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消費税10〜15%増税(菅総理発言)は30年間の経済大低迷を招いた「不動産総量規制」と同様の経済破滅への罠ではないか。
http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/166.html
投稿者 新世紀人 日時 2010 年 7 月 09 日 21:09:13: uj2zhYZWUUp16
 

政治版への以下の投稿でこの問題を指摘しました。

棺直人が消費税増税を言い出した理由…財務省のささやきの向こうに米国の意向だろう…「増税で国富移転と不況に追い込む戦略」
http://www.asyura2.com/10/senkyo89/msg/852.html
投稿者 新世紀人 日時 2010 年 7 月 06 日 00:25:50: uj2zhYZWUUp16

(前略)


◎棺直人に「消費税増税」を財務省にささやかせたのは「米国の意向」であろうと考える。

現在の米国の経済状況を見れば判る事だが、米国経済は座礁状況にある。大波の押し寄せが治まる事はない。従って米国経済艦は割れてしまう事になる。船に例えれば沈没だ。
それが今後数年において米国経済社会の運命として彼等エリート自身が予測している事であろう。

◎そこにおいて、日本国民に消費税増税を課して、日本財務省に金を集めて、日本財務省を通じて、米国に日本国民の国富を移転させれば、座礁米国経済艦の割れ具合は少しは穏やかなものになる。国富移転の方法は幾らでもある。
売国秀才官僚の得意技だ。
消費税増税で集めた金で紙屑となりそうな米国債を購入させる。またIMFや世界銀行に拠出させる。その金を米国などの財政破綻国への救済金に回す。それらの金は帰ってこない。世界経済座礁化の中で日本国民から消費税増税で収奪した金は帰ってこない。

◎さらに経済混乱の中で、国家財政は破綻に追いやってとしても、例えばIMFや世界銀行から救済金として回された資金はイン・マイ・ポケットとして金融資本は頂いてしまう事が出来るわけである。発展途上国の上層部が支援金で肥る事に同じである。財政破綻国の一般国民は救済されない。

◎消費税増税で好況とならない事、不況となる事は常識である。
ところが、日本経済が不況となる事、不況に追い込む事を米国は計画して手を打ってきていると推測されるのである。
何故、それが望ましい事なのか?
米国経済が破綻してゆくのである。それに対してEUやその他の経済圏が強くあってくれては困るわけである。
EUに対しては従ってギリシャ危機を宣伝して危機の進行を煽ってきたと考えられるのである。
日本は特に重要だ。何故なら日本経済の存在はそのあり方はチャイナ経済を規定するからである。朝鮮半島経済をも規定する。
日本経済が上向きになり好況に転ずるチャイナ経済も強くなり朝鮮半島経済も強くなる。

そうなると、チャイナと日本の「米国に対する”債権者”」としての発言力が強くなるのである。
これは米国側としては望ましくない事である。
破綻した後の債務の整理において債権者の力が強いと財産などを引き渡さなければならない。金で払えなければ土地や財産ということになる。それはつまりはっきり言えば、国土や資源という事になる。
出来れば債務には応じたくないだろう。

その時に、債務者側が弱体であれば、債務の返済を迫る事が出来なくなるのである。
日本において不況が深刻化して(その様に追い込んで)、チャイナ経済も勢いが弱まれば債務から逃れる事も容易となるだろう。

…という訳で、消費税増税で日本財政が健全化する訳がない。そんなに簡単な状況ではない。その様に考えるのは財務官僚の自己満足であいかないだろう。

ところが、そうではなく、突然に(自民党は売国党だから前から言ってきているが)、棺直人が消費税増税を言い出したのは、米国側の緊急の表には出せない要請事項であるという事なのではないかと考えるのである。

「消費税増税による国富移転・日本経済不況追い落とし」と「郵政資金頂き」も狙っているのではないのか。


(後略)


