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円全面安、株上昇でリスク選好－ギリシャ支援要請でユーロ買い戻し ４月26日
（ブルームバーグ）：
東京外国為替市場では円が全面安となった。世界的な景気回復期待から株価が堅調に推移するなか、リスク志向の高まりが意識され、高金利通貨選好の動きから低金利の円には売り圧力がかかった。
円は対ユーロで一時、１ユーロ＝126円30銭と今月16日以来、約１週間ぶりの安値まで下落。ギリシャ政府による緊急支援策の発動要請を受け、これまで売っていたユーロを買い戻す動きが続いた。また、円は対ドルで一時、１ドル＝94円36銭を付け、今月６日以来の安値を更新。米債券利回りの上昇を背景にドル買い・円売りが進んだ前週末の流れが続いた。
みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミストは、「円安と株高のスパイラルとなっている。ギリシャ問題もとりあえず対策が見え、米国ではＦＯＭＣ（米連邦公開市場委員会）を前に指標が堅調だ。きょうのところは米国で主要な指標の発表もないので、それほど逆に振れる心配はなく、あすにかけてはこの基調が続くのではないか」と話していた。
一方、ユーロは対ドルで売り先行で始まった後、1.33ドル台前半から1.33ドル台後半まで反発し、一時は1.3397ドルまで値を戻した。ただ、前週末と同様、1.34ドル台には届かず、午後にかけては1.33ドル台半ばまで伸び悩む場面が見られた。
株高でリスク選好
前週末の米国市場では、３月の米新築住宅販売が前月比で約50年ぶりの大幅増を記録したことなどが好感され、株式相場が続伸。週明けの東京株式相場も急伸し、外国為替市場では相対的にリスクが高いとされる資源国通貨や新興国通貨などに買い安心感が広がった。
円は対オーストラリア・ドルで一時、１豪ドル＝87円61銭まで下落し、2008年９月以来の安値を更新。円はニュージーランド・ドルやポンドに対しても今年１月以来の安値を付けた。
ドイツ証券の深谷幸司シニア為替ストラテジストは、米国の経済指標自体は比較的しっかりとした内容で、米企業決算の好調も含めて「リスクを取れる方向の材料が目立つ」と指摘。また、20カ国・地域（Ｇ20）財務相・中央銀行総裁会議では中国人民元の話も出ず、リスクセンチメントも比較的良好の中、総じて「円高にはなかなか行きにくい環境になりつつある」と話していた。
中国政府が８月に４兆元（約55兆円）規模の新たな景気刺激策を発表する見通しだと報じられたことも世界的な景気回復期待の追い風となった。もっとも、午後には中国国家発展改革委員会のマクロ経済研究院の陳東琪副院長が、同国が６月末までに利上げを行い、景気過熱の阻止を図るだろうとの見通しを示したと伝わり、中国株はマイナスに転じている。
23日にワシントンで開催されたＧ20は、共同声明で「世界経済の回復は、主としてＧ20の前例のない、協調した政策努力のお陰で、以前予想されていた以上に進んでいる」と指摘した。一方、為替レートについて具体的な言及はなく、将来予想される金融機関の救済資金を賄う課税案については国際通貨基金（ＩＭＦ）にさらに検討を求めることで問題を先送りした。
ギリシャ支援
英紙フィナンシャル・タイムズは、ギリシャは2010年だけでなく、11年と12年の財政赤字削減の目標を達成するための詳細な計画の策定を求められた、と伝えた。同紙によると、ドイツは総額450億ユーロの融資が承認される前に、ギリシャがＩＭＦと欧州中央銀行（ＥＣＢ）、欧州委員会との間で３年間の計画で合意する必要があることを明確にした。
ギリシャ国債利回りが急上昇する中で債務3000億ユーロ（約37兆7000億円）余りの返済を目指しているギリシャは23日、金融支援の発動を要請。５月19日に85億ユーロ相当のギリシャ国債が償還期限を迎えるのを控え、欧州の財務相らは迅速な合意を望んでいる。
三菱ＵＦＪ証券クレジット市場部為替課長の塩入稔氏は、「ユーロはポジションがたまっていて支援要請の話で買い戻しになっているところはあるし、今はクロス円（ドル以外の通貨の対円相場）が強いので買いが優勢だ」と説明。ただ、「ドイツからギリシャに少しでも落ち度があれば金は出さないという話も出ており、ギリシャ問題自体はまったく解決していない」と語っていた。
また、みずほ証の林氏は、ギリシャの金融支援についてＥＵ各国で手続きが難航したり、ギリシャがより厳しい緊縮財政を強いられ、国内でも反発が強まれば、「ユーロに悪い影響が出てくる」と予想。今後も曲折が予想される中、ユーロについては反落リスクがあるとみている。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=ajpCzir6Jhrg
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