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空洞化の懸念再び 日本車、タイで作り逆輸入 http://www.asyura2.com/10/hasan68/msg/263.html
(回答先: 【コラム】5つのギリシャ神話 2010年版欧州のソブリン債危機に関する5つの神話を挙げている 投稿者 gikou89 日時 2010 年 5 月 24 日 11:25:05) http://www.asahi.com/business/topics/economy/TKY201005160333.html 世界同時不況を引き起こしたリーマン・ショックから1年8カ月たち、企業は業績を回復させています。ただ、工場増設など新たな設備投資の動きは海外が中心で、産業空洞化の懸念が再び出始めています。 日産自動車は日本と英国で生産していた主力小型車「マーチ」を、全面改良する新型から、中国、タイ、インド、メキシコでの生産に切り替える。年内発売の日本向けは、タイからの逆輸入となる。生産コストだけでなく新興国の需要拡大も見据えて、生産拠点を大幅に再編した。 部品メーカーもその動きに続く。自動車向け樹脂部品大手のニフコは昨年11月、世界同時不況で一時中断していたタイでの新工場建設を再開した。桜井健一専務は「日産の生産切り替えは、経済のグローバル化のなかでは当然の流れだ」と語る。 自動車部品大手ヨロズ(横浜市)も4月下旬、中国での第2工場建設を公表した。中国は2009年に世界最大の自動車市場となり、志藤昭彦会長は「今後も内陸部を中心に自動車販売が一気に増える潜在能力がある」と期待する。 経済界は国内生産を維持し、日本経済が成長を続けるためにも、法人税の実効税率(約40%)の引き下げが必要だと主張する。政府の税制調査会でも議論が本格化しそうだが、ある自動車部品メーカーの役員は「政府の税制優遇だけで、企業の投資戦略が変わるか、疑問だ」という。 10年3月期決算では黒字転換する企業が相次いだ。しかし、工作機械大手、牧野フライス製作所(東京)の牧野二郎社長は、すでに多くの部品工場が生産を海外に移し始めた現状から、「日本は大企業から町工場までそろい、効率的にものをつくってきたが、もう崩れつつあるのではないか」と手遅れ感をにじませる。 ■生産回復も外需頼み 日本工作機械工業会によると、工場の主要設備である工作機械の受注は、国内向けより海外向けの回復が急だ。日系企業の海外拠点向けや、中国など新興国の地場企業向けが増えている。 国内への設備投資がこのまま抑えられ続け、産業空洞化が進むと、雇用環境の改善はおぼつかない。内需の増大こそが、空洞化を止める特効薬だが、回復する様子はない。 巨大なプレス機が、地面を震わせるような大音量を数秒おきに響かせる。鉄の薄板が装置をくぐり抜けるごとに、複雑な形に成型されていく。 栃木県小山市にあるヨロズ栃木は、ヨロズの子会社だ。生産する鉄製の部品は、車体と車輪をつなぐサスペンションの一部を構成する。溶接、塗装の工程を経て、日産自動車の栃木工場、ホンダの埼玉製作所などへ送られる。 08年秋のリーマン・ショック後の景気悪化で、昨年の国内自動車生産台数は前年より3割も減り、1976年以来の800万台割れとなった。ヨロズ栃木も昨年1〜2月は1カ月の休日を4日増やし、作業者350人のうち派遣社員100人を同年春までに削減した。 政府が昨年度に始めたエコカー購入補助で新車販売は息を吹き返し、ヨロズ栃木でも昨夏からは残業を行うまでになった。ただ、「稼働率はまだ6〜7割。昼夜2交代で生産するラインは少なく、人を増やせる状況にはない」(生産担当者)。ヨロズの志藤会長は「国内で設備投資を拡大することは考えにくい」と話す。 自動車と同様に生産が回復しつつある電機業界。滋賀県彦根市にある大日本スクリーン製造(京都市)の工場では、電機大手からの半導体製造装置の注文が相次ぎ、30台以上が出荷を待っていた。同じ敷地の別工場からは、大型トレーラーで次々と液晶パネル製造装置が出荷されていた。いずれも1台数億円。半導体製造装置は昨年5月ごろから、液晶パネル製造装置は昨秋から注文が戻り始めた。 だが、その行き先は、世界の電機メーカーから生産を請け負う台湾企業が目立つ。「積極的に投資をしているのは海外メーカーばかり。日本企業の影は薄い」と営業担当者は話す。 ■衣類・家電に続き、車も 産業の空洞化は、これまでも繊維や電機など様々な産業で発生。衣類や家電はすでに海外からの輸入品が主流になり、「メード・イン・ジャパン」は少数派になった。主力輸出品の自動車にも波はおよぶ。車の組み立て工場の消失は一つでもその影響は計り知れない。部品点数が多く、関連産業のすそ野が広いからだ。自動車部品メーカー首脳は、日産マーチの動きから目を離せないという。「タイから逆輸入する新型が日本の消費者に受け入れられれば、空洞化は止められないだろう」(橋本幸雄) ◇ 〈メモ〉企業の生産活動の水準を示す鉱工業生産指数は、ピークだった2008年2月の110.1から、09年2月には71.4に低下。10年3月も94.0とピークの8割程度だ。設備投資の先行指標の機械受注は、国内の民間企業向け(船舶・電力除く)は08年1月に1.2兆円あったが、昨年11月には約6300億円に低下。今年2月でも約6800億円にとどまる。一方、工作機械受注は09年1月の190億円を底に、10年3月には約760億円まで回復したが、伸びているのは海外向けだ。
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