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(回答先: 緊急国民財政会議 岩上安身オフィシャルサイトより『財源はいくらでもある!消費税増税反対!緊急国民財政会議』の動画です 投稿者 shiryu星 日時 2010 年 7 月 06 日 17:10:37)
緊急国民財政会議(その2)
http://iwakamiyasumi.com/archives/1926
2010年07月06日(火)
7月4日、経済アナリストの菊池英博さんをお招きして、「財源はいくらでもある!消費税増税は反対! 緊急国民財政会議」が開催されました。3時間にわたる講演録(その2)をここにアップします。拡散・コピペは大歓迎です。
危険きわまりない消費税増税に「NO!」を!
岩上安身
岩上
財源は、景気がよくなり自然増収するのが本道。もうひとつは埋蔵金。
埋蔵金は『ないんだー』、と言いながら出てくる。
自見大臣は『ないと言っているが20兆出てきた。財務省は嘘を言う』と。
官僚の言うことが信用できると限らない。では財源のことについて。
菊池
財源は大別してふたつ、『今ある財源』『経済を成長させて出てくる財源』だが議論は前者ばかり。コイズミ構造改革もそうだった。
まず、その『今ある財源』を見ていく。
配布資料2ページ右側。『消費税は0%にできる』に書いている、埋蔵金一覧。
データは日本医師会のワーキングペーパーから。ホームページにもある。
前田由美子さんという方が分析している。お話したことがある。日本で一番よい分析。
この表の( )内が2006年度。ではポイントを言う。
2007年度剰余金(歳入-歳出)まず、一般会計と特別会計の話から。両方合わせると220兆円くらい。
一般会計だけから出るのは4割、残りは特別会計から出る。図表4にまとめている。
『一般会計と特別会計』(★配布資料のタイトルを修正お願いしますとのこと)
一般会計81兆円→この純支出は教育・防衛・公共支出
残りの6割は特別会計→独自に国債、借入金などがあり、保険料もこちらにある。
併せて209兆円、ここからの歳出が168兆円。
★ここに剰余金が42.6兆円!2007年度に余っている金額。
図の点線で示すように『財政は黒字』。税収51兆 国債25兆 他8兆
★だから国債なんて出す必要はない。すごいトリック(!!!)
このことを最初に言ったのは民主党で小沢一郎さんが示唆されたと聞く。
小沢さん、亀井静香さんはよくご存知かと。
岩上
特定の名は選挙期間なので(笑)
菊池
まあ、そう聞いている。一般会計と特別会計を同時に見ると、日本の財政は2007年も赤字ではない。
下の図は2009年。
埋蔵金を使っているが、それでも15.9兆円出るだろうと。
そうなると、国債33兆円。だから財政赤字は半減する。
分析された前田さんはおっしゃっているが、剰余金が出たら、それを国民に還元してからでないと消費税増税議論はできないと。同感である。
岩上
皆さんへ。こうした資料も別途ネットにアップします。
菊池
図表6。特別会計に『剰余金』とある。単純に引き算すると余る。42.8兆。これをどう処理するか。
積立金、翌年繰越、一般会計で1.9兆円回している。
だんだんと話が表に出てきたので隠しきれないのかな(笑)
決算後の積立金は68.9兆円。
翌年度への繰越は処理もしない額。その他にも積立金あわせて102.5兆円。
2009年度にはこの埋蔵金、51.5兆円+α。70兆円くらいになるだろう。
国民に増税をしなくちゃという政治的な発言が出る前に、こうした埋蔵金をどうするか。
中にはどうしても置いておかないといけないものもあり、たとえば労働保険など。
労働者と折半しているがこれはあるでしょう。そうした判断は必要。
そしてさらに考えが必要なのは、これは表面にでた数字だということです。
運用益だけだって2〜3兆円最低でもあって、P/Lを分析すれば出てくるはずだが。
決算委員会で分析して欲しいと民主党には伝えている。
岩上
財源問題。国内で回るべきカネが海外に行っている。
外国為替特別会計。40兆円の米国債買い増しをしたが、この関連で。
菊池
資料の1ページの左上。図表1。
粗債務(財務省発表)。872兆円が債務といつも大変だと10年以上言っている。
それを特別会計と一般会計に分けると、一般会計は577兆円、特別会計は295兆円。
ここで問題は特別会計。300兆円の使われ方を図表に解説している。
『特別会計の内訳(国家の投融資活動)』
この名で何をしているか?英語で言う、Loan and Investment Accountです。
その下が政府短期証券。
政府系金融機関にお金を貸すが政府保証債を買い取ってお金を流し、最終借入人、
ここに215兆円くらい。推計値としてだが。
その下、政府短期証券は100兆円。短期とは1年未満のこと。
これが外国為替特別会計に入り、日銀に行き(財務省代理人)、ドルを買って、買ったドルで米国債や日本の金融機関預金、80兆円くらいが米国債か。
この最終借入人は『アメリカ政府』と『受け入れ銀行』。となると、特別会計は国家の投資活動をしていて、その元金の支払いは政府債務というが、政府の負った債務は借入人が払う。つまり国民の債務じゃない。消費税を上げる理屈は成り立たない。わたしは2月2日に菅さんに話した。『国民はCHANGEを求めている、これがCHANGEだろう』と。
岩上
米国側の圧力は?