今回は経済版への投稿である事から、上の投稿から参院選に関する記述は転載を省きました。

菅総理の発言はかように危険なものであると考えております。

それは1990年にだされた「不動産総量規制」の再来ではないかと考えています。

バブル退治を名目とした「不動産総量規制」によって日本の金融機関は、不良債権の氷漬けとなってしまい身動きが取れなくなってしまい、金融の血液が回らなくなり日本経済は沈没しました。
かくして30年近くの低迷となり、自民党政権の退場から連立政権の努力によりやっと浮上の切っ掛けを掴むに至ったところなのです。

ところが、米国経済があのような有様ですから、日本経済が復活する事は軍事力を日本国内に展開し情報収集・謀略活動もやりたい放題で規制されない謀略天国の日本では金で転ぶエリート?と自認?する協力者が一杯でしょうから密かに手を回す事は可能でしょう。
国民がボーとしている限りこれは巧くいく可能性があるでしょう。
要は国民次第です。


実はかつて「不動産総量規制」が発表される8ヶ月か10ヶ月ほど前に、私は霞ヶ関官僚達がバブル退治の計画をまとめ様としているとの情報を入手していました。

そして思いました。

……
「米国側はバブル真っ盛りで最強となった日本経済がバブル化した価値を実態経済へと移転させて技術革新と流通革新を経て経済大転換を為しえる可能性が出てきた現時点で崩壊に持ち込みたいだろう。その為に霞ヶ関官僚達に崩壊の手段をそれとは気付かせずに唆したのではないのか。又、官僚の中には日本人ではあっても実は米国の国益に従事している確信犯も居る筈でありその者達が指導しているのかもしれない。何れにせよ思考能力が貧弱であるながら思い上がりだけは水素並の彼らであれば出鱈目をやるだろう。これらの動きは予測された事だ。」
  ……

不動産総量規制の事を振り返っておきましょう。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B7%8F%E9%87%8F%E8%A6%8F%E5%88%B6

総量規制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: ナビゲーション, 検索
この項目では、経済政策としての総量規制について記述しています。貸金業における総量規制については「貸金業法」をご覧ください。

総量規制(そうりょうきせい)は、1990年3月に当時の大蔵省から金融機関に対して行われた行政指導。大蔵省銀行局長通達「土地関連融資の抑制について」のうちの不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑えることをいう。行き過ぎた不動産価格の高騰を沈静化させることを目的とする政策であったが、想定以上の急激な景気後退(いわゆるバブル崩壊)をもたらす要因の一つとなった(なお、バブル崩壊の兆し自体は、総量規制の通達以前に生じていた)。この時の大蔵省銀行局長は土田正顕。土田自身は総量規制に反対していたともいわれているが、当時の大蔵大臣だった橋本龍太郎、さらに、後の総理大臣の宮沢喜一に強く実施を迫られて打ち出された政策だったという。

目次 [非表示]
1 内容
2 当時の評価
3 解除
4 脚注
5 映画
6 関連項目

内容 [編集]
不動産向け融資の伸び率を総貸出の伸び率以下に抑える(総量規制)
不動産業、建設業、ノンバンク(住専含む)に対する融資の実態報告を求める(三業種規制)
しかし、不動産向け融資は住宅金融専門会社を対象とせず、また、農協系金融機関は対象外とされたため農協系から住宅金融専門会社、そして不動産投資へと資金が流れることとなった。その結果、住宅金融専門会社の不良債権問題悪化へとつながった。
この通達によって、金融機関は融資証明書を発行しておきながら、融資を行わない。あるいは建設工事途中で融資を打ち切る等、現在に繋がる貸し渋り、貸し剥しを、全国規模で政策的に意図をもって大規模に実施した。この結果資産デフレを招き、その後の日本経済の長期低迷をもたらす大きな原因となった。
当時の評価 [編集]
バブル崩壊後に金融機関の破綻処理(はたんしょり)を行った、元大蔵省銀行局長西村吉正によると、総量規制が出された当時は、なぜもっと早く実施しなかったとの批判はあっても、なぜ実施したとの批判は、あのころの状況を知るものからすると理解しがたいとのことである。新聞論調でも「景気に配慮、尻抜けも」(日経)、「地価抑制の効果は疑問」(東京)など、手ぬるいとの批判はあったが、厳しすぎるとの批判は無かったと思う、とのことである。[1]

