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フィリピンは太平洋戦争前アメリカの植民地だった。戦争中は日本により占領され、日本の占領政策が稚拙なものであったためフィリピンの人々の反感を買い、反日ゲリラ闘争が盛んに行われた。当然共産主義の人々も反日ゲリラ活動を行い、アメリカ軍に協力して日本軍兵士を痛めつけた。しかし、戦後、フィリピンの独立とともに共産主義活動家のほぼ全員は、共産化を心配するアメリカ軍の意向により徹底的に粛清されていった。 結果的に残ったのが、自由主義を標榜する人々であり、彼らによりフィリピンの格差社会化が行われていった。国土のほぼ半分が10数家族によって所有され、非常に多くの農民が小作農としてほとんど貯金もままならない生活を送っている。 そういったフィリピン社会を制度面で支えている税制を紹介する。フィリピン日本人商工会議所のhttp://www.jccipi.com.ph/2-6.pdfという資料を参考にした。 1.所得税:最高税率は日本に比べても低い。日本は40%が最高だが、フィリピンはさらに低い32%となっている。 2.消費税:日本とほぼ同時期である1988年に導入されていて、現在12%。食料品も12%の消費税がかけられている。ただし、百分率税というものがあり、百分率税がかけられている業種は消費税はかからない。以下に百分率税がかけられている業種を引用する。 面白いのは、銀行業務や株取引にも税がかけられていることだ。これらは利益に対しての課税ではなく、取引そのものへの課税である様子だ。 3.物品税:はっきりしないが、フィリピン日本人商工会の記述からは消費税に加えて物品税がかかる品目がある。多くのものは定額が加算されるが、ものによっては数パーセントの税率で物品税がかかるものもある。日本は、消費税の導入に伴って物品税は廃止されている。ちなみに、消費税導入前には、宝石とかスポーツカーなどのぜいたく品に30%の物品税がかかっていた。 4.証券税制:はっきりしないが、株式の売却代金に対して一定割合を税として納めるようだ。どちらにしても分離課税であり、総合課税にはなっていないし、所得税の催告税率から見るとずっと低い税率だ。日本は、分離課税で株の配当や売買益に10%の税金がかかる。 5.相続税:http://ph-realestate.seesaa.net/category/5389384-1.html によると20%が最高税率である様子。だからこそ、国土の約半分を10数家族が所有すると言うような大土地保有制度が存在し得るのだ。日本は、平成15年に最高税率70%が50%に引き下げられている。 全体を見ればいかにも富裕層優遇の税制だ。日本もかなりひどい富裕層優遇の税制になりつつあるが、フィリピンの税制はそれがより徹底されてい、階層性の強化が自動的にできるようになっている。 フィリピンは昭和の40年代までは日本よりも大学進学率が高かった。ただ、大学教育の中身は伴っていず、大学はdiploma-mill(卒業証書を生み出す粉ひき機)と呼ばれていた。今では大学進学率10%台に落ちている。多分、フィリピンで大学進学率が高かった時代は、太平洋戦争の記憶がまだ多くの人に残っていて、格差社会がおかしいと言う意識を多くの人が持っていたのではないだろうか。そしてそういった意識を持つ人々をつぶすために学歴が使われたのだろう。学歴というちょっとした宝物を得た代わりに、フィリピンの人々は本来の意味での社会の平等性というものを取り上げられてしまったのだ。 今、日本の税制はフィリピンの税制に近くなりつつあるように見える。そして、現在の日本の大学教育もかなり中身のないものになりつつある様子だ。日本の格差社会化がこのまま進めば、貧困層がどんどんと増加し、結果的に大学進学率もフィリピンと同様10%台にまで落ちるのではなかろうか? だからこそ、日本において消費税増税は止めたほうが良いし、できれば消費税は廃止して、本来あったぜいたく品対象の物品税の復活と所得税の累進性の強化が本来採用するべきものではないだろうか? *6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<24>>
典型的な植民地フィリピンの税制
国際航空・海運輸送 3%
水道、ガス 2%
ラジオ、テレビ放送 3%
海外通信 10%
銀行業務 0%〜7%
保険業務 5%
娯楽産業(遊興税) 10%〜30%
競馬 4%〜10%
株取引 0.5%〜4%
以上引用終わり。
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