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マネー縮小による景気後退も織り込み始めたユーロの下落(KlugView)
2010/06/11 (金) 14:48
最近になって、欧州の銀行においてリスクを回避する姿勢を強めています。銀行が欧州中央銀行(ECB)に預ける翌日物預金残高は、6月10日に3,690億ユーロ(約40兆6,000億円)と、1999年のユーロ導入以来、最大規模となっています。
欧州の銀行間での資金のやり取りに適用される金利(欧州銀行間取引金利・EURIBOR)は、3カ月物で0.715%と、昨年12月中旬以来の高水準となっています。また1年物は1.269%と、昨年9月以来の高水準となっています。ECBに預ける翌日物預金残高の金利は0.25%ですので、資金に余裕がある銀行であれば、(期間の違いこそあれ)EURIBORで貸付ける動きが強まってもよさそうです。
ECBの翌日物預金に銀行の資金が集まり、EURIBORが高水準にある理由として、欧州の一部銀行での破綻リスクの高まりが指摘されています。
南欧向け債券を大量に保有するスペインの銀行は、南欧向け債券価格の急落(金利の急上昇)によって多額の損失を計上し、破綻の危機にあるとされています。このため、スペインの銀行などは、欧州の他銀行から資金を調達することが難しくなり、資金が余った欧州の他銀行は、ECBに資金を預けているとみられています。
ECBの翌日物預金残高が積み上がっている別の理由として、昨年7月に実施されたECBの1年物オペが7月1日に満期を迎えることが指摘されています。銀行が返済する規模は4,420億ユーロと規模が大きいため、欧州の銀行は、あらかじめ返済原資をECBに預けている、という考え方です。
理由がどちらにせよ、銀行の資金が銀行間取引にまわらず、ECBに滞留している状況は、経済成長を抑制させます。資金の供給源となるべき銀行が、銀行にすら資金を融通せず、中央銀行(ECB)に資金を回している状況では、市中に流通する資金量(マネーサプライ)が縮小し、経済活動が萎縮する可能性が高まるからです。
ユーロ圏のマネーサプライ(拡大M3)は、4月に前年同月比0.1%減と、3カ月連続のマイナスを記録しています。欧州銀行が銀行への資金供給を渋る姿勢が続くようであれば、すでに縮小を始めているマネーサプライがさらに大きく縮小することも考えられます。
為替市場ではユーロ安に歯止めがかからない状況です。為替市場は、ギリシャを始めとするPIIGS諸国のデフォルト懸念だけでなく、資金制約を背景としたユーロ圏経済の縮小を織り込んでいるのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
7月1日に満期を迎えるECBの1年物オペにおいて
銀行が返済する資金規模はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
4,420億ユーロ
http://www.gci-klug.jp/klugview/2010/06/11/009697.php
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