解除 [編集]
1991年春ごろには、不動産業界から緩和を求める要望が出始めた。また、同年9月の国土庁の地価動向の調査結果では地価は横這い、または微減の状態になった。大蔵省銀行局内でも解除が検討されだした。そこで、当時の地価動向調査は半年に一度だけであったが、政府は臨時の地価調査を行い、同年11月にも地価は横這い、または微減との結果を得た。その結果、同年12月20日に解除された。[2]
大蔵省銀行局内で解除を検討しはじめた当時、マスコミの論調は、「地価バブルを完全につぶそう」(朝日)、「居座り許せぬバブル地価」(毎日)、「地価対策の手綱を緩めるな」(読売)、「地価は落ち着いても楽観できない」(日経)、「なにゆえ慌てる金融緩和」(東京)「地価抑制対策の緩和はまだ早い」(日刊工業)であった。また、解除後のマスコミの論調も、厳しいものがあった。[3]
脚注 [編集]
^ 西村吉正 金融行政の敗因 文春新書 72頁[1]
^ 西村吉正 金融行政の敗因 文春新書 73頁[2]
^ 西村吉正 金融行政の敗因 文春新書 74頁[3]

映画 [編集]
東宝配給映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』はこの総量規制がテーマとなっている。

関連項目 [編集]
官製不況
失われた10年
失われた世代
ソ連崩壊
グローバリゼーション
アメリカナイゼーション
バブル世代
団塊ジュニア
ポスト団塊ジュニア

上の記述からも判りますが、不動産総量規制の時にもマスコミ(糟塵)は大々的に煽動しましたね。

たしか「土地本位制を崩壊せよ」なんてことも書いていました。

現在は参院選の真っ最中で国民の受けが悪いから消費税増税を煽ってはいませんが、選挙後の菅内閣の動き次第では煽動を再開するでしょう。

しかし、日本国民も30年間に亘って痛めつけられて自殺者続出・尊属殺人まで激発させるに至ってさすがに経済問題には敏感になっています。

何度も経済を破滅に至らせる事は如何に思考力を奪われている人達が多いとは言っても再来は無いと私は考えるのです。


日本国民と日本経済は棺を準備されても入る事はないと考えます。
歌の通りでしょう。

http://www.youtube.com/watch?v=iKOxn196FF8&feature=related
Green Green Grass of Home - Tom Jones

http://www.youtube.com/watch?v=lU-aXXdAMDM&feature=related
Green Green Grass Of Home


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コメント
 
01. 2010年7月09日 23:03:02: ibwFfuuFfU
これ以外解釈のしようがない

02. 2010年7月09日 23:30:03: q6rExkj6BY
このままで民主党が勝っても地獄、負けて自民が復活すればもっとひどいことになる。 誰に投票するか判断できる人ばかりじゃないから、やっぱり民主党じゃ駄目だってさと自民復活(みんなの党も自民清和会と同じ穴のムジナ)になる可能性もあるだろう。 選挙の前に小沢新党が立ち上げたなら、もう少し解りやすくなったのにというのは愚痴に過ぎないか。 もしかして日本人の叡智が働いて、ミラクルな結果になるかも知れない。 民主党の候補者のなかの小沢派だけが当選して、国民新党と民社党が飛躍的に伸び、自民・みんなが壊滅すると言うことはないものかね。 計算上それはないとしても、なるべくそれに近い結果がでることを夢見ているしかないみたい。 言って帰らぬことだけれど、鳩山政権が誕生した時点で、せめて前原・岡田・北沢・仙谷・平野・枝野等を排除できていたら、ずいぶん違った形になっただろう。 鳩さんが訪米してトラスト・ミーじゃなく、海兵隊は不要だと言っていたら、喧嘩の形も変わっていただろう。 愚痴っていても仕方が無いだろうが、そう言いたくなるよ。 小沢氏に政務には口を出させないようにしたらしいが、逆にアメ公との喧嘩は小沢さんお願いしますといっていたら、鳩さんは今でも首相だったろうに。 N.T

