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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu218.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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G20では、追加景気刺激策よりも、リーマン・ショック後の財政政策
で積み上がった膨大な借金を減らすことを優先した形となりました。
2010年6月30日 水曜日
◆G20で論議を呼んだ緊縮財政の是非 6月30日 Financial Times
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3862
先日開催された20カ国・地域(G20)による首脳会議は概ね平穏だったが、論議を呼ぶ大きな問題が1つあった。グローバル経済が景気後退の淵から這い上がってきたこの時期に、経済成長にダメージを与える恐れのある厳しい緊縮財政を導入するのは果たして正しいことなのかという問題だ。
論争の場は市場に移っており、投資家たちの心も揺れている。大胆な歳出削減方針を掲げた国を称賛してその通貨や国債を買うかと思えば、財政規律の厳格化は政治を不安定にさせるとか、下手をすれば景気の二番底を招きかねないとの不安感から同じ国を批判して売り手に回ることもあるといった具合だ。
先進国の間ではここ数週間、記録的な財政赤字と膨大な公的債務残高を抑制する政策が相次いで発表されている。
◆債券・為替市場は各国の緊縮財政措置を概ね歓迎しているが・・・
東京からマドリードに至るまで、こうした政策は債券・為替市場で歓迎されている。大半の投資家はこれらの国々の債務を、先進国が直面する最大の問題と見なしており、それを削減する決意が示されたと解釈しているのだ。
英国では先週、歳出削減や増税により今後5年間で計1130億ポンドの財政緊縮を行うという緊急予算案が発表された後、英ポンドが6週間ぶりに1ポンド=1.50ドルの大台を回復した。英国債も続伸し、英国政府の平均借り入れコストがわずか3.2%という記録的な水準に低下するのに寄与した。
日本でも10年物国債の利回りが7年ぶりの低水準を記録した。財政健全化の高い目標が先週発表されたことや、消費税率の引き上げを検討するかもしれないと菅直人首相が発言したことを受けて、日本円も上昇した。
しかし、このように明るいシグナルが出ており、多くの投資家の間でこうした政策が全体的に支持されているにもかかわらず、ユーロ圏の周縁国では国債の下落(利回りは上昇)が続いている。ユーロ圏の債務問題はとにかく深刻だという不安や、必要な改革を実行するに足る強い政治的意思があるのかという疑念がまだ渦巻いているためだ。
◆ユーロ圏周縁国の国債利回りはなお上昇
ギリシャとポルトガルの国債利回りは、5月10日の総額7500億ユーロに上る「衝撃と畏怖」の緊急支援制度発表以降で最も高い水準になっており、スペイン国債の利回りも今月に入って2008年以来の高水準をつけている。
ただ為替市場では、ユーロが今月になって対ドルで4年ぶりの安値をつけた後は安定している。ユーロ圏全域で大幅な財政緊縮が計画されていることなどが寄与した格好だ。しかし投資家はまだ、この単一通貨の今後について確信を持てずにいる。
市場では、政府が緊縮財政を推進しすぎ、巨額の債務返済に必要な経済成長をストップさせてしまう恐れはないのかという点が強く懸念されている。
シュローダーの欧州・英国債券部門の責任者ジェイミー・スタッダード氏はこう語る。「肥満体の人が運動しようと思ってスポーツジムに行くようなものだ。体重が180キロもある人の場合、ランニングマシンを使うときはどこまで頑張っていいか気をつけないといけない。下手をすると心臓発作を起こしてしまう」
財政赤字削減計画を発表したものの、その実行に手間取る国が多いのではないかとの懸念もある。職を失って生活水準が劇的に低下した人々の抗議活動やデモが頻発すれば、政治的な意志が萎えかねないからだ。
◆英国や日本の国民は、痛みを受け入れる覚悟ができている?
