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(回答先: 政局不安の株売りシナリオ消えず、政策実行力がポイント 投稿者 gikou89 日時 2010 年 6 月 03 日 00:12:41)
http://japan.techinsight.jp/2010/05/oyakata201005310412.html
唐突だが、900円のカレーライスと1000円のカレーライスはどっちがお得かは誰でもわかるだろう。味に差がないなら900円のほうがお得である。
では、9000億円の税金のムダ遣いと1兆円のムダ遣いでは、どっちが悪質であるかわかるだろうか。もちろんよく考えれば、わかる話であるが、国民の生活実感からかけ離れた金額というのはにわかに判別が付かないものである。場合によって9000億円のほうが多く感じることがある。これを桁繰り上がりのマジックと呼ぶ。
先日、政府の行政刷新会議が、国の関与の強い公益法人などを対象に行った「事業仕分け」が終わった。今回対象となったのは、国が所管する6600法人のうちの70法人82事業で、このうち38事業が廃止と判定された。
非常にサクサクと仕事をして、お役所と公益法人の癒着にメスを入れているようには見える。
しかし、法人数にして全体の1%を対象としたに過ぎず、ムダ遣いとして告発された金額は数千億円である。もちろん大金であるが、国家予算全体の規模から見て、数千億円は大して大きな数字ではない。
数千億円という金を削減すれば、大きな節約をしたように見えるのは数字のトリックなのだ。どちらかといえば、官僚の天下り実態の一部をさらしものにして、巨悪を撲滅したように見せるパフォーマンスという意味合いが大きいだろう。
数千億円の増減などは、毎年度の予算要求におけるシーリング(概算要求基準)の中で、調整できる範囲の数字である。もちろん削減された事業を所管する部署にとっては不満であるが、巧妙に別の予算要求内に紛れ込ませてリベンジすればよいだけだ。
天下りを是正すべきなのはいまさら論ずるまでもないが、モグラ叩きのように特殊法人、公益法人を叩いてみても、財政の健全化には大して貢献しないだろう。
むしろ、「グローバルスタンダードは撤回します。国の公益事業を通して富の再分配を推進し、各業界の護送船団方式を復活させ、雇用を創出します。あとは業界調和により末端まで金を回します」とでも開き直ったほうが、国民は納得したのではないだろうか。
お役所関係の数字を読むときには、くれぐれも桁繰り上がりのトリックに騙されないよう注意が必要である。1兆円というのは、10000億円なのである。あるいは1000億円は0.1兆円だ。
頭の中で再計算してみることで、財政健全化の数値指標を明確に比較できるようにしておきたいものである。
(TechinsightJapan編集部 石桁寛二)
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