03. taked4700 2010年7月10日 11:37:42: 9XFNe/BiX575U: tC8f2oPwcc
消費税10%へ5%上げるというのは、大した税収増には結び付きませんから、米国債の買い増し等とはあまり関係があるようには思えません。

現行5%での税収が約12兆円ですから、10%にした時の税収は24兆円から減ることはあっても増えることはないでしょう。多分、22兆円ぐらいがいいところです。そして、当然消費税上げの不況がありますから、その手当分が結構かさみ、純粋に税収増としてみなせる部分は数兆円行くかというところのはず。これでは、あまり米国債の購入に使えない。

アメリカは、基本的に、日本の経済破綻のほうを心配しているはずです。日本が経済破綻してしまえば、日本が持っている米国債を売りに出す可能性が強いですから、それによる米国債の暴落や金利暴騰を心配しているはずです。


04. 2010年7月10日 11:51:38: cqRnZH2CUM
Economic Trends 経済関連レポート
人口減少社会に求められる税制 発表日:2010年7月8日(木)
〜経済成長と財政再建の二兎を追うために〜
第一生命経済研究所 経済調査部
担当 熊野英生(пF03-5221-5223)
人口減少社会に対応するためには、税制でも成長支援と負担分散を図ることがポイントになる。企業の設備投資と研究開発を支援して1人当たり実質GDPを増やすとともに、消費税率引き上げにより勤労者から高齢者へと税負担に分散することが肝要である。財政負担にはレガシー・コストの側面があり、政府の意思決定が潜在的リスクに十分に応じられず、時間がかかり処理が遅れるという弊害が起こりやすい。
成長制約を突破するための手当て
参議院選挙を前にして、各政党が成長目標の数字を掲げて、成長戦略に熱心な姿勢をアピールしている。エコノミストの目からみれば、あまりに高めの数字を目標に定めることは控えた方がよいと考える。高成長を望むには、人口高齢化の制約という逆風にどう対処するかという作戦を練る方が重要である。成長率を過大評価することは、必要とされる財政再建のための負担増を過小評価することにもつながりかねない。
まず、事実から確認すると、わが国の人口動態は2008年から減少局面に入っている。将来推計でも、年間▲0.1%〜▲0.5%のペースで趨勢的減少が進んでいくと予想される(図表1)。労働力人口については、総人口から少し時間差を置いて2013年から減少が始まるとみられる。人口減少のトレンドは、成長率と密接に関係しており、これまで90年代の経済成長率の押し下げにも影響を及ぼしてきたと考えられる(図表2)。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに
足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載
された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
- 1 -
-0.6-0.3-0.30.60.91.21.5
では、人口減少が経済成長率を下押しする状況にどう対処すればよいのだろうか。原理として、経済成長率は、国民の数が減っていけば、1人当たり実質GDPが増えない限り上昇していかない。経済成長率を高めるために1人当たり実質GDPを増やすことが目標になる。そのためには、(1)資本装備率を上げて労働生産性を上昇させること、(2)イノベーションを加速させて全要素生産性を引き上げること、のいずれかの方法しかない。しかし、(1)と(2)の活動はともに人口要因と独立ではない。人口減少のトレンドを強く意識する企業にとって、資本装備率を上げるための設備投資の実行を躊躇することになる。企業は、需要が鈍化するリスクを強く感じて、資本1981
ストックの規模を増やそうとしないからである。人口減少要因は、成長会計の数字に表われる労働投入量の変化幅よりも遥かに大きな範囲で、投資活動を制約して、成長阻害の悪影響を与えているというのが筆者の見解である。
同じことはイノベーションについても言える。イノベーションに巨大なイニシャルコストをかけてまで挑戦するかどうかは、新技術を投入したときの市場獲得の期待値に対応するはずだ。人口減少に伴って萎んでいく国内市場だけに照準を合わせると、イノベーションを試みようとする事業主体は、国内市場の期待収益率が低くなることに反応して、取り組み意欲をそがれる。
おそらく、グローバル化を目指すということは、こうした需要制約を取り払うための不可避の流れなのだろう。企業が外需を取り込む形で事業展開を考えれば、設備投資や研究開発を行うようにする必要がある。政策的には、人口減少下であっても成長ができるように、企業の設備投資振興、研究開発支援をすることが必然となってくる。
法人税に求められること
人口減少社会では、1人当たり実質GDPを増やしていくことと整合的な活動として、投資促進に向けた税制をデザインしていくことが課題になる。今、法人税率の引き下げがさかんに唱えられる文脈には、「法人税率を引き下げて投資促進」という政策意図が語られる。 224兆円1901952002052102152202252302003.042003.092004.022004.072004.122005.052005.102006.032006.082007.012007.062007.112008.042008.09209.022009.072009.122010.05兆円出所:日本銀行「マネーストック統計」(図表3)企業部門の保有する預金残高の推移企業部門の中には銀行は含まないが、証券会社は含む。2010年5月
