしはけしからんと言ってきたのに、今ではアメリカの金融機関が時価会計を停止して飛ばしを政府公認で行なっている。竹中平蔵は銀行に対して債権の厳格査定を行い銀行を次々追い込んでいきましたが、アメリカのハゲタカに言われてそうしていたのだろう。しかし今はハゲタカ自身が窮地に追い込まれている。だから郵政の200兆円でアメリカを救えと竹中平蔵は言っている。

日本にとってはアメリカが一番の市場であり、アメリカが無理な事を言って来ても従わざるを得なかった。しかし今は時代が変わって中国が日本にとっての一番の貿易相手国となっている。相対的にアメリカの存在価値は小さくなって来ているのであり、消費大国アメリカの復活はありえない。日本で親米派の自民党が負けて親中派の民主党が勝って政権をとったのも時代の流れだろう。

デリバティブなどの金融商品は専門家でも訳の分からない商品であり、格付け会社が適当に格付けして買い手はそれを参考に売買して来た。しかしそれがいかに杜撰な格付けであったかはAAAの最高ランクの金融商品が軒並み焦げ付いてしまった事が証明している。日本国債をボツワナ並みと評価しているのも格付け会社ですが、ペテン師とどう違うのだろうか?


◆米国金融規制法と格付けをめぐるドタバタ劇 7月23日 厭債害債
http://ensaigaisai.at.webry.info/201007/article_7.html

WSJによりますと、格付け会社が証券業者に対して募集書類上格付利用を当面使用を見合わせるようコメントを出して話題になっています。背景には、今週成立した金融改革法(いわゆるドッド−フランク法)の中に、格付け会社が法で定められた募集書類のなかで述べた格付け意見について、ありていに言えばその結果(たぶん具体的には投資適格といわれる格付けをつけた債券が最終的に支払い不能に陥るなど)について法的責任を問われる内容が盛り込まれたと言うことがあります。

米国のルールでは、特にアセットバックの公募債券については格付けの取得が義務付けられているようであり、それらは当然目論見書などの書類にも記載されるのが普通です。ところが今後はそれを記載したあと債券が変なことになってしまったら、格付け会社が損害賠償責任を負わされる可能性が出てきました。一種の製造物責任的な要素が格付け会社に課されたということです。もっともこれまでだって、その気になれば訴えることもできたのでしょうけれど、これまで市場や当局も含めた公式の立場は格付け会社が出す格付けなりコメントは単なる「意見表明」であり、明らかな捏造や事実を曲げた内容ででもなければ、表現の自由によって保護されたものでした。しかしながら、今後は少なくとも一部の証券については、そういういいわけができなくなったと言うことです。(後略)


 

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