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自然と人間優先の同心円型成長モデル http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/732.html
不況脱却には、景気の自動回復を前提にした見解が少なくない。だが失われた20年と、800兆円の政府債務は何を語るのだろうか。景気循環と経済成長について、政府の役割を考えてみよう。 景気の変動は、実体経済の在庫循環、設備投資循環、技術開発で説明されてきた。またインフレやデフレは、実体経済と貨幣経済の乖離から生まれる。そして生産と消費、供給と需要は、市場の価格で結ばれている。 企業は海外生産に傾斜し、家計部門は所得が低減して、国内市場を狭隘にした。実体経済と金融が乖離し、バブルを促進して、世界金融危機を招いている。グローバルな規模の利益の追求は、多国籍企業の収益を増大させても、産業は均衡と連関が断ち切られ、集積の利益が失われて国民経済は空洞化・衰退するのである。 国民所得(Y)=投資(I)+消費(C) 上の式で経済成長は、投資と消費の関数だが、利子率(金融緩和)と所得(所得・価格弾性値)は、投資と消費が変動する要因の一部に過ぎない。投資の主な要因は、生産や生活の技術変革と商品開発と市場の需給変化で、実体経済が貨幣経済に優先するのだ。 所得の再分配(財政、社会資本<公共投資・社会保障>) アダム・スミスの産業の優先順位、国内の農業→工業→商業→海外貿易は、現在の一次→二次→三次産業→社会資本→海外となる。また市場構造は、生産要素の土地・労働・資本市場と商品市場が、地域市場→国内市場→海外市場として捉えることができる。 そして、土地には地代・地価、労働には賃金、資本には利潤・利子率、商品には価格・費用(償却費・労働費)が、地域市場には地産地消、国内市場には国産優先、海外市場には輸入補完が対応している。 先の成長定式で、企業の投資性向は、地代・地価・賃金・利潤・利子率・商品価格・費用(償却費・労働費)に、家計の消費性向は賃金・商品価格に対応する。そして地代・利潤を除けば、他は土地・労働・資本(貨幣)・商品の価格だ。 こうして雇用と消費、仕事と暮らし、労働市場と商品市場、賃金と物価という成長の基軸が明らかになる。そして国民経済の視点に立つと、この有効需要の定式に、政府と海外部門が加わって、次のように示すことができる。 国民経済 企業 家計 政府 海外 労働生産性=産出量/ 投入労働量 すなわち技術開発で設備投資効果が期待され、商品の販売市場が見込まれる限り、人間労働は機械に替わるのだ。こうして商品の価格・費用(償却費・労働費)に、規模の利益と比較優位が作用することになる。 マルクスは、設備投資や原材料を不変資本、人間の労働を可変資本と呼んだ。そして両者の構成比を資本の有機的構成と捉え、資本集約度の高度化による相対的剰余価値の形成を指摘した。また次の二部門分割再生産表式を残している。 マルクスの二部門分割再生産表式 T 生産財生産部門 W1=C1 + V1 +M1 V1 +M1=C2 この再生産表式から、W2=V1 +V2+M1+M2 で、V1 +V2は賃金、M1+M2は利潤・利子・地代だ。ここでも企業の投資性向は、利潤・利子・地代に、家計の消費性向は賃金に対応している。 資本集約度の高度化は、相対的剰余価値を生み、規模の利益と比較優位が追求され、技術文明の高い生産力と市場の内外不均衡という矛盾が増大する。地球温暖化、遺伝子組み換え作物、核の不安、グローバル経済危機である。 だが産業構造は、商品生産の母体である。産業の連関は、商品の体系を構成し、分業と集積の利益が機能する。産業構造と商品の体系は、使用価値の概念だ。 これを経済学の基軸に据えた成長戦略、自然と人間優先の技術開発と、商品・産業構造・市場の均衡・連関・集積した、次の同心円型の経済モデルを提起したい。 国民経済モデル 技術・生活文化様式(イノベーション・商品の体系・産業連関・市場構造) この経済モデルで、産業の優先順位は、一次→二次→三次産業→社会資本→海外となる。また市場構造は、生産要素の土地・労働・資本市場と商品市場が、地域市場→国内市場→海外市場と結ばれる。 そして企業・家計・財政・海外部門は、技術・生活文化様式を軸に商品の体系・産業構造・イノベーションを担い、商品・生産要素市場が価格・利潤・利子率・地代の体系で結ばれ、三位一体に位置づけられている。 社会資本の運営と地域主権 企業・家計(民・私・イエ)と地域コミュニテイ(NPO・共・ムラ)の役割 政府の規制・保護 企業 家計 地域コミュニテイ その基軸は、自然と人間優先の技術開発と自助・共助・公助の社会だ。グローバル経済危機の打開策は、自然と人間優先の技術開発と、この同心円型成長モデルではないだろうか。
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