ただし、法人税の問題は一筋縄ではいかない。例えば、法人税率を引き下げれば、直ちに投資拡大に結びつくかというと、そう単純ではない。企業部門のキャッシュフローはすでに潤沢であり、法人税を引き下げて税引き後利益を嵩上げしても、金あまりが助長するだけという見方がある。企業のキャッシュフローは、2010年6月時点で224兆円に達し、対前年比で5.7%(+12.0兆円)も増加している(図表3)。筆者の分析では、法人税率引き下げで電機セクターを中心に設備投資が刺激される部分はあるが、同時にキャッシュとして投資に回らない部分も少なからずあるとみる。従って、法人税率の引き下げは、別途、投資優遇の範囲を拡大させ、減税資金がキャッシュに滞留しないような手当が求められると考える。 101520253035404550199219931994199519961997199819992000200120022003200420052006200720085060708090利益企業割合(左目盛)利益企業の営業収入割合(右目盛)※出所:国税庁%%(図表4)法人税を支払っている企業の割合※すべての企業の営業収入のうち、法人税を支払っている企業の営業収入の割合
もうひとつ、法人税率の引き下げには、影響力の範囲の問題もある。まず、法人税を支払っていない企業には、投資優遇に結びつかない。法人税を支払っていない企業は、赤字企業のほか、租税特別措置や累積欠損金を利用している企業も含まれる。赤字企業の割合は企業数でみて71.5%にも達し、黒字企業(利益企業)は少数はである(2008年度、図表4)。つまり、法人税率を引き下げても、3割弱の企業にしか大きな恩恵が及ばないことは、幅広く投資刺激をしようとするときの課題になる。この点は、法人税率の引き下げと同時に課税ベースを広げるという意見とも気脈を通じている。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに
足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載
された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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一般的に、課税ベースを広げるためには、投資促進税制や研究開発減税のような租税特別措置を圧縮する方がよい。しかし、そうした対応を採れば、投資振興・研究開発支援といった成長戦略として逆効果になる。租税特別措置を廃止するということよりも、3〜4割の企業だけに限定されずに、広範囲の企業がもっと法人税を支払うように手当したうえで、40%に達する実効税率を25〜30%へとより大きく引き下げる対応を選択することも一案だろう。
筆者は、法人税率引き下げ問題にはまだ多くの課題が残っているとみるが、それでも方向性としては法人税率の引き下げを目指していくことは妥当だと考える。その理由は、グローバル化にある。具体的に、アジアなど日本よりも実効税率が低い国々との格差が広がれば、国内投資の空洞化が進む。日本の実効税率が高止まりしていると、見えない圧力として国内企業、とりわけ製造業が国内投資を敬遠して、海外に資本ストックを移してしまうという不安である。すでに見えない産業空洞化の圧力は相当に進んでいて、仮にこのまま法人税率を引き下げない状態がそのままになると、ますます国内投資の規模は細っていくだろう。法人税率の引き下げは、必ずしも投資をフルに促進する効果がないとしても、それを急がなければ国内の企業自体がジリ貧に追い込まれるという認識で前向きに推進していくべき問題なのだろう。
社会保障負担の分散のための消費税シフト
人口減少と同時進行で高齢化が加速していることは言うまでもない。さらに人口高齢化が進むと、少なくなる働き手がより多くの年金生活者を支えていく荷重は重くなっていくだろう。この図式は、すでに勤労者の社会保険料負担の増大として実感を強めている。今後、さらなる社会保障負担を直接税で勤労世代に負わせると、勤労意欲も消費意欲も抑制されてしまい、1人当たりの実質GDPを上昇させるのに悪影響が及ぶことになろう。数字でみても、現在の所得税収は12.6兆円(2010年度当初)に過ぎず、社会保障関係費(27.3兆円)の半分以下でしかない。仮に、消費税を引き上げずに超過した社会保障負担をすべて所得税で賄うべきと考えると、所得税負担は2倍以上に引き上げるという対応になり、これはとても現実的ではない。今、消費税引き上げの論議が高まっているのは、これ以上に勤労者への所得税負担を偏らせないという要請があるためとも理解できる。現役世代から直接税を通じて高齢者を支えるよりも、高齢者を含めて薄く広く社会保障負担を均すべきだという考え方が、消費税率の引き上げを容認する態度の背後にあると考えられる。
