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レポ金利が１週間ぶり水準に低下、銀行の余剰資金運用や日銀供給拡大 ５月31日
（ブルームバーグ）：
短期金融市場では、証券会社の資金調達手段であるレポ（現金担保付債券貸借）の金利が低下した。月末の資金繰りにめどを付けた銀行が余剰資金の運用を積極化したためとみられる。日本銀行が資金供給を拡大していることも影響した。
31日の東京レポレートは、翌営業日スタートの翌日物（トムネクスト物）が前週末の0.129％から0.108％に、２営業日後にスタートする翌日物（スポットネクスト物）は0.130％から0.119％へそれぞれ低下。ともに約１週間ぶりの低水準になった。
前週のレポ金利は、一部証券会社の積極的な資金調達に対して大手銀行が運用を手控えたことから0.135％付近まで上昇した。このため、日銀は約２カ月ぶりに翌日物の国債買い現先オペを再開しており、この結果、前週末28日午後から大手行の資金運用が増えて、レポ金利は急速に低下している。
国内金融機関の資金担当者は、一部証券が国庫短期証券（ＴＢ）の在庫を持ち過ぎたことや大手銀行に資金が偏在したこと、外国証券の資金調達が強まったことなどがレポ金利の上昇につながっていたと分析。日銀が手厚い資金供給を実施した上、銀行も資金繰りが固まって運用を再開したため、市場は落ち着きを取り戻しているという。
月末は資金決済が集中する上、今月はＴＢ３カ月物の発行も重なった。銀行は資金繰りの予想がぶれることを警戒して手元資金を多めに抱える傾向がある。一方、前週のＴＢ入札では証券の在庫が膨らんだ上、欧州の財務問題を背景に欧州系金融機関の間で信用不安が高まった影響もあり、調達金利が上昇しやすかった。
国内証券のディーラーは、当座預金残高が18兆円あれば、さすがにレポ金利も下がると指摘する。日銀は27、28日に翌日物の国債買い現先オペを各8000億−１兆円実施したほか、共通担保オペも増やし、この日の当座預金は18.1兆円と、４月15日以来の水準まで引き上げられた。
国内金融機関の担当者は、今月７日以降のギリシャ危機で為替や株が不安定な動きを続ける中、日銀は即日の資金供給オペを３回実施するなど、国内短期金融市場に混乱が波及しないように、かなり手厚い資金供給で対応しているという。
午後に実施された本店共通担保オペ（６月１日−７日）の平均落札金利は0.110％、全店共通担保オペ（６月２日−７月６日）の平均金利は0.119％だった。
新型オペ残高の積み上がり
当座預金残高が増加している背景には、３カ月物の資金を0.1％で供給する新型オペの残高が積み上がっている影響もある。従来の共通担保オペを減らして残高の増加を抑えると、レポ市場への資金の巡りが悪くなり、共通担保オペに依存している証券の調達金利が上昇しやすい。
この日も新型オペ8000億円（６月２日−９月１日）が実施され、６月２日時点の同オペ残高は18兆4000億円程度と、目標の20兆円に接近している。
日銀が公表した４月30日の金融政策決定会合の議事要旨によると、複数の委員は、新型オペについて「残高が積み上がっていく中で、短期金融市場の取引が縮小し、資金調達の安心感が低下しているとの見方も聞かれる」と指摘している。
議事要旨では、新型オペによる金利低下が金融機関の収益を圧迫し、円滑な資金仲介を阻害する可能性も指摘されており、「市場機能の維持に配慮した運営も必要」としている。
国内証券のディーラーは、無担保コール翌日物金利が誘導目標0.1％から下ぶれする一方、レポ金利は上ぶれし、両者の格差は拡大していると指摘。日銀の裁量で金融調節が判断される部分が増え、調節方針が不透明になったとみていた。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920018&sid=a.qg_MybxvZY
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