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(回答先: 問い合わせ殺到の「人民元預金」“持ち出し制限”の落とし穴 投稿者 gikou89 日時 2010 年 6 月 07 日 09:53:49)
http://diamond.jp/articles/-/8339
ギリシャの財政問題に始まった今回の経済的混乱は、資本市場に大きな影響を与えた。本稿執筆の時点では、日経平均も、ニューヨークダウも1万の大台を割り込んでいる。リーマンショック以降の一連の危機ほどではないが、今回の変動で損を被った投資家は少なくないだろう。
一方、こうした「危機」を感じさせるイベントが起こったときに、妙に活性化する一群のビジネスがある。
一例を挙げよう。運用で失敗して大きな損を抱えた厚生年金基金があるとすると、この基金が「損を取り返そう!」とする気持ちをビジネスチャンスととらえる人たちがいる。たとえば、ヘッジファンドだ。彼らは「株価とは相関の小さい運用として」とか「株価の下落でも収益を上げることが可能な投資戦略」といった甘言を弄して、行き詰まった年金基金の担当者を狙う。総合型基金(同じ業種等の企業が多数集まってつくっている基金)の場合だと、解散も掛け金引き上げもままならないケースがあり、しばしば、「最後のひと勝負」に打って出る(本当はリスク運用をやめて、基金解散を模索するほうがよいのだが)。
行動経済学は、損をしている場合に人間がリスクのより大きい状態を好む傾向があることを指摘しているが、ヘッジファンドの提供者側から見ると、大損を抱えた年金基金と運用担当者は、格好のマーケティング・ターゲットだ。
官庁も広義のビジネスだと考えると、なんとしても「増税」を行いたい官僚たちの意を受けて、「日本の財政はギリシャ並みかそれ以上に悪い」とあおる宣伝が盛んだ。
日本財政に問題がないとはいわないが、それは当面、財政赤字よりも非効率的な財政支出のほうだ(民主党公約の公務員給与の2割削減はどうなったのだろう?)。
今回のような短期間で顕在化する「危機」は、市場参加者が何を考えているかに関して有力なテストになるが、これまでのところ、危機の発生後、日本の長期国債利回りはむしろ低下しているし、日本円の為替レートは、対ユーロばかりでなく、米ドルに対しても上昇した。市場の動きから見る限り、官僚たちの当面のニーズにとって残念かもしれないが、政府の債務である日本国債や日本円に対する市場の信認は思いのほか厚い。
危機感をあおって空売りで大儲けするには、日本の国債は対象としてあまりに大きいし、次から次へと大口の買い手が現れる構造が、将来はともかく、現在はある。
財政危機をあおって目的を達したい主体は、財務省以外にもある。たとえば、プライベート・バンカーたちだ。彼らは、日本の個人の資産を、預金や国債から引きはがして、海外での手数料の高い資産運用に持ち込みたい。
つい数年前まで、大銀行が倒産するとか、個人の預金が封鎖されて相当額が切り捨てられるとか、日本が財政破綻してハイパー・インフレーションに見舞われるといった「怖いストーリー」を語って(時には本を書いて、セミナーを使って)、高手数料のサービスに資金を誘導していた。
生命保険や健康食品のような利幅の大きい商品を売る際には、顧客にまず「大変だ!」と思わせて、その解決策として商品を売りつけるのがマーケティングの常道だ。
しかし、今回、彼らが大好きで、日本円から多額の資産を誘導してきたユーロと欧州経済がぼろぼろになったことはお気の毒だった。
いずれにせよ、顧客の危機感につけ込んで恐怖と一緒に売る商品にろくなものはない
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