05101520253035197919811983198519871989199119931995199719992001200320052007200920112013消費税収社会保障関係費兆円出所:財務省消費税率を10%にしたときの税収予想(図表5)社会保障関係費と消費税見通し202530354045505560197919811983198519871989199119931995199719992001200320052007200920112013見通し兆円出所:財務省(図表6)社会保障関係費以外の歳出額の推移一般歳出から社会保障関係費、 地方交付税交付金を除外した歳出額消費税以外の税収
同じ理屈が、財政の歳出面での取り組みにも言える。人口高齢化によって、日本の一般会計に占める社会保障関係費は、「池の中の鯨」と化している。しばしば政治的スローガンとして「増税をせずに歳出の無駄をカット」ということが叫ばれるが、歳出を膨らませているのは、高齢化に伴う社会保障関係費が原因である。決して財政運営
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに
足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載
された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに
足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載
された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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に無駄があるから財源不足が生じているのではない。一般歳出から社会保障関係費を取り除いた歳出額をみると、ここ数年はずっとカットされて、2000年の31.3兆円(当時の社会保障関係費は16.8兆円)から2010年度当初予算26.9兆円へと削り込まれている(10年で▲14%<同期間▲4.4兆円>、2010年度の社会保障関係費27.3兆円<同期間+10.5兆円>)。さらに、先行きの社会保障関係費は、2013年度に+3兆円増えて30.5兆円になる見通しである。いくら無駄を削っても、社会保障関係費をカットしなければ、歳出全体の膨張は止まらない。
こうした歳入・歳出の構造変化を背景に、福祉目的税化というルールに従って社会保障関係費の増加ペースに応じて消費税率の引き上げることが妥当性を持つ。
成熟化社会の課題
人口減少問題は、日本社会の成熟化によって引き起こされる副作用である。ざっくりした話をすると、成熟化した社会ほど過去に築かれた制度維持のために、新しいメンバーが割高なコストを支払いながら運営をしていかねばならない。人口減少現象は、新しく生まれた若者たちに対して、彼らが支払うべき制度維持の費用負担を相対的に重くしている。それでも財政負担が膨張すると、成長率の鈍化と相まって、若者たちの負担がますます重くなっていくという悪循環が生じる。
こうした成熟化の弊害に対しては、いくつかの教訓から学ぶことができる。2009年6月に米国で起こった大手自動車メーカーの破綻は、こうした成熟化の弊害を非常に象徴的に表している。大手自動車メーカーは、退職者の年金・医療保険負担というレガシー・コストが事業採算を脅かして、遂に破綻に至った。ここでの教訓は、(1)成熟化するほどレガシー・コストをリセットするのに摩擦が大きくなる。(2)前々からレガシー・コストの存在は誰の目にも明らかなのに、危機の弊害が時間をかけて弊害が表面化するために対処が遅れ、破綻の手前で危機回避に舵が切れない。(3)危機が表面化したときには、あっという間に事態が悪化する。その危機の進行過程では気づきにくいが、リスクテイク能力が低下していくことが、自己革新にブレーキを踏むのである。
一連のケース・スタディは、日本経済の財政問題に驚くほど似ていないだろうか。もちろん、日本の財政は破綻しておらず、ハードランディングを回避できる可能性は十分にある。しかし、あえて言えば、このケース・スタディに学ばずに、潜在的コストの解消に動かなければリスク顕在化の蓋然性は高まっていくだろう。欧州諸国が多大なるコストを覚悟して財政再建を急ぐのは、財政再建に時間を要すると潜在的リスクが大きくなり、同時に将来の成長制約になるという機会費用の増大を警戒するからだろう。
日本経済は、人口減少に伴って成長加速の要請は高まるが、その一方で法人税や消費税のような税制上の見直しが後手に回っていることはやや危惧されるところである。ほかにも、税制には成長のために必要なリスクテイク能力を高めることが要請される。おそらく、リスクテイク能力を高める税制のあり方とは、事業損失を課税所得から控除したり、繰越したりする仕組みや、勤労者が転職・中途採用で不利にならないような企業年金の仕組みを手厚くすることになるだろう。
しばしば語られる「税制のグランドデザインを描く」という言葉は、人口減少という幅広い射程を持ってどんな措置を講じることがプラスで、何をすればマイナスになるのかを見極めることを意味するのだろう。政治的には格差是正や逆進性という用語が多用されるようになっているが、もっと大所高所に立った視野をもって議論が進められることが望まれる。

