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日本経済の不都合な真実 http://www.asyura2.com/10/hasan68/msg/110.html
(回答先: パニックは政策の母!&避けよ、売りの3悪!=杉村富生 投稿者 gikou89 日時 2010 年 5 月 14 日 12:29:10) http://news.livedoor.com/article/detail/4762912/ 世界経済の中で日本が勝ち残っていく競争力、データで見るとはっきりとわかる現実はなかなか厳しいものでした。今回は大元隆志さんのブログ『ASSIOMA』からご寄稿いただきました。 日本経済の不都合な真実 1) 経済大国日本は世界に対して大きな影響力を持っている しかし、経済産業省から先日発表された、『日本の産業を巡る現状と課題』 *1 を見ると、今まで日本という国を何も知らなかったという事実に気づきました。50ページにもわたる資料ですが、その一枚一枚がとても重要な事が記載されていますので、是非一読される事をお勧めします。 今回はこの、『日本の産業を巡る現状と課題』の内容を基に、日本経済の不都合な真実を紹介してみたいと思います。 1.経済大国日本は世界に対して大きな影響力を持っているというウソ ※「日本の産業を巡る現状と課題」平成22年2月『経済産業省』5ページより 図は下記参照 三菱総合研究所の2009年の最新データ *2 では、国際競争力は日本が17位と前年の22位から若干上昇はしているものの、香港(2位)、シンガポール(3位)などが上位に位置づけている事が分かる。ICT *3 の世界でもアジア拠点として香港、シンガポールにDC *4 や支社を設立する傾向が目立つ。こういったランキングが影響を与えているのではないだろか。 *2:「IMD 国際競争力ランキング(2009年)」『MRI Dairy Economic Point(株式会社三菱総合研究所)』参照 『日本の産業を巡る現状と課題』33ページの資料からも、外国企業から見て日本は既に魅力的にうつっていない事がうかがえる。 ※『日本の産業を巡る現状と課題』平成22年2月 経済産業省 33ページより
2.日本人は貯蓄好きで、国全体で1400兆円の個人金融貯蓄があるというウソ ※『日本の産業を巡る現状と課題』平成22年2月 経済産業省 7ページより
※『日本の産業を巡る現状と課題』平成22年2月 経済産業省 8ページより
※『日本の産業を巡る現状と課題』平成22年2月 経済産業省 15ページより
日本人の個人金融資産が1400兆円と記した、日本銀行のこちらのページ *5 は 2003年作成のものであり、その当時の分析結果では「日本人は貯蓄好き、米国人は消費好き」とあるが、今となってはその認識は逆転してしまっているということだろう。いや、正確に言うと「日本人は貯蓄出来ない、米国人は貯蓄好き」というのが正しいのだろう。 3.高度な技術と、高品質で日本製品はブランドであり、世界中で人気があるというウソ ※『日本の産業を巡る現状と課題』平成22年2月 経済産業省 26ページより
半導体等精密機器の分野では日本は強いと思っていた方も多いはずだ。何故このような状況になってしまったんだろう?各分野毎に理由はあると思うが、DRAM分野における興味深い考察が書かれた記事を一つ紹介しておこう。 「優秀な技術者が「無能化」していく悲劇」2010.02.16 湯之上 隆『JB PRESS』 —— 現在の日本製品の競争力を低下させている要因にコスト高が挙げられるが、この記事にもあるように、コスト高の原因の一つに「考える力を持たなくなったエンジニア」の存在があるのではないだろうか。 「低価格品に押されて、日本の高機能、高性能な商品が高価になれないから勝てない」と思っている方々には、こちらの薄型テレビシェアの記事を紹介しておこう。 「昨年の世界の薄型TV出荷37%増 ソニー、シェア3位に後退」『iZa(産経新聞)』 日本の製品は単価の高い市場においても、安売り市場においても、既に競争力を失っている。 国外へ脱出する日本人 *6 「若者の「海外流出」が止まらない!冷え込む雇用がもたらす日本の衰退」『DIAMOND Online』 これが今回の日本経済の不都合な真実の最後、「新卒採用されなかったら、社会から脱落するというウソ」ではないかと、私は考える。 こちらの記事によると、2010年度中に正社員(新卒・中途を含む)の採用を予定しない企業は5050社と、全体の47.5%にのぼったとある。 しかし、日本での就職活動が失敗に終わり、逆に早い段階でシンガポールや香港で働き口を見つける。そう判断した人達の方が、十年後、二十年後には「あの時、日本の企業に不採用になって良かった」と思う時が来るのかもしれない。 何故、日本経済の不都合な真実は報道されなかったのか? ・何故、今まで報道されなかったのか? ・何故、今回発表されたのか? 上記の2点は全くの私の私見であり、根拠は「勘」でしかないが、長期政権として君臨していた自民党にとって、今までの自分達の政策の失敗を認め、もらえる見込みのない年金、返すあてのない借金に対する国民の視線がなおさら厳しくなるような資料を、わざわざ作成して国民に公開するメリットは何もなかったのも事実だろう。 民主党にとっては、自民党の政権が如何に日本を衰退させたかをアピールする事で、自民党に対する期待を失墜させ、自分達の政権基板をより固めていきたいと思っていても不思議ではない。 私の推測が正しいかどうかは問題ではないが、民主党には今のこの日本の現状を変化させ、より豊かな未来を築いてくれる政権であって欲しいと願うばかりだ。そして、自民党、民主党で足の引っ張り合い、スキャンダル争いをするのではなく、お互いに協力し、日本経済を一刻も早く復活させて欲しいと、一国民として思う。 ジャーナリズムとは何か? 一国の首相の漢字の読み違いが多かったという事を知っている国民はたくさんいるのに、なぜ、私達は日本の状況がこのような状況になっていると知らなかったのでしょうか?Twitter特集でTwitterの使い方を詳細に説明する経済誌を読んでいても、このような事実を知る事が出来ないのはなぜでしょうか? 報道するという事は、一体何を報道するのでしょうか? 本当に知らなければいけない情報に触れることが出来ず、振り返ってみればどうでも良い情報ばかりあふれている今の状況は、情報を取得する私達自身にも問題はあるのでしょう。マスコミの方々は「世の中の役に立つ情報」を発表する事が商売ではなく、「売れる記事を書く事が商売」なのですから、私達自身が「面白そうな記事、話題の記事」に飛びつくだけでなく、「くだらない記事にお金は払わない」という、賢い消費者になる事が、良質な記事や情報を生む最大の要因であるという事を理解しなくてはならないのではないかと思います。 最後に、このような厳しい経済状況の中、4月から社会人になった人、また、こ れから社会人になる皆さんへ向けて、少しだけ、社会人の先輩として、私の好きな三つのお話をまとめた「奇妙な国日本で、これから社会人になる人達へ」というエントリーを書きました。このエントリーを見て将来に不安を感じた方、日本の未来に失望した方は是非一度御覧下さい。 「奇妙な国日本で、これから社会人になる人達へ」 執筆: この記事は大元隆志さんのブログ『ASSIOMA』からご寄稿いただきました
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