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高橋洋一の民主党ウォッチあてにならない民主の公約 「総人件費2割減」どこに消えた
http://www.asyura2.com/10/hasan68/msg/137.html
投稿者 gikou89 日時 2010 年 5 月 17 日 12:07:48: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: 消費者庁vsアップル社/山形浩生(評論家兼業サラリーマン)よくわからないお役所 投稿者 gikou89 日時 2010 年 5 月 17 日 12:01:40)

http://www.j-cast.com/2010/05/13066385.html

民主党公約があてにならないのはまだある。公務員の総人件費の2割カットもその代表だ。民主党の「政権政策Manifesto2009」の中で、「地方分権推進に伴う地方移管、国家公務員の手当・退職金などの水準、定員の見直しなどにより、国家公務員の総人件費を2割削減する」とはっきり書かれている。具体的には、国家公務員の総人件費5.3兆円のうち1.1兆円を削減し、それを新規財源にあてるとした。

2010年度予算では削減努力ゼロ
ちなみに、2010年度予算でいくら人件費を減らしたのかというと、わずか1404億円。これは、人事院の勧告どおり(月給:マイナス0.22%、ボーナス:マイナス0.35%)の平年度ベースの減で、削減努力はされていない。

もちろん、あと3年あるというだろう。しかし、一方で、民主党は、天下りを禁止する代わりに、国家公務員が65歳の定年まで働けるようにすると公約している。これまで早期に退職してきた職員を定年まで抱えていくと当然人件費増になる。一定の前提に基づく総務省試算によると、25年度の総人件費は今より最大2割増加するという。

今の民主党の公約である2割カットは、実は05年のマニフェストから採用されている。それ以前は、「1割以上カット」であった。それが格上げされて「2割」となった。

その当時、私は経済財政諮問会議特命室でいろいろなペーパーを作っていた。05年のはじめ、郵政民営化、政策金融改革、政府資産改革という政府資産のスリム化の延長線で、公務員総人件費改革も検討せよとの指示を受けていた。そこで、公務員総人件費改革の議論を05年はじめから経済財政諮問会議で取り上げた

組合の反対が怖い?
そして、10年間で、政策金融、政府資産、公務員人件費の対GDP比をすべて半減するという長期目標ができた。もちろん、これは郵政を民営化することを織り込んだ上での話だった(郵政民営化で国家公務員だった郵政職員が民間に移管するので、その分公務員人件費が削減になる)。と同時に、郵政民営化とは別に、当面の総人件費をどうするかのプランも作ることになった。これも05年のはじめから議論して、最終的に、05年11月14日に総人件費改革基本方針としてまとまった。これを大雑把にいえば、総人件費は1割カットになっている。この方針は、国家公務員と地方公務員の両方に適用されている。これに対して、公務員の労働組合は厳しく批判した。当然、民主党はそれらの動きをよくみていた。

公務員労働組合は民主党を基本的には支持しているので、民主党は公務員総人件費について、「逃げ道」を作ってきた。それは、これまでのマニフェストで一貫して「国家公務員」の総人件費について○割削減という表現をとっている。これであれば、国家公務員を地方に移管して、国家公務員の人件費を削減して、その分だけ地方公務員人件費が増加しても、公約は守ったといえるのだ。しかし、政府の経済財政諮問会議の結論は、国家公務員と地方公務員の両方で総人件費の「1割カット」だ。これでは、民主党の国家公務員の総人件費を「1割以上カット」と叫んでもパンチがない。そこで、「1割以上カット」を「2割カット」に格上げしたのだろう。

問題は格上げしたものの、それを具体的に行う手順がまったくできていない。総人件費の2割カットはまったく不可能な話ではないが、それを実現するためには、給与法改正、国の地方支分局の地方移管が絶対に必要だ。ところが、給与法改正について閣僚たちは口ではやると言いながら、だれも手を付けない。担当部署を官邸に持ってくることもしていない。国の地方支分局の地方移管にも手を付けていない。具体的には、各省の持っている特別会計を地方に移譲しないと、地方支分局の地方移管は完全にはできないが全く未着手である。このままでは、総人件費2割カットが「公約倒れ」という普天間問題の再現になるのは間違いない。


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++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。現嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など
 

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