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ギリシャ危機の後に求められるユーロ加盟国の財政規律の強化(KlugView) http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/873.html
ギリシャ危機の後に求められるユーロ加盟国の財政規律の強化(KlugView) 5月10日未明、欧州連合(EU)の緊急財務相理事会は、ユーロ圏諸国が(ギリシャのような)資金難の国を支援する「欧州安定メカニズム」に対して、5000億ユーロの資金枠を用意することで合意しました。 報道によると、EUの執行機関である欧州委員会が、600億ユーロの融資枠を用意するほか、ユーロ圏16カ国が4400億ユーロの融資保証枠を設定します。また、IMFも2500億ユーロの融資保証を検討しているようです。これにより、総額7500億ユーロが、ユーロ圏加盟国の資金繰りのために用意されることになります。 5月10日の為替市場では、この報道によって、為替レートがレベルシフトし、いわゆる「窓明け」でスタートしました。たとえばドル円は、前週末に91.3円台で終わりましたが、今週開始時のレートは92.2円台となりました。ユーロ円は、116.4円台から119.1円台と一気に3円近く上昇しています。 様々な憶測・観測はあるようですが、市場の反応をみると、総額7500億ユーロのセーフティーネット(安全網)は、市場の動揺を抑えるのに(それなりに)有効だったといえます。 ギリシャ支援に必要な資金は、悲観的な見方をしても、800億ユーロ程度と言われていますので、仮にギリシャのようなソブリンリスクが、ポルトガルやスペインといったPIIGS諸国に波及したとしても、7500億ユーロは、それなりに安心できる規模と思われます。 仮に今後も金融市場に動揺が広がるとすれば、欧州を中心とする金融機関が、資金繰りがつかずに破綻する場合でしょう。 金融機関は、たとえ不良債権が多額にあったとしても、資金繰りさえつけば存続できます。逆に、どんなに優良な金融機関であっても、資金繰りがつかなければ金融機関は破綻します。 おそらく世界中の金融当局者は、各国金融機関の資金繰りに繊細の注意を払い、少しでも資金繰りに支障が生ずるようであれば、ただちに手当てをする姿勢を採り続けるでしょう。そうすることで、2008年秋に起きたような世界的な金融危機を防止しようとしているはずです。 今回のギリシャ危機が、2008年秋と違う点は、ターゲットとなっている組織が金融機関ではなく、(ギリシャ)政府にある点です。金融機関の場合、表からは見えない不良債権を抱えているリスクがありますが、政府の場合、財政状況が(ある程度)透明です。 また、政府の金の使い道は、資産運用ではなく、国民への財・サービスの給付なので、使い過ぎによる資金の枯渇、はあっても、運用の失敗による予想外の損失を抱えることはありません。つまり、補填しなければならない額が、(調査を通じて)ある程度確定できるので、補填スキームの実効性が高まれば、市場の動揺は収まり、各国金融機関の資金繰りも正常化すると思われます。 ギリシャ危機が生じた本質的な原因は、通貨や政策金利が統一化されているのに、ユーロ加盟各国が自らの裁量で債券(国債)を発行し、議会を通じて自らの裁量で使い道を決めることができる点にあります。 おそらく今後は、第二・第三のギリシャ危機を防ぐべく、ユーロ加盟国は、今まで以上に厳しい財政規律が求められるのでしょう。それは、財政基盤が弱いユーロ加盟国は、不況に対して、ケインズ経済学で示されるような景気対策が難しくなることを意味します。
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●● ギリシャ支援に必要な資金は、 ●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●● 800億ユーロ
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