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応益負担の受け入れ具合を示すであろう次期参院選(KlugView)
2010/06/18 (金) 12:21
6月17日、菅首相は参院選マニフェストを発表する記者会見にて、消費税率の引き上げを言及しました。菅首相は、当面の消費税率として「自民党が提案している10%を一つの参考にさせていただく」と述べています。
今年度の一般会計予算において、国債による収入が歳入総額の48%を占める状況ですから、通常の考え方をすれば、歳出を削減するか、歳入を増やす方策を考えるのが、政権の仕事と思われます。
民主党は、鳩山政権発足当時、歳出の無駄をなくすことが先決として、消費税率の引き上げを当面は見送る方針でしたが、国民の多様な声を考慮しようとすると、どうしても歳出削減は難しく、歳入を増やさざるを得ないと判断を変えたのでしょう。
マスコミなどは、菅首相が当面の消費税率を10%とした根拠が不明確だと批判しています。たしかに菅首相は、「自民党の提案を参考にして」としただけで、消費税率の水準を10%としていますから、根拠があるとはいえません。しかし、学界の議論ならともかく、政治の世界ですから、税率の決め方の根拠を明確にすることは、政治家の本質的な仕事ではないと思われます。むしろ、消費税率で歳入増加を試みることの是非や、歳出削減のあり方に目を向けない姿勢などを批判の対象とすべきでしょう。
一部政党などからは、消費税率を引き上げるとともに、法人減税を実施しようとしていることに反発する声が上がっています。ただ、現在の日本経済の問題点は、低成長にあるわけで、多少なりとも法人減税を実施することで、付加価値や雇用を創出する法人の活動を刺激付けすることは、筋の悪いこととは思えません。
消費税率を引き上げることで(いわゆる)庶民感情を損ねることを危惧する政治家も多いようです。しかし、歳出が拡大している背景の一つに社会保障関係費の拡大があります(今年度一般会計予算での社会保障関係費は、前年度当初予算と比べて9.8%(2.4兆円)も増えています)。社会保障関係費のほとんどは、国民がメリットを享受するものですから、応益負担の原則から考えれば、法人税よりも消費税や所得税でカバーするのが自然です。
来月実施予定の参院選や次期衆院選は、消費税率の引き上げの是非だけではなく、日本国民が応益負担の原則をどこまで許容するかが試されているイベントのような気がします。政府から貰えるものは歓迎するが、負担が増えるのは嫌だ、と考える方が存在することは否定しませんが、多くの方は、得られるメリットに応じて負担する(応益負担)に対して理解を示すのではないでしょうか。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
今年度一般会計予算での社会保障関係費は、
前年度当初予算と比べてどれくらい増えている?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
2.4兆円
http://www.gci-klug.jp/klugview/2010/06/18/009766.php
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