菊池
圧力というが、日本で米国債を買うのは知っていることなのにマスコミは書かない。
岩上
本当にこれは売ってから負担を求めるべきもの。
菊池
額面800兆円あるがうち300兆円は国民の債務じゃない。また、積立金は200兆円ある。ちょっと増えているかも。
となると、577兆円あるが、国民拠出分で担保されている。さらに社会保障基金が200兆円。
他にも株や地方債。さらに言うと政府は350〜360兆円。
いっぽうで地方の純債務が140兆円くらい。500兆とは菅さんが国会でおっしゃている。
名目GDPに対しての比率が高いというが、名目GDPが縮小しているから高い。ここのところ、重要。債務の増加を上回る成長があればいい。
極端に言えば、債務はいくらあっても経済成長がそれを上回ればいい。
それを証明したのが93年のクリントン。オバマもやろうとしている。
平沼さんが今日の日曜討論で少し言っていた。
日本はアメリカ共和党の政策を受け入れているが、これを変えるべき。
先日、鳩山さん当時総理だったが、そこで話したのは
『名目GDPを上げる』と。そのことに『そうだ!』と。
鳩山さんは赤と黄色のペンで書きこみながら良い質問もされた。
最後に総理に申し上げたのは、『アメリカの民主党の考え方をもっと取り入れるべき。
共和党の考えを取り入れたら税収が下がる』と。
彼らには成長させて税収を上げようという考え方に乏しい。
まず、日本も口では言っているが成長戦略をしっかりして、税収を上げ赤字が飛ぶ。
岩上
レーガンとブッシュは何をしているかも話していただきたいが簡単に。
レーガン時代は法人税引き下げて所得税も引き下げ。
企業と富裕層優遇で債務国に転落した。ブッシュも失敗した。
クリントンはルーズベルトの政策をベースにして政府支出で民間投資を引き出した。有効需要を喚起した。8年間にわたり。
そうして、企業富裕層優遇から転換して財政支出問題を解決した。
オバマ大統領も70兆円の景気対策。法人税所得税の税率増。
転換をしている。このクリントンモデルについて。
菊池
共和党と民主党は政策理念も手法も違う。
均衡財政で最大に失敗したのがフーバー大統領。
共和党はレーガンになって、フリードマンの新自由主義・市場原理主義を取り入れて
変わってきた。金持ちに徹底して有利にして、レーガンを支持した当時の『ネオコン』と呼ばれる人たちが、『レーガン革命』をした。
ポイントは、小さい政府、規制緩和、自由化。
法人税の最高税率を50%から28%まで下げ、所得税を70%から31%にまでした。
ここで『双子の赤字』が生じた。財政と貿易収支。
当時はソ連に対抗するストロングアメリカを目指していた。
そして1985年に債務国に転落した。共和党政策は、小さい政府。
国民の税金から社会的に教育や医療に渡すということも少なく、
税を安くするので一番得するのは富裕層と法人。
政府に入っていたものが富裕層に流れて使えば経済が成長するというのが
その『トリクルダウン』(金持ちが使うとおこぼれ頂戴)の考えとラッファ曲線。
所得が猛烈に富裕層に流れて債務国になったのはアメリカとしての大失敗。
そうなったから債務政策、特に中国との関係も難しくなった。
パパ・ブッシュは増税を5年計画で立てたが、うまくいかず失敗。再選されず。
クリントンは、有効需要の喚起を政府がするとして、予算支出の中身を公共投資、地方へ、教育に重点化した。8年間で財政黒字化。
法人税を35%に、所得税39%に、中小企業には投資減税。
財政上のインセンティブになった。低所得層は控除を増やした。
それらを続けたので、5年で財政赤字解消した。
子ブッシュがでたときには、財政黒字は3000億ドルくらいあった。
その後、ブッシュがレーガンのように下げてしまい、2008年末、アメリカ経済は破綻したと思う。GM、CITIなどが潰れる。経済破綻。新自由主義のため。
ここをオバマはがらっと変えている。象徴的には就任演説で、
『政府は大きいか小さいかが関係ない、どんな機能を提供するかだ』と。
クリントンと同様の政策を取った。法人税所得税増税など。
また、所得の再配分を控除の仕組みの中にいれた。
民主党の一部も考えているようだが、お願いしたいのはアメリカ民主党政策を
もっと取り入れてほしいということ。
岩上
民主党が2つに分かれているように見えるのは一時的なことなのか、
ともかく戻ってほしい。クリントンの有効需要喚起などを。
菊池
