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株式日記と経済展望
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ソニーが現状維持に注力しているのに対して、アップルは消費者に、
欲しいと思わせるような面白く便利でカッコいい商品を作っている。
2010年6月1日 火曜日
◆上陸したiPadは“Windows 95”以来の黒船か?日本企業がアップルに勝てない本当の理由 6月1日 真壁昭夫 [信州大学教授]
http://diamond.jp/articles/-/8287?page=3
得意のPCに固執しない柔軟さが功奏!
大ヒットを生み出すアップルのカルチャー
かつて、「アップル社と言えばPC」というイメージが強かった。しかも当時のPC市場では、IBMなどの有力メーカーが高いシェアを持っており、アップルはどちらかというと独自の路線を歩む、いわばニッチ的な存在と見られていたのではないだろうか。
そのアップル社が、IT業界のカリスマの1人であるスティーブ・ジョブズ氏の下で、携帯音楽プレイヤーであるiPod 、多機能携帯電話iPhone、さらには新型情報端末iPadと、業界の勢力図を大きく変えるような大ヒットを飛ばし続けた。
その背景には、2つの要素があると言われることが多い。1つは、PCそのものに固執しなかったことだ。アップルがPC業界のシェアを上げようとすれば、IBMなどとの熾烈な競争に陥って体力を減衰することになっただろう。
そこでアップルは、情報・通信関連の携帯を1つのコンセプトにした事業展開へと、積極的に移行していったのだ。それだけ同社には、自由なフレキシビリティと経営戦略的な視点が備わっていたということだろう。
もう1つは、スティーブ・ジョブッズのリーダーシップだ。もともと同氏には、賛否両論様々な指摘がある。ただ1つ確かなことは、同氏の強烈なリーダーシップの下で、アプルがマイクロソフトからIT業界の盟主の地位を奪うほどの企業に成長したということだ。
同氏の“現実歪曲空間”と言われるほどの強い個性が、画期的な新商品を生み出す原動力になったことは間違いないだろう。合議制や多数決のような民主主義的手法ではなく、1人の独裁者の力によって、今まで世の中に存在していなかったアイディアやイメージに息吹が吹き込まれ、それが多くの人々の購買意欲を刺激したのである。それが、アップルの真骨頂と言えるかもしれない。
技術力は高いのに「周回遅れ」に?
日本企業が自覚すべきはソフト面の弱さ
そうしたアップルの動きと比較すると、わが国企業、特にIT関連分野の企業は、取り組みの遅れが顕著だ。IT業界のアナリストの1人は、「残念だが、わが国企業は周回遅れになってしまった」と溜息をついていた。今回のiPad上陸は、1990年代に日本のIT環境を一変させた「windows 95」以来の衝撃になるかもしれない。
◆【現地記者に聞く】アップルとソニーは異質な企業 1月25日 WSJ
http://jp.wsj.com/IT/node_25525
WSJ日本版:スティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)の経営スタイルはどんなものですか?
ケイン記者:ジョブズCEOは極めて大きな影響力を持っていて、社内でも恐れられている存在だと聞いています。ジョブズCEOに間違ったことを言ってしまったためにクビなりそうになった社員の話などはよく聞きます。完璧主義者なので、その要求に応えられないと、社員はつらいようです。気性も激しく、近くの人間が怒鳴られたりするのは日常茶飯事らしいです。
有名な話ですが、アップルの社員はジョブズCEOとエレベーターで鉢合わせするのを非常に恐れていると言われています。何か誤ったことを言って、目的の階に着くまでにクビにされるかもしれないという恐れからのようですね。
また、社外に情報を漏らすこともご法度なので取材はとても難しいです。
彼の影響力は絶大で、すべてが彼を中心に動いているようです。
彼がいかに社内で影響力を持つかを物語っているのが昨年の出来事かもしれません。ジョブズCEOが肝臓移植のために休職していた間、アップルの社員の間にはいつもよりもリラックスした雰囲気が漂い、自分たちで決断することも多かったと聞いています。
WSJ日本版:1年前まではソニーなどの日本の家電メーカーを担当されていましたが、ソニーとアップルの違いをどう見ていますか。
ケイン記者:ソニーの後にアップルを担当するのは、非常に面白いです。両社は考え方がまったく異なる企業だと思います。(アップルは)新製品の開発をまずソフトウエアから始め、ユーザーの視点に大きな焦点を当てています。
今回のタブレットでも、商品開発の心臓部はコンテンツにどんなイノベーションを起こすか、ユーザーのアクセスの仕方をどう変えていくかというところだったと聞いています。ソニーが現状維持に注力しているのに対して、アップルは消費者に、欲しいと思わせるような面白く便利でカッコいい商品をいち早く与えようと、常に新しい市場の開拓に努めていると思います。
ソニーのハワード・ストリンガー会長兼CEOはそういう精神、意気込みの必要性を理解していると思いますが、それをいち早く可能にできるだけのスタッフに十分恵まれていないように思えます。会社の規模も違いますしね。ソニーはアップルよりもはるかに大きい会社なので、それだけの社員を動かすのは大変だと思います。
もう一つソニーと違う点は、アップルは一挙手一投足まで注目されているということです。アップルに関する否定的な発言に対していちいち反論する熱狂的なファンが大勢いるかと思えば、アップルに関する肯定的な発言にすべて異論を唱える、批判的な人々も多く存在しています。そのような会社を取材する記者は、何をどう書くか読者に細かく分析されます。
