http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/105.html
Tweet |
http://www.ashisuto.co.jp/corporate/totten/column/1193266_629.html
Date : 2010年07月01日
アメリカで起きた住宅バブル崩壊がリーマン・ブラザーズの破綻をもたらしたとき、アメリカ政府は「金融システムを守るために」7,000億ドル規模の金融安定化法案を承認し、FRBは1兆ドル以上の紙幣を印刷した。 (ビル・トッテン)
世界中が陥った金融危機
その後、金融危機はヨーロッパに飛び火し、ギリシャが財政危機に陥った。EUとIMFはギリシャに1兆ドル近い支援を約束し、ECB(欧州中央銀行)も欧州の政府国債と民間債券を買い入れる方針を示した。しかしポルトガルとスペインも支払い不能に陥る可能性もあり、今後の見通しは立っていない。
世界中で企業や政府が金融危機に陥っているが、それを資金援助し続けることは長期的な解決策にはならない。EUではすでに多くの国が借金を抱えていて、さらに債務を積み重ね、短期的に持ち直したとしても長期的にはよりひどい結果をもたらすことになるだろう。20世紀のヨーロッパは深刻な不況の後、各国にネオファシズム系の政党が台頭し、第二次大戦へと突入した。そのような愚は繰り返さないとしても、金融危機を支え続けることはヨーロッパやアメリカが、これからも生産する以上のものを借金で消費し続けることに他ならないからだ。
もともとヨーロッパの国々は他国を搾取、略奪することによって栄え、自分たちが生み出す以上のものを消費し続けてきた。20世紀はじめ世界のほとんどの国はヨーロッパの国に占領されるか、ヨーロッパから来た人々によって不平等な取引のもとで統治された。これを可能にしたのは化石燃料で、それによって先進国の生活はますます便利で贅沢になっていった。第二次大戦後、ヨーロッパからアメリカに覇権が移ると、今度はアメリカが世界を略奪し、自国で生み出した以上のものを消費するようになっていった。
経済活動でみると、第一次産業は自然から直接資源を採取し、第二次産業は製造業など採取した資源を人間の労働力を使って加工/提供し、第三次産業はサービス経済でお金や情報その他を交換している。第三次産業が成り立つのは、第一次、第二次産業によって生産されたものと交換できることが大前提だ。そして世界で起きている金融危機は、この第二次経済と第三次経済のミスマッチによって起きているといえる。つまり市場にある商品やサービス以上のお金が流通すればインフレになり、またその逆はデフレになる。そして第三次産業で起きている金融危機は、第二次産業にも深刻な影響を及ぼすのだ。各国政府がすべきことは、膨張しすぎた第三次産業と、有限の資源の上にある第一次産業、それをもとに行なわれる第二次産業との格差を縮めることであって、第三次産業の暴走を支援することではない。
帝国が植民地の天然資源を自由に使えた時代は過去のものとなった。天然資源の枯渇や減耗という問題を無視し続ける限り、現代の経済学は世界で起きている問題を解決することはできない。ミツバチが消えたのは小さな警告だったかもしれないが、その原因がなんであれ、自然界に大きく依存する人間はその自然をあまりにも軽視してきた。お金の交換だけでは生きていけないということを、あらためて考えなければいけない時期にきている。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。