欧州ではこれまでに、ドイツが今後4年間で800億ユーロの歳出削減と増税を承認しており、フランスも法定退職年齢を引き上げる計画を明らかにした。
イタリアは250億ユーロの緊縮財政パッケージを発表し、スペインも150億ユーロのプログラムを公表している。ポルトガルは、2011年までに財政赤字をGDP(国内総生産)比で4.6%にまで圧縮する計画だ。
一方、アイルランドは昨年12月に公表した予算でいち早くこの問題に取り組んでおり、厳しい緊縮財政プログラムが既に始まっている。
ここで際立っているのは、緊縮財政への反発が欧州大陸のユーロ圏諸国で集中的に生じていることである。アイルランドや英国、日本ではデモは行われていない。この3カ国の国民は、財政緊縮による経済的な痛みを受け入れる覚悟が比較的できているようだ。
◆デモが頻発すれば緊縮財政やユーロの行方に多大な影響
しかし、ベルリン、パリ、ローマ、マドリード、リスボン、アテネなどでの街頭デモに何千という数の人々が参加している光景を見た投資家たちは、警戒感を次第に強めつつある。
抗議の声を上げる人々は、政府による歳出削減の程度を左右する可能性があり、ひいては単一通貨ユーロやユーロ建て債券の市場の行方にも多大な影響を及ぼす恐れもあるというのがその理由だ。
スタンダード銀行のスティーブ・バロー氏は次のように述べている。「政府の行動を律して変化をもたらす力を持っているのは労働組合でも有権者でもなく金融市場だから、デモや抗議行動はそれほど重要でないように見えるかもしれない。しかし経済環境がこれほど悪くなると、恐らく金融市場の反応ではなく、政策当局者の行動の社会的な側面の方が重要になるだろう」
英国、アイルランド、そして日本の一般大衆に緊縮財政を受け入れる覚悟があるように見えることは、それぞれの国債相場をある程度下支えしている。ポンドや日本円の上昇にもつながっている。
抱えている問題が国によって異なることなどから、財政をどの程度緊縮すべきなのかという点が最も重要な議論になる。これはまた、米国が特に検討しなければならない問題でもある。米国は経済成長を刺激する政策を続ける必要がまだあると認識しており、規模の大きな先進国としては唯一、厳しい緊縮財政政策の導入を今のところ拒んでいる。
◆深刻な財政問題を抱えた米国の出方
ベアリング・アセット・マネジメントの債券為替部門を率いるアラン・ワイルド氏はこう分析する。「今注目すべきは米国だ。米国の財政の状況を深く掘り下げていけば、一部の州や大都市が事実上破産していることが明らかになるだろう。米国はこのダメージの修復にいつ取り組み始めるつもりなのだろうか」
いずれは米国も、公的債務残高を削減する計画を発表しなければならない。その残高は現在、ユーロ圏の債務の合計額をはるかに上回るレベルに達している。そうした計画が発表されれば、すべてが宙に浮く恐れがあり、欧州での議論にも影を落としかねないと一部の投資家は心配している。
◆「G20首脳宣言」と株式市場に与える影響 6月29日 ケンミレ株式情報
http://www.miller.co.jp/kmp00_01/visitor/report/point/
G20(20カ国首脳会議)の首脳宣言で、2013年までに日本を除いた先進国は財政赤字を半減するという数値目標が盛り込まれました。つまり今回のG20では、景気回復の腰折れリスクが残っている中で、景気回復をさらに確実にするためのさらなる追加景気刺激策よりも、まずは2008年のリーマン・ショック後に総動員した財政政策で積み上がった膨大な借金を減らすことを優先した形となりました。
特に対GDP比で財政赤字が膨らんでいるのが日本と欧州ですが、数値目標から免除された日本を除く欧州各国では、この膨大な借金を減らすためには増税や公務員の人件費削減などによって「入を増やして出を抑える」しか方法はありませんので、当然「国民の痛みを伴う」ことになりますから個人消費が冷え込み、その結果として経済成長に水を差す可能性があります。
そこで困るのが欧州を重要な輸出市場としている米国で、リーマン・ショック後の迅速かつ積極的な追加景気対策でようやく取り戻しかけてきた景気回復の足取りを、ドル安を容認しながら「5年で輸出を倍増する」ことで確実にしようとしたシナリオが狂う可能性が出てきたからです。
つまり今回のG20の首脳宣言で財政赤字削減がメインテーマになったことで、欧州の経済成長は鈍く、また米国の景気回復にもブレーキが掛かるとの見通しが市場に広がってきたことが、ドル円チャートで円がオーバーバリューを越えてきた背景にあるのではないかと思います。
(私のコメント)
株と為替がまた大きく動いているようですが、先日カナダで行なわれたG20の会議での景気回復よりも財政再建を優先すると言う決議が、ヨーロッパにおける信用不安を再び引き起こす事になり、日本の失われた20年と同じように欧米でも景気対策と財政再建の政策を行ったり来たりする事になるのだろう。
景気対策と財政再建はどちらを優先すべきかは、少なくとも日本やアメリカにおいては景気対策を優先しないと財政再建もままならないだろう。ヨーロッパにおいてはユーロと言う共通通貨の影響で為替調整が機能せず、中央銀行も日銀やFRBのようには機動的な金融政策が出来ない。さらにギリシャやラテン諸国にはデモやストライキの頻発が経済の混乱をもたらすだろう。
