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【日曜経済講座】
◆さらなるデフレの危険性
菅直人政権も民主党も、消費税増税に傾いている。野党の自民党は消費税率を10%にせよ、ともっと踏み込む。ギリシャ財政危機の惨状にあわてふためき、財政規律を確立して「市場の信認」を得るようにしようというわけである。だが、ちょっと待てよ。増税しても財政が健全化するとはかぎらない。金もうけのためなら、国を売ることも辞さない投機家がリードする「市場」が静かになるはずもない。
一国の経済というものはヒトのからだと同じような生き物である。一部分を下手にいじると全体の調子が狂い、ついには死病にかかる。
ところが、財務官僚は経済実体よりも単年度の予算のたし算、引き算にばかり神経をすり減らすのがならいである。増税すれば税収が増え、財政が健全化する、とこのエリートたちが考えるのを責めても仕方あるまい。不可解なことに経済学のプロであるはずの学者の多くが増税に賛同する。メディアも世論も後を追う。そこで政治家がその言いなりになったら、日本全体が大災厄に見舞われる。
バブル崩壊後の不況から立ち直ってきた1997年度、ときの橋本龍太郎首相は消費税率を3%から5%に引き上げた。この結果、98年度の消費税収は、96年度に比べ4兆円増えた。
ところが、所得税収は2兆円、法人税収は3・1兆円の減収となり、消費税増収分は吹っ飛ぶどころか、アシが出た。日本は物価が下がり続け、物価下落以上の速度で所得が落ち込んでいくデフレのわなにはまったからだ。デフレから抜け出せないま、2008年には世界金融危機「リーマン・ショック」の荒波を受け、一般会計全体の税収はデフレ前に比べ15兆円も減った。菅首相には、このグラフをよくみてもらいたいところだ。
◆米国は既に方向転換
増税論を勢いづかせているのが、「市場の信認」というカラ念仏である。白川方明日銀総裁もこの常套(じょうとう)句を使い、「財政規律」を目指せと連呼する。確かにごもっとも。だが、いったい「市場」なるものの正体とは何か。
市場とは、古典経済学の元祖であるアダム・スミスも、現代経済学の巨頭であるJ・M・ケインズも投機の場だと見てきた。英語の投機はラテン語の「斥候」という意味から発している。古代ローマの時代から、投機とは相手のスキを偵察し、金もうけすることである。現代の投資ファンドや証券ディーラーは、運用規模を膨らませると同時に、材料を探しては売買を盛んにすることで莫大(ばくだい)な利益をむさぼる。
投機を容易にするのが、損失のリスクを引き受ける保険にしたのが「デリバティブ(金融派生商品)」である。ヘッジファンドという投機家集団により天文学的に増殖したデリバティブが突然消えたから、世界金融危機が起きた。そこでさすがに、市場の本家である米国でも金融界の大御所、P・ボルカー元連邦準備制度理事会(FRB)議長の提唱で、ヘッジファンドを対象にした市場規制に乗り出そうとしている。米国は「市場の信認」を気にするどころか、市場を押さえつける方向に転じている。
◆日本国債相場は安定
日本政府や日銀関係者、さらに有力経済メディアも実に自虐的である。
「公的債務残高が国内総生産(GDP)の2倍近くにもなる日本は市場の標的となり、ギリシャの二の舞いになる」と盛んに警告する。ところが、現実は逆で日本国債は買われ続け、長期金利は下がっている。
日本国民が国債の95%を安定保有しているだけではない。日本は、対外投資収益でも黒字を増やしている世界最大の債権国である。経常収支が大幅な赤字で国債の7割を外部に頼るギリシャを重ね合わせようとは、世界の投機家も思ってはいない。それなのに、自ら「わが国債は暴落するぞ」と騒ぐ。「オオカミよ、来い」とでも言うのだろうか。
米国の場合、ギリシャ危機に端を発したユーロ圏の動揺とともに、世界の余剰資金がドルに回帰している。赤字国債を大量増発している米国が投機家の「信認」を受ける。米国は泰然として、デフレ回避のためにドル札を垂れ流し、需要喚起のために財政支出を増やし続けている。目標を明確にしたぶれない政策に市場は従順だ。
こうみると、増税によりデフレ病を悪化させることの方が恐ろしい。上記の通り、国債相場は日本国民が見放さない限り安泰だろうが、株式は外国勢の投機攻勢にさらされている。デフレのために、国内の企業収益基盤は弱い。頼りは外需だが、円高になれば収益は一挙にしぼむ。そうすると円と日本株をたたき売り、売却益を稼ぐ。日本はそんな「市場」に翻弄(ほんろう)され、疲弊していたのがこの20年である。
増税は日本にとどめを刺す。与野党はこの一点を肝に銘じるべきだ。(編集委員・田村秀男)
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コメント