ケインズはどうなんだ、などという人がいるが、経済は実はそんな難しい学問ではない。
どういう時にどういう政策を打つかは歴史が教えてくれる。
アメリカはルーズベルト的政策(1933年ニューディール政策)をしているが、これはケインズ(1936年発表)との接点はない。
ケインズでもマルクスでも、そういう、理論に沿ったということではない。
歴史から出てくるということが論調としてない。この点、マスコミには要望する。
岩上
日本は日本の歴史に学ぶべき。昭和金融恐慌でデフレが起こり、政策転換を高橋是清が行い、財政出動をしたが、彼はケインズから学んだわけでない。歴史の教訓がある。
菊池
アメリカ大恐慌を解決したのはルーズベルト。1933年3月3日就任。
いっぽう、1930年から日本の金融恐慌。
高橋是清は1932年から財政金融一体化で解決した。
恐慌から脱することができたのは日本が世界で最初だった。
わからないが、日本のことはルーズベルトの頭にもあったかもしれない。
日本には成功した歴史がある。
1933年のアメリカと今の日本に似たところがある。
当時、アメリカは金があり債権国だった。そのカネを自分で使おうとして成功した。
だから今の日本に言いたいことは、『財源はいくらでもある』ということ。消費税の増税以外に。
そして財源は2通りある。
公務員改革などの前にも、現在の余剰金などを国家に返納し財源を出し、
お金があるなら建設国債でも発行できる。
アメリカが賢明だ、と思ったのは30年代の不況時に社会インフラを作った点。
高速道路や地下鉄。アメリカ赴任時、地下鉄だと都心から60km、それも複々線で走る。
今使っている京王線など15kmしか出ない。
日本は社会的共通資本をもっとやる。通勤地獄解消もそのひとつ。
また、病院の整備なども。アメリカはきちっとやっていた。
クリントンの時代に鉄道を強化もしている。
ワシントンDCの鉄道、オバマの最近の新幹線など、経済は民間だけでも難しくなると
政府が手を出す必要があり、それで民間投資が引っ張り出せる。
それを3〜5年計画、10年計画の中でやっていき、地方も強化する。
岩上
『増税しても成長する』ということを菅総理のブレーンである小野善康さんなどが言っている。
菅総理は国際公約のようにして、『3つの強いシリーズ』で、最初に財政均衡を消費税で目指すと言っているが、縮小均衡したら大変なことになる。
拡大均衡、分母を大きくしないと債務デフレに陥る。
強い経済より先に強い財政、と言うが、菅総理の言う『強い財政』とは、まず削りとる財政のこと。
増税してから経済成長はありうるか。まやかしにしか聞こえない。
菊池
増税しても成長分野というのが小野先生の考え方だが、政策面からよく知っている人は賛成しない。消費税前提にするなら大間違い。成長なんかにつながらない。消費税を上げようとして経済は成長していない。
国民の所得を奪って政府に付け替えるだけ。
非常に波及効果は大きい。消費税減免などのことも菅さんが言っているが、交通費など全て上がるわけだ。
アメリカは1932年にフーバーが失敗した事例がある。
赤字の数字合わせに幅広く消費税を入れた。
特に石油税・ガソリン税が効いてしまいがたっと経済が落ち込んだ。
1932年は1929年に比べて所得は半分に、株価は9割減に。
消費税の還付はやっちゃいけない。菅総理がどうお考えかわからないが、集めて返しても集めた効果のほうがずっと大きい。戻した際のプラス効果は小さい。
観測では選挙後、そういうことはやらないんじゃないか、常識的に考えても。
施政方針でおっしゃていたが消費税から入るのは絶対にマイナス。
だんだん歴史に学ぶ賢者がでてくることを期待。
岩上
今、またデフレが進行している。地価下落はバカにできない。公示地価は都心で前年の20%も下がった。事務所探しで不動産周りをしたが驚くほど地価が下がっている。事業所がなくって家賃の交渉の余地がある。
地価下落は全てに響く。資産価値を減らすし、債務負担が増えて返済が難しくなる。
非常に危険な局面、ここに消費税をあげたら橋本時代より大変だと思うが。
菊池
G20の共同声明で日本だけが財政健全化対象外にされたが。
そこでIMF理事長が『日本には財政危機という兆候が出ていない。
この記事は『世界日報』で見た(会場笑い)。
岩上注(ここで菊池氏が世界日報に出ていたと語った記事は、時事通信配信の記事。)
