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デフレ圧力の高まりにつながるドル高の進展(KlugView)
2010/05/27 (木) 17:27
ユーロ危機が進展する中、ドルがジリジリと上昇を続けています。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表するドルインデックス(名目ブロード*)は、今年5月21日時点で105.32と、昨年(2009年)6月14日以来の高水準となっています。昨年12月1日には99.45を記録しましたので、ドルは約半年の間に5%強上昇したことになります。
*ドルインデックスとは
ドルの価値を指数化したもの。
値が大きいほどドルの価値が大きいことを意味する。
ドルインデックスには、物価上昇率を考慮した実質と、
物価上昇率を考慮しない名目がある。
(名目の方が、一般的な為替レートに近い概念)
またドルインデックスには、26カ国の通貨をもとに算出したブロードと、
主要7カ国の通貨をもとに算出したメジャーの二種類がある。
ドルの上昇は、欧州経済の混乱の裏返しという面だけでなく、米国景気の回復を反映したもの、という見方もあります。米国の雇用者数は、今年になって増加基調が強まっていますし、個人消費も設備投資も好調を続けています。こうした考え方を前提とすれば、ドル高は市場からの信任の表れともいえますので、米国当局者にとって良いことのように思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、米国経済の現状を考えると、ユーロを起因とした足元のドル高は、米国経済にとって、むしろ悪いことのように思われます。なぜなら、ドル高は、米国のデフレ圧力を高めるからです。
すでに米国にはデフレの影がまとわりついています。今年4月の消費者物価指数(コア)は、前年比+0.9%と、1966年1月以来の1%割れを記録しています。連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーによる物価見通しでは、個人消費支出(PCE)コアデフレータの伸びが、今年10-12月期には、1%以下に低下するとの意見が過半となっています。
債券市場でも米国のデフレ懸念を織り込みつつあります。米国10年債利回りは、5月25日に3.06%と、昨年5月18日以来の低水準となりました。世界的な金融不安が背景にあるものの、米国のデフレ懸念が米国債利回りの低下につながったとの見方は根強くあります。
最近の為替市場の動きは、めまぐるしいので、ドル高の流れがこのまま続くと言い切るのは難しいです。しかし、ユーロが売られやすいことに加え、北朝鮮と韓国との軋轢によって日本の地政学リスクが高まりつつあることも考えれば、円も徐々に買われにくくなるでしょう。米国経済の回復が、もうしばらくは続くとすれば、ドル買いがさらに進んでも不思議ではありません。ただ、その場合、米国経済は、デフレ圧力と戦うことになるのでしょう。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
2010年4月の米消費者物価指数(コア)の前年比はどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
前年比+0.9%
(1966年1月以来の1%割れ)
http://www.gci-klug.jp/klugview/2010/05/27/009544.php
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