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ユーロ暴落の真相ギリシャ危機の背後にヘッジファンドの影
http://www.asyura2.com/10/hasan68/msg/175.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 5 月 20 日 02:20:55: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: ボルカー氏の「ユーロ崩壊」シナリオ、可能性低い−英中銀ポーゼン氏 投稿者 gikou89 日時 2010 年 5 月 20 日 02:17:32)

http://moneyzine.jp/article/detail/185144

欧州中央銀行(ECB)が国債買い取りを決定したことで、いったん落ち着きを取り戻すかに見えたギリシャ問題。「ユーロ圏共通予算」という最終的な解決策にはほど遠いようです。今後注意すべきポイントをまとめてみました

ギリシャを救済できないドイツ、フランス、IMF

iPodやグルメ券が当たる 5月7日、ギリシャ救済策をめぐるユーロ圏首脳会議が開催されました。報道では、合意に難色を示すドイツメルケル首相に対し、フランスのサルコジ大統領が机をこぶしで叩き説得したと伝えられました。

 ドイツでは、5月9日、最大の地方選挙であるノルトライン・ウェストファーレン州議会選挙が行われ、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟の与党側が敗北しました。ドイツ国民のギリシャ救済策に対する厳しい態度の前では、そう簡単に譲歩するわけにはいかないという事情があります。

 一方、メルケル首相を説得したと伝えられたサルコジ大統領ですが、こちらも余裕はありません。支持率は就任以来下落傾向が続いています。ユーロ圏の盟主を自負し積極的な発言を行って来ましたが、国内での失業問題など内政問題で失点がかさみ、外交で得点をあげる必要に迫られているのが実情です。

 ギリシャ救済計画の中心である国際通貨基金(IMF)にも圧力がかかり始めています。17日、米国上院は、IMFが加盟国に行なう支援について、融資対象国からの返済の見通しが不透明な場合には反対するという法案をほぼ全会一致で可決しました。国際的な金融危機に唯一柔軟に対応出来ると思われていたIMFに、今後大きな圧力がかかり行動が大きく制約されることが予想されます。

 ユーロ圏の盟主であるドイツとフランスがこのような状況であることから、ギリシャ危機を解決する最終的な方法である「ユーロ圏共通予算」の実現は遠い将来のことのように思えます。また、、融資の主役であるIMFは加盟国から圧力がかかることから、今後の大きな役割を果たすことはあまり期待できません。市場はこれらの状況を理解し、将来のユーロ圏解体に備えてポジションを構築しているようです。

財政赤字の削減と景気悪化
 ギリシャでは、賃金削減や年金カットに反対する公務員によるデモが行われるなど、緊縮財政に対する国民の不満が高まっています。

 そんな中、ギリシャ議会は5月6日に財政再建法案を可決しましたが、財政再建は1年限りのものではなく長期にわたるものなので、どれぐらい長期間国民が緊縮財政に耐え、政府が国民からの信認を得続けることができるかが焦点となります。

 また、財政赤字を削減するということは、政府支出の削減と増税の組み合わせになりますので、国内の景気は間違いなく悪化します。これはギリシャだけの問題ではなく、同様に歳出削減案を出したスペインやポルトガル、ユーロ圏をはずれてイギリスや日本なども同様です。

 サブプライム・クレジッドバブルの崩壊で、需要が大きく落ち込み経済に大きな穴が空いてしまいました。その穴を埋めてきた政府支出が削減されるということで、市場、特に株式市場は、景気の悪化を折り込みつつあります。

ムーディーズの格下げはどこまで?
 4月23日、米格付け会社のムーディーズは、ギリシャ国債の格付けをA2からA3に引き下げ、さらなる格下げを検討していると発表しました。5月14日にも同様の発表を行い、ギリシャ国債の数段階の引き下げを検討していることを明らかにしました

格下げが起こると具体的には何が問題になるのでしょうか


格下げされると、ギリシャ国債が「投資適格債券」から「ジャンク債券」へ転落してしまう可能性があります。一般に「BBB−」以上の格付けを持つ債券を「投資適格債券」と呼び、日本の年金基金を始めとする世界中の投資家が「投資適格債券」を対象として債券投資を行っています。

 もう1社の大手格付け会社であるS&P(スタンダードアンドプアーズ)は、すでにギリシャ国債の格付けを「ジャンク債券」へと引き下げているため、ムーディーズが4段階引き下げ「A3」から「BB+」へ引き下げてしまうと、ギリシャ国債はジャンク債の仲間入りとなってしまいます。もしそうなった場合、「投資適格債券」を投資対象とする投資家は、ギリシャ国債を売却する必要に迫られます。今までギリシャ国債を売却しなかった「投資適格債券」を投資対象とする投資家全員が売りに回ると考えられます。

 ECBがEU加盟国の国債購入計画を発表後、最初の1週間で165億ユーロ購入したと伝えられました。ムーディーズがギリシャ国債格付けを何段階引き下げるか、もし4段階以上引き下げた場合、発生すると予想される大量のギリシャ国債売りに、欧州中央銀行(ECB)がどう対応するかがポイントとなります。

リアル・マネーのユーロ離れが起きるか?
 市場では、いわゆる短期投機筋のお金をファースト・マネー、事業会社や中央銀行など実需にもとづくお金をリアル・マネーと呼びます。直近の市場変動は、主にファーストマネーが主導していると聞いています。

 つまり、ヘッジファンドなど短期投機筋がユーロ安というテーマに的を絞ってポジションを構築しているため、ユーロ安が進んでいるということです。一方で、外貨準備の管理機関などリアル・マネーは、ユーロについてまだ「様子見」段階で、外貨準備内の通貨割合の見直しやユーロの売却といった動きはまだ見られないとのことです。

 ファースト・マネーはしばらく時間が経てば買い戻す必要があるため、相場の決定的な変動要因にはなりません。一方、もしリアル・マネー投資家がユーロの崩壊を具体的に考え始め売却を開始したとき、ユーロは大きく売られ下落が本格化します。

テーマは次第に中国景気へ
 市場はギリシャ問題一色のように見えますが、実はそうではありません。そうです、中国の景気減速です。ここ1年、世界景気の唯一の牽引役であった中国ですが、インフレの伸展と不動産価格の暴騰から金融引き締めを開始しています。まず先行して4月中旬より中国株が下落、自動車の販売減少や金属素材の在庫積みあがりなどニュースが増えてくるにつれ、さまざまな分野で調整が始まっていて、市場へ影響を与え始めています。

 ギリシャ問題は非常に深刻で、時間かかり、解決の糸口が見つかりません。ユーロという通貨の信認が揺らぐ中、同時に中国景気が減速し、再び世界景気が減速するような事態はあまり想像したくありません。

 残された時間はあまりないように思えますが、複雑な現実は問題の解決を易々と認めてくれません。具体的に問題解決に携わっている方を応援しつつ、静かに結果を見守りたいと思います。
 

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