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(回答先: 「外国人が日本の国民年金受給者より多額」 生活保護受給世帯の増加で浮かび上がる問題点 投稿者 gikou89 日時 2010 年 6 月 21 日 14:08:36)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100618-00000301-cyzoz-soci
──日本の"密航"報道では、“裏社会”の問題として、暗躍するブローカーやその暗躍事情ばかりが、スキャンダラスに取りざたされてきた。しかしなぜそこまでのリスクを犯すのかに言及している記事は少ない。そこで、今急増しているという韓国からの密航とその背景を追った。
昨年2月末、警視庁は、東京で韓国籍の男2人を窃盗容疑で逮捕した。彼らは、過去に武装スリ団のメンバーとして窃盗を繰り返し服役後、国外へ強制退去処分を受けていた。その後、「日本でスリは簡単」と味を占め、再び日本に密入国したのだという。被害は少なくとも38件、約800万円に上る。
こういった外国人の犯罪自体は、誰もが一度は目にしたことがあるだろう。だが、この事件の背景には、「密入国・密航」問題が垣間見られる。
密入国とは、非合法な手段で入国することで、不法入国ともいう。密航は、密入国の手段のひとつで、正式な渡航手続きを経ずに船や飛行機で外国へ航行することだ。また、正規の手続きを経て入国しても在留期間を超過してその国に残っていることを不法残留(オーバーステイ)という。
密入国の方法は、大きく分けて、1.「偽装結婚」による入国 2.「偽造旅券」による入国 3.「改造船舶」による入国の3パターンがある。その具体的な方法については、当特集【2】のコラムを参照してもらうとして、ここではその現状を追いたい。
まず「偽装結婚」は、かつては「蛇頭」(詳細は当特集【2】)のような大組織のバックアップなしでは成立しない方法だったが、現在では、密航のブローカーが日本人に持ちかける“裏バイト”の一種としても知られており、個人的に実行されることもある。(実際に筆者も声をかけられたことがある。そのときには、偽装結婚をする日本人男性を一人紹介するだけで30万円の報酬を持ちかけられた。)この背景には手続きに必要な知識がインターネットでも入手できることに加えて、日本の行政書士が暗躍していることも問題となっているという。裏社会に詳しいジャーナリストA氏は語る。
「警視庁は昨年10月、06年以降の外国人の偽装結婚や不法就労事件のうち、少なくとも10件で、在留資格の不法取得手続きを行政書士が代行していたと発表しました。ただ、入管法では虚偽の申請に対する罰則規定がないため、その行政書士は刑事処分の対象にならなかった。
こうした法律の盲点を突いた手法ですから、歌舞伎町や新大久保など中国人や韓国人が多く集まるエリアに配布されている新聞やフリーペーパーに、『不法滞在者用の在留手続き』や『密入国者の結婚手続き』の代行を宣伝する広告を、堂々と掲載している行政書士もいるぐらいです。ネットで『結婚ビザ』と検索してみても、いまだにたくさん出てきますよ(苦笑)」
続いて「偽造旅券」による入国だが、07年11月に全国の空港や港に配備された「外国人個人識別情報認証システム」により、入国者の指紋と顔の画像データ、強制退去の履歴も照合できるようになった。そのためパスポートの偽造が通用しなくなり、密入国者の検挙に一定の効果を得ている。システム自体もスキャナの精度を高め、偽造による密入国は、ほぼ不可能になりつつある。こうした取り締まりの強化により、密入国の方法として増加しているのが、三つ目の「改造船舶による密航」だ。
昨年6月には対馬沖で、韓国籍の男女10人が乗り込んだプレジャーボートが発見されている。ほかにも同年7月3日の未明に長崎県壱岐沖で猛スピード走行する小型船が発見され、海上保安庁により捕ばくされた。韓国籍のこの船は、ハングルの船名を記したテープをはがして、日本船に見えるよう偽装していた。
さらに、密航の手段で貨物船が使われることもある。たとえば、昨年6月に、貨物船で密入国した韓国籍の男2人が逮捕された。彼らは前年の12月に釜山港から出航した貨物船に乗り込んできたのだった。逮捕時に「飛行機で入国すれば、指紋を採取されてばれると思った」と供述している。実は、以前に10 年以上のオーバーステイをした挙句に強制退去処分を受けていたため、通常のルートでは入国が不可能だったのだ(現在、日本政府は韓国人に対し、90日以内の、ビザなし渡航を認めている。ただしオーバーステイすると5年〜10年の入国制限がかかり、滞在中に強盗などの罪で刑事処分を受けると二度と日本へ入国することができない)。
このケースでは、密航者が船員の上陸許可証を借りて上陸する手口が使われている。08年に山口県宇部市で発覚した韓国籍の貨物船エバーマサン号では、密航者がブローカーに1000万ウォン(約80万円)を支払ったことが裁判の過程で判明した。この便では、密出国者を韓国に運ぶことも請け負っていたという。その際、成功報酬としてひとりにつき11万円ほどを船員に支払っていたことが明らかにされた。
このように密入国のパターンとその変遷から、その手口が大胆かつ巧妙化している傾向が読みとれることだろう。