でもアップルが業績を確実に伸ばしていることは否定できない事実で、活気のあるとても興味深い会社です。
(私のコメント)
日本は決断の出来ないトップがつく事が多くなるのはどうしてなのだろうか? 年功序列で出世階段を上っていって、2年か4年の社長のローテーションをこなして後任に後を譲る。しかし企業のトップがこのような回り持ちで務まるような仕事なのだろうか? 政治の世界でも年功序列で当選回数を重ねれば総理大臣になれるような仕組みが出来上がっていますが、首相は国の代表であり誰にでも出来るような仕事ではない。
問題は年功序列制度や実力成果主義どちらにも長所と短所がありますが、年功序列主義は大企業などの統制を取るには適したシステムですが、無能な人間でも大過なく過ごせば社長になれる。大企業で実力成果主義を取り入れれば組織として機能不全となりバラバラになってしまう恐れがある。その為には非情なほどの有能な独裁者がトップにつかなければならない。
年功序列では社内の老人たちは大した仕事もしていないのに高給取りであり、若い社員たちは会社を支えているのに低い賃金で働かされる。だから最近の日本企業では若い人がすぐに辞める様になった。高い賃金の中高年者員を切る事は日本の社会では難しい。そのしわ寄せが若い社員に来ているのですが、将来的にそのような会社は危機を迎えるだろう。
経済が成長している時は年功序列は機能しますが、停滞した時代になると無能な中高年社員だらけの活気の無い会社になり、人材もいない会社になって消えて行く。今の日本全体がそんな感じであり、無能な決断の出来ない首相ばかりが続いて停滞から抜け出せなくなっている。
ならば成果主義なら良いのかというと、そんな制度では会社組織がバラバラになって空中分解してしまうだろう。成果主義というのは部長以上の管理職に適用される制度であり、日本では成果主義が平社員から適用されてしまったから失敗した。そうなれば社員同士の足の引っ張り合いで組織がガタガタになってしまう。
アップルがマイクロソフトを時価総額で抜いたそうですが、有能な独裁者のジョブスCEOがいたからなれたのですが、日本ではこのような経営者が出現する事は極めて希だ。日本のような年功序列社会ではこのような個性の強い人物ははじかれてしまう。だからソニーやパナソニックの社内を見回してもジョブスのような人材はまずいない。
だからソニーやパナソニックではiPodもiPhoneもiPadも作る事は出来なかった。技術的には既にあるものを組み合わせただけであり作ろうと思えば作れたものばかりだ。日本企業ではこのようなクロスオーバーした製品を作ることが出来ないのは、事業部制で縦割り社会でパソコン部門はパソコンしか作ることが出来ないからだ。
シャープにしてもカシオにしても携帯端末を作り続けてきたのに、アップルのiPhoneやiPadのようなヒット商品を作ることが出来なかった。かつてのようなデジタル計算機やデジタルカメラを作ってきたような革新的な商品を作ることが出来なくなってしまった。会社全体が中高年化して若者が飛びつくような商品作りが分からなくなってしまったのだろう。
日本もかつてはいろいろなマルチメディア機器を作っては来たがほとんど失敗してしまった。iPadにしても10年前にソニーが同じようなタブレットPCを作っている。今とは技術も環境も違うから失敗したのであり、発想そのものはアップルと同じだった。iPhoneもスマートフォンを本格化させた製品ですが、通話よりもインターネット端末として成功した。
成功と失敗の分かれ目はOSの開発に成功した事にある。パソコンのOSはWindowsですがマイクロソフトは携帯電話用OSで出遅れた。アップルはiPhoneOSの開発でリードしてGoogleのAndroidが追いかけている。インターネットの主役はパソコンから携帯に代わってしまった。日本企業は携帯用OS開発でもカヤの外であり、GoogleのAndroidに依存するようだ。
インターネットはもともとはアメリカの軍事技術でありそれを民間用に転用したものだ。だから日本企業はインターネットには弱い。日本の携帯電話のブラウザは専用のものでありパソコンなどのウェブサイトをそのまま見られるものではない。しかしiPhoneはそのままのウェブサイトを見ることが出来る。もしGoogleのAndroidが無かったならば日本企業はスマートフォンの開発に出遅れる所だった。
もはや技術の中心はOSなどのソフトがカギを握っているのであり、AppleのiPhoneなどは台湾メーカーが作っている。つまりソニーなどの日本企業は台湾や韓国や中国企業などと同じような単なる製造メーカーになり下がってしまって、Appleのような企画立案設計などの機能が弱くなってしまった。技術もハードに偏りソフト開発では下請け任せでは体力は弱まる一方だ。
Appleは一足早くパソコンメーカーからインターネット携帯端末メーカーに変身して、新商品を作り出している。パソコンから携帯の時代に進化しているのですが、経営者たちの判断が遅くなってしまっている。日本企業の製品は多機能で高性能で高価格な製品でガラパゴス化してしまっている。
高齢者でも使えるようなiPhoneやiPadのような説明書の要らない製品を作る発想が無くて、技術者の独りよがりの分厚いマニュアルを見ても操作できないような製品が多い。携帯電話の多機能化も消費者は求めてはいない。ブルーレイ・レコーダーにしても何処から操作していいのか分からないほど多機能化している。消費者が何を求めているのか分からないから独りよがりな製品が出来てしまう。
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