国際通貨基金(IMF)のストロスカーン専務理事は28日、当地で一部記者団に、先進国の財政赤字削減目標で、日本が『例外』扱いとなったことについて『国内総生産(GDP)比の信任が維持されてきた点が他国と状況が異なる』と述べ、特殊性に理解を示した。
同専務理事は、日本の財政状況について『差し迫ったリスクは全く見受けられない』と語った。」というもの。日本はあまりの財政赤字の突出ぶりゆえに、 G20で仲間はずれにされた、という正反対の『虚報が流されているか、実は日本は財政破綻のリスクがまだないという真逆なもの。日本のマスコミの虚報を本当に、本当に、信じてはならない。
世界的な流れから言って、債務圧縮はこのままいかないと思う。
リチャード・クーさんが、ニューズレターでいいことを言っている。
『ヨーロッパ各国で財政を引き締めるとマイナス効果が大きい。ユーロの価値にも影響。この際、政府債務を増やしても雇用を』
ユーロを作るときの申し合わせは債務を名目GDPの3%にするという縛りがあったが、ギリシャは債務を隠していて政権が変わって表に出て危機に。
財政を絞っていても済まない。
アメリカの財務長官がヨーロッパで『緊縮でなく景気振興策』をと言ったそうだが、わたしもそう思う。
日本は、ギリシャとの比較(日本は前出のように違う状態にある)もあるが、民主党が意見を割るかどうかの心配とは別に、事実に基づく的確な政策判断が出てくるんじゃないかと思う。
消費税増税にアレルギーがあり悪影響も大きく、実施できないのではないか。さっき言い忘れたことひとつ。
法人税引き下げには反対。
クリントンやオバマのように、需要喚起とともに最高税率を上げること。
去年1月の国会で枝野さんが中川昭一さんに、
『2006年までのあいだに製造業配当金は5兆円増えており内部留保は20兆増えている』と質問した。大企業の減税は必要でない。
国際競争力がつかないというが、輸出をすれば消費税は還付される。
50%輸出とすれば、減税される。
国際競争力のための減税というが、十分国際競争力がある。
なければ輸出超過にならない。(会場笑い)
赤字だ大変だというが、下げる必要はない。
法人税を下げたら恩恵を受けるのは輸出企業や外資比率の高いところ。
岩上
モルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスがいますね。
菊池
経団連の大企業役員の人が、株主総会で従業員還元をしたいと言ったらそうでなく株主配当、と言われたと。また、基礎年金の税方式にしようといっているのは外資。
岩上注
この指摘は重要。基礎年金を税方式に進めようとしているのは、菅政権で菅総理の右腕として内閣官房副長官に就任した古川元久氏。財務相OBで、明らかに財務相と財界に年脈を通じている。
企業では半分が企業負担、全体で4兆円。
外資の比率が高い企業は配当金を増やし、いわゆる社会的コストを下げさせようとするので基礎年金は税負担なので企業負担がなくなる。
4兆円がなくなる。
『税方式』は経団連と経済同友会が言っている。
日本国民の所得と生活を維持するか、外資の要望を強く受けていくか、対立点になっていてこれは政治上の問題。
『法人税引き下げ、消費税引き上げ』は外資利益保護。
生活が第一というなら、企業所得や国民全体の所得を国民のためにすると。
今でも税活が第一と民主党は言っていて、となると(増税は)ぶれている。
国民新党を含めて与党は中身のあることに焦点を絞って議論をしてほしいと。」
岩上
基礎年金の税方式は、政権中枢にいる古川元久さんも言っている…などさまざまあるが。
外資の言いなりになって生き血を吸われるのか、国民の生活第一か。
菊池
ところでわたしは決して反米ではありません。
わたしはアメリカは好きな国なんですよ。マスコミの議論も日本より数段進んでいる。
共和党時代に、NYTでクルーグマンが毎週毎週、ブッシュ政策を批判していた。
日本で小泉・竹中時代に政権批判が掲載されたことがある?
そしてそのクルーグマンがノーベル賞。アメリカには議論を戦わせる素地がある。
さっき、『日本のマスコミはまさに北朝鮮』という話があったが、本当に消費税は危険。
財源の問題、波及の問題など、『消費税引き上げが正義の味方』のように言う人が
いるが警戒して進めていく必要がある。
(その3)につづく
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