■中国・蛇頭組織に代わり韓国ブローカーが暗躍
これまで日本の報道で注目を集めてきたのは、中国人の密航と、それを手助けする犯罪集団「蛇頭(スネークヘッド)」だった。蛇頭とは、中国から日本やアメリカなどの外国への密入国をビジネスとして行う密航請負組織のこと。世界中にネットワークを張り巡らせ、密航者の勧誘や搬送、不法就労のあっせんなどを行っている。裏社会に巣くう"ブローカー"として、日本の裏社会とのつながりが時におどろおどろしく語られ、密航とイコールで結ばれがちなこの集団だが、蛇頭の顧客は、あくまで中国人であり、すべての密航事件が蛇頭と関係があるわけではない。一方で、韓国からの密入国者数もすでに無視できないところにまできているという。
「07年の外国人個人識別情報認証システム導入により、蛇頭の様な大組織は、少し動きを押さえています。その代わりに、半分素人に近い、韓国の小規模ブローカーが、船舶を使った大胆な密航を展開しているのです」(前出A氏)
総務省の発表によると、昨年度の調査では、日本国内に不法残留している外国人は約9万人と推測されている。そのうち中国人は約1万3000人、韓国人は約2万1000人だという。だが、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)違反で実際に摘発されたのは、3万2000人に過ぎない。内訳は、中国が約9500人とトップ、次いでフィリピンの約6300人、韓国は約3900人となっている。これらの数字だけを見ると、密入国と日本残留に成功し、違法に滞在している割合では、中国より韓国のほうが高い。
この数値をもとに密航事件の現状やその対処法、各省庁との連携などについて、警視庁や海上保安庁、東京入国管理局など、関係各所に取材を申し込んでみたところ、「ホームページ(もしくは官報など)で発表されている以上のことは、答えられません」と言われるにとどまった。この数字に対して前出のA氏は、別の見方を提示する。
「関係機関の統計は、実態に沿った数値ではなく、あくまで発表できる数だけです。押さえなければいけないのは、官公庁が示している数値だけを見ていると、摘発数や不法残留者の数だけが示されていますが、見つからずにうまく密入国し、潜伏している者もいるということ。摘発に至っていない不法残留者は、数倍に及ぶでしょう。」
■極端な格差社会が密航に走らせる
では、なぜ韓国人の密入国者の数は増えているのだろうか。法務省のデータを見ると、韓国人の不法入国者の摘発件数は、増加傾向にある。
韓国人の密入国者急増の背景には、同国における社会構造の歪みがある。その歪みとは、格差の拡大だ。07年の世界的な金融危機により、通貨のウォンが大幅に下落。もともと貿易立国だった韓国の経済がこれにより大打撃を受け、貧困層が急増した。いわゆる韓国通貨危機である。
この影響により「円高ウォン安」が進行し、現在のところ1ウォン=0・08円(10年5月現在)となっている。つまり、日本でなら、韓国で働くよりも効率よく大金を稼ぐことができる。しかも日本では、外国人が、不法残留や密入国を犯しても殺人や障害など重大事件を犯さない限りは、国外退去処分で済む。このため我々が考えるよりもリスクが小さいのだ。これがたとえばアメリカなら、規定では、10年の再入国禁止となっているが、10年以上たっても記録が残っている可能性が高く、半永久的に再入国ができない。
また、韓国の学歴社会も格差の拡大に影響を及ぼしている。
「韓国では学歴が最も重要。いい大学を出ないと、ろくな会社に就職できない。いい会社に就職できなければ、給料も安く、きつい仕事しかありません」(韓国在住の教育関係者Mさん)
Mさんが言うように、韓国の学歴社会はつとに有名だ。しかしたとえ何十倍という競争率を乗り越えて大学入試を突破しても、金がなければ、その後の学歴社会を勝ち抜くことはできないという。
「せっかく国立大学に入学しても、学費が払えなくて休学することは、まったく珍しくない。そうなると結局貧困層はそこから抜け出せず、負の再生産が起こるのです。逆に国内の大学に入れなくても、お金があれば欧米に留学して、英語能力と卒業証明書などを取得すれば、欧米大好きな韓国企業では、もてはやされる。金さえあればなんとでもなる、というのが韓国の格差の現状なのです」(同)
さらに現在の韓国は極端な就職難でもある。韓国系企業に勤めるKさんは、韓国の就職事情についても日本とは比べ物にならない格差があるという。
「学生が大企業に就職できずに、数年間、就職浪人を繰り返すこともよくあります。これは大企業とそれ以外では、格段の差があることが原因です。一流企業に勤めていれば、30代でも月収100万円以上という話も聞きます」
加えて、「韓国は表向き法治国家だが、実際には権力者や金持ちの意向が法令よりも優先する社会体制、つまり人治国家といわれています」(Kさん)という背景もあり、貧困層は「負の連鎖」からはい上がるのに手段は選ばないようになる。そこで浮上するのが、日本への密入国なのだ。こうした韓国の経済格差がなくならない限り、あらゆる手段を駆使した、密入国が減ることはないだろう。
(取材・文/丸山佑介)
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