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http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100521/214553/?P=4
財政が破綻すると何が起こるのか
財政の破綻とは、政府による債務の不履行が発生することを意味します。そしてその結果、政府は市中から資金を調達できなくなることも意味します。債務の不履行は、諸外国のケースや、日本の過去のケースと比べると、今回の累積債務の問題とは、相当異なります。今のところ日本国債の保有者がほとんど日本人であり、政府に対外資産が相当存在するからです。従って、名目上、政府自身が債務不履行に陥るリスクは非常に小さいと考えられます。最悪、政府自身が貨幣を発行して支払ってしまえばいいのです。
では、日本の財政は破綻しないのでしょうか? 日本においても、名目的にはともかく、実質的な財政破綻は十分発生しえます。名目上政府はお金を返せますが(日銀券の増発もしくは政府貨幣の発行を通じて)、その場合、激しいインフレが発生してしまい、返したお金の価値は大きく減少することになるからです。従って、いずれにせよ人々は国債、もしくは日銀券、政府貨幣を保有しようとは思わなくなり、結局、市中から資金調達できなくなるという問題は十分発生し得るのです。
実質的に市中から政府が資金を調達できなくなることの影響は甚大です。年金や医療、さらに地方交付税交付金の実質的価値が暴落することになります。公務員の給与も支払えなくなり、治安や教育にも影響は出ることになりますし、結果的には財政を極端に緊縮する羽目に陥ります。
金融市場の混乱は、企業活動にも悪影響を与えるでしょう。リスクプレミアムがつき、実質金利が高止まりする事態になれば、長期的な成長にも重大な影響を及ぼします。また、国債を直接、間接的に保有している多くの家計の資産価値が実質で見て激減することになります。対外面でもジグザグすることになるでしょう。現在ギリシャで発生している事態は、悪影響がどのようなものか、クリアに示してくれています。悪影響は列挙し始めると止まりません。
緩やかな改善と大きなショックの繰り返しを超えて
1980年以降におけるプライマリーバランスの動きを見ると、景気拡張局面では対GDP比で少しずつ改善し(平均すれば年に0.6%程度)、ショックが起きるごとに対GDP比で7%程度落ち込むことの繰り返しとなっています。
1980年代においては、1990年代、2000年代のようなショックがなかった、もしくはショックに対して経済に耐性があったため、結果的にプライマリーバランスの黒字化が成功したともいえます。しかし、今後とも国の内外で大きなショックが発生する確率が1990年代、2000年代と比較して小さくなる保障はどこにもありません。
今後は、プライマリーバランスを対GDP比で毎年1%以上(無論成長率が高い局面ではもっと大胆に)、改善させ、ある程度余裕のある水準(例えば、平均すれば7%程度の落ち込みに対処できるよう、対GDP比で3〜4%程度)までプライマリーバランスの黒字化を進めることが不可欠です。事業仕分けの徹底に加え、早期に歳入増加のための措置を導入する必要があります。
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