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ギリシャの経済危機にも関与していたゴールドマンサックス http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/831.html
ギリシャの経済危機にもゴールドマンサックスが関与していました。やっぱりね!
(2010年2月17日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ギリシャの首都アテネの金融街。数週間前この一角で、独特な雰囲気を漂わせた一行が目撃された。米国ヘッジファンド業界の大物ジョン・ポールソン氏が率いる投資グループの代表団をゴールドマン・サックスの社員たちがエスコートし、ギリシャ政府の高官やアナリストたちに引き合わせていたのだ。 ゴールドマンのような投資銀行が資産運用会社の顧客の現地視察に同行することは珍しくない。また、不良資産への投資で過去2年間に巨額の利益を計上したポールソン氏のグループのようなヘッジファンドは、大事なお得意さまと見なされている。
しかし、アテネに対する視線が厳しくなっているこの時期だけに、ほかの欧州諸国の首都では彼らの会合について突拍子もない噂が飛び交うことになった。 「彼らは一体何をやっていたのかと訝る向きは少なくない。タイミングが悪く、そう見られても仕方がない」。ある欧州系大手銀行の会長はこう語る。 ギリシャの財政危機がここ数週間で深刻化するにつれ、ギリシャやほかの欧州諸国の政府幹部は懸念を強めている。怒りを露わにしないまでも、欧米の投資銀行やヘッジファンドが担ってきた役割に困惑しているのである。 理由の一端は、ヘッジファンドなどがクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)をはじめとするデリバティブ(金融派生商品)を用いてユーロの下落に賭けたり、特にギリシャなど、経済的な意味でユーロ圏の「周縁」にあるとされる国々の債券を売ったりしていると認識されていることにある。 しかし、話はそこで終わらない。ゴールドマンを筆頭とするウォール街の大手投資銀行がギリシャを含むユーロ圏諸国の債務関連統計の操作に長らく手を貸してきたこと、そしてその際に覆い隠された公的債務問題の一部が今になって国際金融市場を悩ませ始めたことも、懸念の要因になっている。 米国のサブプライム危機と似た銀行批判 導入されて11年になる単一通貨ユーロは、かつてない厳しい状況に直面している。ギリシャは2001年にユーロを導入し、現在では16カ国がユーロ圏に加盟しているが、加盟国が発行する国債は対等に扱われるという導入時の大原則を貫けるか否かが、市場で試されているからだ。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2805?page=2 ゴールドマンは2002年、アテネの金融街に突然姿を現した。そしてGDP(国内総生産)を上回る水準に達していたギリシャの公的債務について、その資金調達コストを引き下げる大規模なスワップ取引をアレンジした。円建てやドル建てで発行されていた債券を市場外でユーロと交換するという「クロス・カレンシー・スワップ」で、その規模は約50億ユーロに上った。 市場外の通貨スワップで債務返済を先送り 投資銀行や政府の幹部たちは、このスワップ取引は合法だったと話している。EUの当時の会計ルールにも沿っているし、同様な取引はほかの投資銀行と南欧のユーロ圏諸国(イタリアやポルトガルなど)も既に行っていたという。 ただゴールドマンの取引の本質は、取引を行ったことが公にされず、ギリシャのバランスシートにも翌年になるまで(すなわち、GDP比の公的債務残高が105.3%から103.7%に低下した年まで)計上されなかったことにある。 取引をまとめ上げたのは、ゴールドマンの欧州債券為替部門で販売チームを率いていたギリシャ出身のアンティゴネ・ルディアディス氏だった。ゴールドマンは約10億ユーロの信用リスクを取ったが、ドイツの銀行との取引でこれをヘッジしたと言われている。またギリシャの公的債務管理庁は、取引の手数料としてゴールドマンに2億ユーロという過去に例のない巨額の手数料を支払っていた。 ゴールドマンは2005年、このスワップ取引をギリシャの商業銀行最大手ギリシャ・ナショナル銀行(NBG)に移した。NBGはティトロスという名称の特別目的事業体(SPV)を設置し、このスワップ取引を20年満期の証券化商品に変身させた。この商品はNBGのバランスシートに残り、ギリシャ政府の資金繰りに貢献している。 ギリシャで存在感を増すゴールドマン ゴールドマンは現在も、ギリシャでは比較的目立たない存在だ。ほかの投資銀行とは異なり、アテネには駐在員事務所すら置いていない。ルディアディス氏のように、ほかの部署に籍を置くがギリシャの事情に詳しいスタッフが頼りだ。しかし昨年10月の選挙で全ギリシャ社会主義運動(PASOK)が勝利し、ヨルゴス・パパンドレウ党首が首相の座に就いてからは、同社の名が以前より知られるようになっている。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2805?page=3 ゴールドマンCOO(最高執行責任者)のゲーリー・コーン氏はこの3カ月間で2度、アテネでパパンドレウ首相に面会している。