マニュフェストを翻訳するとウソ、或いは詐欺という言葉がでていますが、今の民主党をみていますとこれまた真実かなとも感じます。
全会の衆議院選挙のマニュフェストにしても政権をとり一年またたぬうちに腰砕けとなり、菅新政権の姿をすでに政治主導ではなく、官主導、自民党のカーボンコピーなど政権交代にて政治の世界が変わると期待していた有権者にがっかりさせられているのが本当ではないのかとも感じています。
しかし、菅政権が誕生したことにより、人材は、反小沢陣営のシフトをしたようですが、内容は前自民政権に戻るのような性質を持ち、かつ、政策実行音痴ぶりもみられ、本当に菅民主党の支持率が高いのかとも信じることが難しいようです。
国の借金にしても借金があるのと同様、資産もあるわけであり、その資産の実態が、どうなっているのかも民間企業のようには見えてきません。
対外資産にしても大使館などの派手な素行などがちらほら聞こえてきますが、それとて国民にはあまり見えてきません。
日本の財政が悪いならば、まずは政官から律するべしとも感じるのですが。
国民に痛みをとよく発言する政治家もいますが、その国民の中に公務員もいることはたしかですが、公務員とその他の国民の痛みに格差が見られている以上、政府が増税なりなんらかの痛みを伴う改革をするにしても自らを律するということをまず実行する政府をつくることが有権者の役目なのかもしれません。
国、地方などの官の人件費削減などは、労働基本法の付与などの真偽などをしなくてもすぐに実行でき、議員の削減なども多くの議員が提唱しているわけですからすぐにでも実行できるはずです。
まずは、今の民主党のような腰砕けの菅新政権に期待するのではなく、やはり、実行せよという有権者の声をとどろかせるために民主党を惨敗させた方がいいとも感じるのですが。
この掲示板も同様ネットの世界では、小沢人気もまだ存在しており、菅政権は批判しても小沢期待で民主党に支持する有権者も多いようですが、先の9月の政変を期待しても期待倒れとなる可能性が大きく、また、民主党が参議院で単独過半数をとったならば、増税の時は選挙で真を問うとはほざいていますが、そんな言葉今までの民主党政権をみていれば簡単にひるがえします。
参議院で民主党が負ければ、衆議院選挙などは、近くなり、政治家に対して実行力というのが今後の課題となり、マニュフェスト=嘘ということが政治家自身の危機にもなりうるのかなとも感じますが。
本来は、有権者は、政治家に対してそういう危機感を与えることが必要かなとも感じます。さすれば、人材の入れ替わりが激しくなり、実行力のない、或いは調整力もなく、支持組織団体べったりの議員などは、自然と排除されていくような気がするのですが。
日本の大手企業にしても新人社員の採用などは、日本人だけでなく外国人採用も増えてきているとの報道もあり、今後その比率にしても外国人採用が主として多くなりつつあるのかなとも感じます。
今後の政府の役目は、大企業に対しては自立させ国内の中小零細企業の成長、発掘に力を入れるべきではないかとも感じられます。そのためには、国内に投資する企業を優先させるということです。
政権発足後に真っ先に経団連などに挨拶にいった菅政権というのは、その部分から間違っており、この先に菅政権に期待する物は、日本に住む有権者にとっては、何のメリットもないと感じてくるのかなとも感じます。
官僚主導の政治であっても日本国民にとって大きな益が目に見えれば官僚批判、官僚改革などの声などでなく、そのような声が大きいということは、多くの国民が今まで痛み目にあいつつあるというのが実態として感じているからではないでしょうか。
そういう意味では、たとえ偏差値秀才の集まりでも増税というテーマがでてきたのですから、みずから有権者の多くが納得する姿勢をみせてもらいたいものですが。
当然国家公務員よりも優遇されているといわれている地方公務員にとっても同様であり、菅の改革も必要ですが、さらなる官の改革も必要なのかもしれません。
大阪府などのように人件費を府知事の交渉で削減したかもしれませんが、まだまだ手当などの費用は高く、国、市町村の財政改革が必要だと感じられるならば公務員に対しても血反吐をはくくらいの大幅な削減が必要だと感じるくらい有権者は攻め立てるべきなのかもしれません。
その削減した費用を予算として公務員を含む有権者に使い、レバレッジをうむような政策を実行し、国自体のGDPをあげることを検討してもらいたいものですが。
一番いいのがどの国からも日本のような国になりたいと思えるような国の形にすることかなとも感じますが。
民は、裏切られても裏切られても反抗しないというのはあまりよくない傾向なのかもしれません。
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