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サイコパスの脳は報酬を渇望する:MikSの浅横日記 (強欲ハゲタカ一派の行動原理)
http://shin-nikki.blog.so-net.ne.jp/2010-03-20
サイコパス(「精神病質者」とも訳されるが、たぶん適訳がないのではないか): おいしそうな獲物が目に入ると、もうそれを手に入れることしか考えられず、何としてでも自分のものにしようという欲求を抑えられない人。この記事を読む限りは、こんな風にまとめることができるであろう。
いなさそうで、いるんだろうね。たぶん、新聞の社会面をにぎわす人物なんかがそれに該当するのか? こういう人物のターゲットになってしまうと、もう無傷で逃れるのは難しいのではないだろうか? 幸いながら、自分はそういう人物と関わり合いになったことはないが。
ちなみに、「報酬」は 'reward (英)'、'Belohnung(独)'の訳語で、こう訳すしかないのだが、実際は、「自分にとって利益となるもの、快楽となるもの」くらいの意味しかないと思われる。
ちなみに「報酬」という言葉が使われた記事がないかを、右サイドバーの下にある「検索ボックス」で調べるといくつか見つかったが、なかでも脳神経に関連して似たような意味で使われている記事が二つ――どちらともBegley女史の記事――あった。興味のある方は、こちらもどうぞ。
「西洋の脳、東洋の脳」
http://shin-nikki.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02
「偽善のための神経回路」
http://shin-nikki.blog.so-net.ne.jp/2009-10-24
ドイツ『シュピーゲル』誌の記事より。 http://www.spiegel.de/wissenschaft/mensch/0,1518,683605,00.html
「
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サイコパスの頭の中ではいったい何が起きているのか? これは、心理学者だけが調べている問いではない。神経生物学者は病的なまでに反社会的な人の脳の内に特に目だったメカニズムを発見した。何としても報酬を求めようとするメカニズムである。
飲食やセックスは自然の報酬刺激である。それによって、脳内の神経伝達物質であるドーパミンが放出される。そうなるのは良いことなのだ。なぜなら、それにより私達のうちに幸福感が高まるからである。そしてその幸福感は、生きていく上で重要なこうした行動をさらに繰り返そうと駆り立てるのである。
サイコパスにおいては、生体に元々備わっているこの報酬メカニズムが強大なものになっているように見える。そうした研究結果をアメリカのヴァンダービルト大学の脳研究者の調査が明らかにした。ジョシュア・バックホルツとその共同研究者は、いわゆる機能的磁気共鳴断層撮影法(fMRT)とポジトロン放出断層撮影法(PET)を研究のために利用した。こうした方法によって、研究者たちは、いかなる状況で脳のいかなる領野が特に活発化するかを認識することができたのだ。
サイコパスの行動に関するこれまでの研究でとりわけ問題視されたのは、サイコパスには普通何が欠けているのか――たとえば、不安や、共感の能力や、普通の社会的接触をはぐくむ能力といったものが欠けているか――ということだった。しかし、専門誌『ネイチャー ニューロサイエンス』で神経生物学者が報告しているように、サイコパスは特に目立った特長を所有している。つまり、彼らの研究結果によると、サイコパスの脳は不自然なまでに強く報酬を求めるのである。
カッとなりやすい性質とともに、報酬のためには高い危険を喜んで冒すという性格は、病的なまでに反社会的で危険な行動をする人間には特に高い、と研究者たちは述べている。「サイコパスは、ほしいものは何でも手に入れる――それがどのような結果を招くかをよく考えてみることもせずに――冷血な犯罪者としばしば見なされている。実際にわたしたちが発見したのも、ドーパミンの活発すぎる報酬システムが、サイコパスのいくつかの問題行動(たとえば、暴力的な犯罪、麻薬使用、累犯の高い可能性)の原因になりうる、ということでした」。
報酬刺激としてのアンフェタミン
脳内の報酬においてドーパミンが本質的な役割をはたしているが、それは神経伝達物質が幸福感をもたらすからである。神経生物学者たちは、研究の中で、サイコパスとして診断された被験者たちの脳を調べた。最初の実験では、被験者にアンフェタミン(覚せい剤の一種)が投与された。コカイン、ニコチン、アルコールと同様、ドラッグも脳内でのドーパミンの放出を引き起こした。
fMRTとPETによるスキャニングは二つのことを示した。健康的な被験者に比べて、心的に異常な患者はアンフェタミン摂取後、約4倍も多くのドーパミンを放出した。二番目のテストでは、簡単なテストを解いてくれれば謝金をさしあげます、と被験者に告げた。このケースで、研究者たちは、サイコパスの被験者の側座核(Nucleus accumbens)――ある報酬と結びついてドーパミンを放出させる脳の領野――のうちに他の実験参加者よりもはるかに活発な活動があることを観察したのだった。
「こうした過度のドーパミン反応のために、サイコパスの人間は、報酬の機会を認識すると、自分の注意力を他の方に向けることがもう出来なくなるのです――欲しいと思ったものを手に入れるまでずっとそうなのです」とバックホルツは語る。「サイコパスの人間は、まるで子供が菓子パンに引き寄せられるように、報酬に引き寄せられるので、その誘惑が危険を察知する感覚や処罰に対する不安に打ち勝ってしまうのです」と共同執筆者のデイヴィッド・ザルドは説明した」。
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