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第3729回
「中国元がドルと世界を飲み込む日」のご一読を
ベンジャミン・フルフォードというカナダ生まれで、
フリーランス・ジャーナリストとして日本で活躍している人の書いた
「中国元がドルと世界を飲み込む日」
(青春出版社刊 定価本体1400円+税)という本を
大へん興味深く読ませていただきました。
アメリカやヨーロッパの人で、
アジアや中国について正確な認識を持った人はもともと少いし、
更にその中でもアジア特派員になると
全くトンチンカンな人が多い中で、
20代で上智大学比較文化学科に学び、
母国に帰って大学を卒業してから、
更に日本に戻って日経ウィークリーの記者や
「フォーブス」のアジア太平洋支局長を経て、
フリーランサーとして日本のジャーナリズムに生き残れる人は、
私の知っている限りでは先ず見当りません。
ですから本屋で、このタイトルを見た時は
最後まで読み通すのは先ず無理だろうと思いながら、
キャッシャーに向いました。
ところが夜中にベッドの中で拾い読みをはじめた途端に、
これは日本人のエキスパートにも、
いや、中国人にも書けないような
見事な角度からの世界の大きな変化を、
きわめて説得力のあるデータを駆使して書いた本であることに
気づきました。
いま中国に新しく起っていることは
世界中を大きく変えるだけでなく、
やがて中国が
アメリカにとって代わる地位に就くことを裏づけています。
そうなることはもはや時間の問題にすぎませんが、
その場合、取り残された日本に
はたして復活のチャンスがはあるのでしょうか。
著者は若い時から日本に留学し、
長じてからも日本に住んでいるくらいですから、
当然日本には好意的立場にいますが、
最後のところで
「他国によらない日本独自の道がある」
と独自の見解を述べています。
はたしてその通りになるかどうかは本書を一読してから
皆さん、ご自分で考えて下さい。
アジアに詳しい西洋人の近来にない良書としておすすめします。
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