★阿修羅♪ > 経世済民67 > 730.html ★阿修羅♪ |
|
戦略なき「新衰退国」の将来 http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/730.html
(回答先: NYタイムズ「貧困層が拡大する日本 発展した社会の裏側」 投稿者 gikou89 日時 2010 年 4 月 27 日 14:25:17) 真壁昭夫 信州大学・経済学部教授 足元のわが国経済は、アジア諸国向け輸出に支えられて、緩やかな回復過程を歩んでいる。ただ、アジア諸国の景気に陰りが出て、輸出が伸び悩むようなことになると、すぐに先行きに黄色信号がともる。海外投資家が「日本の株式は、典型的な世界景気敏感株」と位置づけているのはよく分かる。 背景には、人口減少・少子高齢化に加えて、明確な戦略を持たないわが国特有の事情がある。 人口構成の急激な変化に対応できない政府と、企業再編が遅れる産業界、いずれも有効な戦略を持たず、世界経済の動きに翻弄(ほんろう)されるわが国。ニュー・デクライニング・カントリー(新衰退国)といわれる所以だ。まさに「戦略なき日本の迷路」である。 地理的に近いアジア諸国の経済発展を見ると、わが国にとっては、今、大きなチャンスがめぐってきていると考えるべきだ。ただ、新興国向けの輸出ビジネスの競争は急速に激化している。そのハードルを越えるためには、国のリーダーシップが求められる。残念だが、現在の民主党政権には戦略が見えない。 最近、大手企業同士の経営統合が破談になるケースが目立つ。破談の背景には、それぞれの事情があるのだろう。しかし、わが国の企業再編が遅れているのも厳然たる事実だ。 M&Aなどによって企業体力を強化し、世界市場でのポジションを上昇させるよりも、企業の独立性を重視するスタンスが多い。本当にそうしたスタンスで、わが国企業は、これからの国際的な競争に生き残っていかれるのだろうか。 政府も民間企業も虚心坦懐になって、わが国の成長戦略を真剣に考えなければならない。まず、政府は、経済を成長させ、国民を幸福にする政策運営を検討すべきだ。規制緩和、法人税や設備投資の負担軽減を通して、企業を強くすることを戦略の基本とすべきである。 一方、企業経営者も、M&Aなどの手法によって、さらに成長するチャンスが残っている。そうした企業成長のチャンスを逃すことは、単に一企業の損失だけに止まらない。わが国経済全体にとっても、大きな機会喪失というコスト負担になる。企業経営者には、そうした責任感が求められるはずだ。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
▲このページのTOPへ
★阿修羅♪ > 経世済民67掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。 すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。 |