また同社は、ジョージ・パパコンスタンティヌ財務相が昨年11月に訪れたロンドンとフランクフルトでロードショー(投資家向け説明会)を初めて行った時、ドイツ銀行とともに手を貸している。 ゴールドマンはさらに、ギリシャが国債の買い手を増やしたいと考えていることから、米国やアジア諸国でのロードショー開催を支援すると目されている。「この危機においてギリシャに資金調達のアドバイスを提供するとなれば、その最有力候補はゴールドマンだ」。ある財務相経験者はそう言い切る。 だとすると、ゴールドマンは8年前のカレンシー・スワップ取引への関与で疑惑の目を向けられているにもかかわらず、他社をリードしていることになる。 解明に乗り出したユーロスタット 2002年当時財務相を務めていたニコス・クリストドゥラキス氏(前出の「財務相経験者」とは別人)は2月16日、本紙(フィナンシャル・タイムズ)の取材に対し、「ゴールドマン・サックスとのスワップ取引に関しては、ユーロスタットのルールに従って記録された」と述べている。 ギリシャのカレンシー・スワップ取引に関するユーロスタットの発表や、ポールソン氏の投資グループの代表団を政府高官に紹介したことについて、ゴールドマンはコメントを拒んでいる。 しかし、一連の取引に関与したギリシャの元財務官僚など複数の関係者は、この件についてはあまり承知していなかったというユーロスタットの主張に驚きを隠さない。詳細はもう数年前から公開情報となっているというのがその理由だ。 ギリシャの債務危機が表面化して以来、ブリュッセルのEU本部は、加盟国の財政統計の報告に関するルールをさらに厳格にする方針を打ち出している。ギリシャのパパンドレウ政権も、前政権で行われていたことの解明に乗り出した。財務省が先週公表した「財政統計の信頼性」に関する報告書には、次のような脚注が掲載されている。 「1990年代末期と2000年代初期の債務データに見られる大幅な改訂については、証券化商品をはじめとする特定の金融商品の利用による部分がかなり大きい。当時におけるこれらの商品の統計への記録は不明確だった」 財政を実態より良く見せてきたのはギリシャだけではない http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2805?page=4 ギリシャのスワップ取引と同じように、これらの取引を手がけた銀行は、すべて合法だったと主張する。ユーロスタットの条件変更を受け、近年は取引の頻度が大きく下がったと話す人もいる。 それでも、ブリュッセルの一部の政府関係者は苛立ちが収まらない。「これまで起きたことの中には、本当に我慢ならないものがある」。欧州委員会のある高官はこう語る。「銀行はギリシャに何が起きても儲かるよう、この問題のすべての側に賭けている感じがする」 だが、今大きな問題は、市場の圧力が強まっていくにつれ、こうした煮えたぎるような怒りがもっと深刻な反発に発展するかどうか、だ。 投資銀行やヘッジファンドは批判に反発 加えて、もし今ユーロに売り圧力がかかっているとすれば、それはヘッジファンドによる投機的な攻撃ではなく、むしろ通貨同盟をうまく管理するための財政面での合意や政治的枠組みの欠如を反映したものだと主張する。 「ヘッジファンドを責めるのは馬鹿げている。これはまさに、メッセンジャーを撃つ典型例だ」と、ウォール街のあるヘッジファンド幹部は言う。 メリルリンチ・ウェルスマネジメントのポートフォリオマネジャー、ジョハネス・ジュースト氏は次のように話している。「ギリシャ国債が急落し、CDSが過去最高水準に上昇した理由は、ギリシャの国家財政がお粗末な状態にあるためだ。ヘッジファンドがギリシャの債券を売却したり空売りしたりしたのは、経済学に基づく理由からであって、ギリシャに対して何か狙いがあってのことではない」 いずれにせよ、危機が深刻化すれば、さらに責任の擦り合いが起きそうな問題が2つある。1つは、投資家が賭けを行っている市場の不透明さだ。例えば、ソブリンCDSはあらゆる取引所で行われているため、タイムリーに売買高を把握するのは不可能で、誰が主な買い手であり売り手であるのかも正確には分からない。 さらに隠された秘密が露見する可能性も 2つ目の懸念は、近年ユーロ圏で行われてきた投資銀行業務やデリバティブ、証券化の取引は、やや閉ざされた状況の中で行われたのではないか、ということだ。「一部の銀行では、現地オフィスのレベルで物事が進められ、本社ははっきり理解していなかったことがある」。ある米国投資銀行の欧州責任者はこう語る。「タンスから骸骨が転がり出てくる可能性がある」 By Kerin Hope, Megan Murphy and Gillian Tett© The Financial Times Limited 2010. All Rights Reserved. Please do not cut andpaste FT articles and redistribute by email or post to the web.
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