日本やアメリカにおいては円相場やドル相場というバロメーターがあるからそれを見ながら金融調節をすべきなのですが、日銀はかたくなに金融を量的に引き締めて円高をもたらしている。民間は借金の返済を最優先して借り入れを控えているし、銀行は新規融資に慎重になり国債ばかり買い込むようになっている。
信用不安を経験していつ潰されるかといった経験をすると、企業も銀行も信用を収縮させて直ぐにでも換金ができる国債ばかり買うようになってしまう。ならば国は国債を供給して民間の信用収縮の穴を埋めなければなりませんが、財務省も日銀もそのような仕組みが分かっていないようだ。
先週のテレビでもリチャード・クー氏が、BBCなどに日本の経験を述べているそうです。菅首相もG20などにおいて日本の経験を述べて、景気が回復しかけても財政再建を急いではならないと言うべきでしたが、景気対策と財政再建を同時にやると「第三の道」を言っていましたが、増税で景気が良くなるわけがありません。
地道に政府の歳出カットと減税を続けながら景気回復と財政再建を行なうべきなのだ。歳出カットも公務員の給与カットを行なわなければ財政再建は進まない。しかしながら自民党政権でも民主党政権でも官僚の抵抗にあって公務員の給与カットは進みませんが、それが出来なければいつまで経っても財政の再建は出来ない。
「第二の道」である新自由主義政策は格差を生み従業員の賃金低下をもたらして消費が減少してデフレを招いてしまった。企業は利益を内部留保と株式配当と役員報酬に使ってしまって従業員への給与アップになならずに消費は拡大しなかった。秋葉原の無差別殺人事件もマツダの無差別殺人事件も新自由主義政策がもたらしたものだ。
要するに菅総理の経済政策は財務省主導の経済政策であり、官僚たちが成長産業を決めるらしい。まさに「官僚たちの夏」の現代版ですが、これは小説が作り上げた神話でありテレビドラマの見すぎによるものだ。当時は円ドルは1ドル360円に固定されており何を作って輸出しても儲かった。
むしろ財務大臣を民間から起用してみたらどうなのだろう。日銀総裁も日銀の出身者がなっているがこれも民間人を適用したらどうだろう。アメリカの財務長官もFRB議長も民間の出身者だ。しかし菅首相は何も分からない国会議員を財務大臣にして日銀OBを総裁にしている。これでは今までと何も変わらず閉塞したままだろう。
◆菅直人首相「第三の道」政策では経済成長も円安もムリ 「増税すると景気がよくなる」を検証する 6月7日 高橋洋一
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/663
菅直人新政権の経済運営がどうなるか。
さっそく証券会社から「菅政権で成長する。円安にもなる。だから日本株か外債投資がおすすめです」との商売熱心な勧誘がきた。
たしかに、今年1月初めの財務大臣に就任した当初は、財務省事務方の意向を無視して、円安発言をするなど威勢が良かった。ところが、財務省によって直ちにその発言は打ち消され、すぐに雲行きはあやしくなる。
その後、菅財務相は1月下旬に国会で子ども手当の乗数効果(子ども手当の何倍のマクロ経済効果があるか)が答弁できず立ち往生。さらに2月上旬、G7会合で財務官僚の手厚いアテンドを受けた。
そのあたりから、事務方との関係がずいぶん変わり、「菅財務相はよく勉強している」との意見が霞ヶ関に出回った。
そして、案の定、2月中旬、菅財務相はテレビ番組で消費税引き上げを含む税制抜本改革を議論すると言い切った。それまでは消費税引き上げを議論するとしても来年以降と言っていた。それを変更して大幅に前倒ししたのである。
これは菅財務相が財務官僚の手にうちに完全に落ちたこと、「菅落ち」を意味している。
はたして菅新政権で、日本経済がどうなるのか。円安になるのだろうか。
それを読み解くカギは、「脱小沢」と「脱・脱官僚(=官僚主導)」だ。脱小沢は組閣と党人事をみれば明らかである。
一方、脱・脱官僚も、副長官に松井孝治氏(留任)と古川元久氏という、ともに経産OBと財務省OBを充てている人事をみれば明白だろう。菅首相は財務省の手に落ちているのである。(後略)
(私のコメント)
財務省や日銀任せでは「失われt20年」を繰り返すだけであり、財務省の官僚も日銀の官僚も前例のある事しか分からない。バブルの発生や崩壊も大蔵官僚や日銀官僚の経済に対する無知から生じているのであり、信用が収縮している現状ではその穴を政府が埋めなければGDPも名目成長率も落ち込んでしまう。
経済成長政策と財政再建政策を交互に繰り返してきたからGDPも横ばいを続けていますが、インフレになる事を恐れながらデフレ経済にしてしまっている。景気対策としては減税と金融緩和で消費を伸ばして税収を伸ばすべきなのだ。
高橋洋一氏も「ギリシャは年金がデタラメで公務員の給料が高いから財政が危機に陥ったのだ。」とはっきりと指摘している。、しかし菅首相は財務省に取り込まれて増税路線に走ろうとしている。だから今日の株価も下げているのだ。
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