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ギリシャ支援策は「時間稼ぎ」 米S&P責任者 財政不均衡、日本と共通 (日経新聞) http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/743.html
米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリシャ国債の格付けを引き下げ、投機的水準とした。ユーロ圏のソブリンリスク(国家の信用リスク)をどう見ているのか。来日したS&Pのエグゼクティブ・マネージング・ディレクターで公社債格付け統括責任者のポール・コグリン氏に聞いた。
――ギリシャ国債格下げの背景は。 「ギリシャ問題は急に出てきたわけではない。すでに当社では1年以上前から格付けを見直し始めている。長期に及ぶ財政赤字はギリシャの構造的な問題であり、今回の金融危機により事態が深刻化した」 「再建のための緊縮財政が、実体経済をさらに厳しくすることになる。債務残高は高水準で、金利負担の増加が財政をさらに圧迫するリスクを抱える。歳入不足は深刻であり、税制システムも非効率だ。一方で、踏み込んだ緊縮財政には組合などの抵抗が強い。政権が取れる選択肢は狭まっている」 ――欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)はギリシャ支援に取り組んでいる。 「短期的な資金繰りを助けるが、時間稼ぎに過ぎない。巨額の財政赤字が制御可能となる改革がみえるまでは、市場を安定化させるのは容易ではない。ギリシャは債務のかなりの部分を海外投資家に頼るだけに、外部の市場心理の振れの影響を受けやすい構図だ」 ――仮に債務削減などになれば欧州の金融機関に影響が及ぶのでは。 「ギリシャ国債そのものの規模は小さい。欧州の金融機関は、経済実体がギリシャよりもずっと悪い東欧諸国向けに多額の債権を抱えている。そうした問題の1つに加わるということだ」 ――同時にポルトガル国債の格付けも引き下げたが、ユーロ圏のソブリンリスクは。 「過大な債務残高や財政赤字の問題は世界の各国にまたがる広汎な問題だ。ギリシャが他国より早く表面化したに過ぎない。年金や医療費負担など過去に約束した支出が膨らむ一方で、十分な財源確保が難しくなっている。住宅ブームの反動に苦しむポルトガルやスペインも問題は長期化するだろう。通貨統合前であれば、国内景気が悪化すれば柔軟な通貨政策をとれたが、今はユーロが足かせとなり、できない。英国も銀行救済の結果、債務が積み上がっている。ドイツも今後の退職者の増加が財政の重しになる。いずれも問題解決に容易な道はない」 「ソブリンリスクが和らぐためには、財政が均衡を取り戻すことが必要だ。景気が持ち直し税収も拡大。財政支出が減り、銀行救済などの負担も軽くなれば、格付けへの見方も変わる」 ――S&Pは1月に日本国債の見通しを「ネガティブ(引き下げ方向)」にしている。 「国内投資家が日本国債のほとんどを引き受けている限りは、いまのギリシャのような状態にはならない。ただし、日本も構図はギリシャと同じだ。債務残高が積み上がる一方で、高齢化により貯蓄率は今後下がる。国債の国内消化も次第に難しくなるだろう。リスクは年々高まってくる。デフレの今はリスクは見えにくいかもしれないが、いったん金利が上がり出すと金利負担で財政は苦境に陥る。財政問題は、解決の手立てを打つのが難しいときに深刻さが表面化するものだ。先送りは解決をより困難にする」 ――米国国債にもリスクが及ぶ可能性は。 「財政赤字の問題は米国も抱える。医療制度改革は将来の財政負担増につながるだろう。ただ米国は高所得国であり、貯蓄率も高まる方向にある。国内総生産(GDP)に対する債務比率は英国などよりも低い。ドルは基軸通貨であり、柔軟な通貨政策をとれるのも強みだ。格付けは最上級(トリプルA)で先行きの見通しも安定的としている」
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