05. 2010年7月10日 14:57:06: FbQn4B9yw6
企業カネ余りの理由

企業のカネ余りが目立っている。日銀によれば、2009年度に、民間企業(金融を除く)は12年連続の資金余剰(17兆円強)となった。家計(9兆円強)を上回る最大のカネ余り主体だ。カネ余りは日本だけではない。英国やドイツ、米国でも、企業のカネ余り現象が顕著になっている。

 このような企業の余剰資金を、減税や成長戦略によって、設備投資や雇用に向かわせれば、景気は回復すると言う人たちがいる。しかし、彼らには、企業が資金をため込む理由が分かっていない。

 企業は、収益回復が不十分だから、景気回復に確信が持てないから、といった理由で、余剰資金を積み上げているわけではない。企業は、金融危機の経験を踏まえ、金融機関の資金仲介が機能しなくなり、その結果、事業に必要な資金を確保できなくなることを恐れて、自前の資金を積み上げているのだ。

 実際、1990年代後半の日本や08年以降世界で起きたのは、金融市場のまひ、金融機関の資金調達困難化、銀行の貸し渋り、企業の資金繰り逼迫(ひっぱく)、事業継続の困難、という悪循環だった。企業はたとえ黒字であっても、資金繰りがつかなければ倒産する。だから金融危機の後、企業は資金確保に走るのだ。

 だとすれば、企業を「資金の呪縛」から解き放つのは、減税や成長戦略などではなく、銀行貸し出しを回復させることだ。そして、銀行の貸し出し能力を高めるのは、中央銀行のさらなる資金供給ではなく(金融市場はすでにカネであふれかえっている)、厳しすぎる自己資本比率規制や不良債権処理スタンスを緩和して、銀行の与信判断や経営の自由度を高めることなのではないか。(山人)


http://www.asahi.com/business/topics/column/TKY201007090680.html


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