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流出する金型技術と国内産業の未来 http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/739.html
(回答先: 5月にかけ世界株調整へ、ギリシャ格下げでしんきんアセット藤本氏 投稿者 gikou89 日時 2010 年 4 月 28 日 16:47:39) 金型最大手のオギハラ(群馬県太田市)の国内5工場の1つが4月1日付で中国の電池・自動車大手比亜迪(BYD)に買収された。 金型は日本の製造業の競争力の源泉ともされるが、国内需要の低迷と自動車・電機メーカーによる安価な中国・韓国製金型の採用で苦境に直面。海外から格好の買収対象となっている。 オギハラは自動車のボディーやボンネットなど車体を構成する鋼板の加工に使われる大型の金型メーカー。零細企業が多い金型業界で、オギハラは従業員が約800人と異例の“大規模”で、一時は世界最大手の金型専業メーカーでもあった。国内需要の低迷で2009年にタイの自動車部品大手、タイサミットの傘下に入っていた。 今回買収されたのは館林工場(群馬県館林市)で、同工場の従業員80人などは当面雇用が維持される見通し。館林工場は一部従業員が昨秋から近隣の富士重工業の工場に出向するなど、需要低迷による余剰人員の処遇が課題となっており「低価格で売却された可能性がある」(業界関係者)との声も出ている。 国内の金型業界は縮小の一途をたどっている。日本金型工業会(東京都文京区)によると「1990年には全国1万3000カ所あった事業所が2007年には1万カ所に減少。生産高もピークの2兆円から1兆7000億円まで落ちている」(中里栄・常務理事)。 原因は電機・自動車メーカーの海外シフトだ。特に電機大手は、国内のメーカーの金型図面を中国メーカーに渡して安価に作らせるなどの「意図せざる情報流出」を促進させたともされ、経済産業省が金型メーカーに注意を喚起した経緯もある。 自動車メーカーは「人間の命がかかわる製品なので、品質へのこだわりから安価な海外製金型の採用に慎重だったが、10年ぐらい前から、自動車メーカー内で技術者より購買担当者の権限が強くなり、1円でも安い金型を使うため海外製を使う傾向が出てきた」(中里理事)という。 経産省によると、日本の金型は精度が高いため、金型と寸分たがわないプレス加工が容易という。金型製造に使われる工作機械は中国の方が最新設備を投入しているが、機械加工の後に数百時間も手で削る工程が必要で、そこで差が生ずるという。「100分の1ミクロンなど精度の高い部分と、ゆるい基準の加工でよい部分の峻別などのノウハウが必要なためだ」と経産省・製造産業局素形材産業室の金子敬一・課長補佐は述べている。 しかし、現状では日本からの金型技術流出は静かにかつ確実に進行中だ。電機メーカーなどは「中国の生産拠点で金型の保守に必要だとして図面の提供を求めることが多い。金型メーカーは立場が弱いので、文句言うと仕事を切られてしまう」(金型工業会・中里理事)という。 国内需要が低迷する中で「定年後に年金支給までの60歳から65歳までの間、アルバイトのため海外で技術指導するOBが多い」(経産省・金子補佐)。経産省は、雇用者側に従業員の退社時に秘密保持誓約書を書かせるよう啓もう活動を行っているが、金型メーカーも退職者の懐事情を理解しているため、アルバイトをとがめることも少ないという。 体力の弱っている日本の金型メーカーを買収するため「韓国では専用ファンドも設立されている」(経産省・金子補佐)という。国内製造業の基盤がじわりと浸食されてゆく可能性が懸念される。
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