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5月末に1ドル=87円へ円高か、人民元切り上げ再開を機に円巻き戻しへ――佐々木融 JPモルガン・チェース銀行債券為替調査 http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/671.html
http://www.toyokeizai.net/money/markett2/detail/AC/7dfcd816b610961b91bd348d95437a36/ 米長期金利の3月の上昇というのは予想外の展開。当社ではFed(FRB、米中央銀行)は来2011年の半ばまで利上げはしないという予想だが、長期金利が上がって、ドルが強くなった。 円に関しては、予想外に弱かった。円が予想外に弱かった理由は2つあって、1つはかなり世界の株価が上昇したこと。株価が上がって、世界中でリスクアピタイト(許容度)が高まると、円をファイナンス通貨として投資する動きが出るので、円安になった。もう1つは海外の円ベア(弱気)センチメントが強い。彼らの投機的な円売りが多い。 しかし、米国の長期金利はそんなに上がらないと見ている。4%を超えてもうちょっといくかもしれないが、基本的なトレンドは下向き。だからそんなにドルは買われない。 円に関しては、目先をみると、ヘッジファンドの短期の円ショート(売り)ポジションがすごく膨らんでいる。この巻き戻しを余儀なくされるので、ドルは円に対して下がるだろう。 海外投資家が円ベアな理由に日本の財政赤字膨張を挙げるが、日本の財政赤字が膨らんでも、円安にはならない。外国人はJGB(日本国債)のマーケットに入ってきていないので、まったく関係ない。 もう1つが、日銀の金融政策で円安になるという考え方。しかし、日銀にできることは、もうないに等しい。量的緩和にしても、前回の量的緩和のときを見れば、ドルが円に対して大きく落ちているのがわかるはず。量的緩和で円安になった経験則はない。 米国の景気はいいかもしれないが、金利は上がらないと思う。需給ギャップが大きすぎるので、成長率(今年は3.4%予想)は高くても、インフレ率が下がる。 長期金利に関しては、日本の金融危機当時と似てきている。いったん長期金利が反発した後、銀行の預貸ギャップが広がって、銀行がせっせとJGBを買った。最終的にはJGBの10年債利回りが0.4%まで下がった。米国も今同じことが起きていて、預貸ギャップが広がって、銀行はせっせとトレジャリー(米国国債)を買っている。 米国はここから長期金利が下がりやすいと思うのは、トレジャリーの半分を外国人が持っているため。だから、リスクプレミアムで金利が高い。それをこれからアメリカの銀行がせっせとトレジャリーを買っていけば国内の保有者の比率が高まる、その結果、リスクプレミアムがいらなくなってアメリカの長期金利が下がる 「LIBORの日米金利逆転でドル高説」はナンセンス マーケットでは、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の日米金利が逆転したことがドル高要因だといっているが、全然関係ない。LIBORの3カ月物金利で、米国のほうが高くなったからドル高になるというより、米国のほうが高くなければならない。 日本は世界第2位の経常黒字国。米国は断トツの経常赤字国。日本は世界最大の対外債権国。米国は世界最大の対外債務国。それで米国は国債の半分を外国人に頼っている。日本はほとんど日本人で賄っている。こんな両極端の国で、金利が同じなら、ドルは円に対して売られるに決まっている。 過去のLIBOR3カ月物金利の推移をみると、差が150ベーシスポイント以上ないと、ドルは円に対してしっかりとした上昇基調をたどっていない。150ベーシス以下なら、フラットか下落している。 LIBOR3カ月の米国のリスクプレミアムは150ベーシスだと思っている。150ベーシス以上ないと、ドルは上がらないと思う。 ユーロ/ドルについては、基本的にドルによって規定されているので、ドルが弱くなれば、ユーロは対ドルで上がる。今までもユーロ圏の経済が米国に対して相対的に弱いからユーロが売られるという法則はなく、むしろ逆相関だった。ユーロ圏経済のほうが弱いときにユーロがドルに対し上昇することもあった。 今回、ユーロがドルに対して値下がりしている背景は、単純にギリシャの問題があったからでなくて、それによってマーケットがリスク回避モードになったので、ドルが買われた。それでユーロが対ドルで落ちたと理解している。 ギリシャの問題はそんなに大事にはならないと思う。ギリシャがデフォルト(債務不履行)すると、ドイツやフランスもとばっちりを食らうし、ECB(欧州中央銀行)への批判も高まる。それは避けたい。だからギリシャは助けられると思う。 今後3カ月では、ドル/円は87円くらいまで下がると見ている。タイミングとしては5月末くらい。一番注意すべきは、人民元の切り上げ。切り上げの再開が4月から5月にあると見られ、それが実際に始まるとすると、ドルは対円で一時的にせよ売られるだろう。 円ショート(売り)ポジションが非常に大きいので、その巻き戻しが起こると思う。米長期金利も上がりすぎと思うので、これが修正されれば、これもドルの下落圧力になる。 来年に向け、米国の利上げ期待が高まったらドル/円は上がる。Fedが来年に本格的に利上げし、それに向けて3カ月物の金利差が150ベーシスまで行ったら、ドルは100円まで上がる。 今のシナリオでいけば、今年末までは90円台前半がいいところ。今回の94円を年後半に上回ることはあるかもしれないが、100円は難しい。 ユーロ/円は、円高、円ショートポジションの巻き戻し、人民元の切り上げ再開がユーロ/円を押し下げる(ユーロ安・円高)。もう1回1ユーロ=120円くらいまでいく可能性がある。 ただ、年後半になると、景気はそれなりにいいし、株価も強いので、円はユーロに対して弱くなる。また130円くらいにいくのではと見ている。ざっくりと120〜130円のレンジと見ていいと思う。 資源国通貨については、当面は円買いになるので、オージー(豪ドル)/円とか、みんな円に対して下落する。だが、年後半には、景気は安定的、金融政策は緩和的、株価堅調だから、おカネはそっちへいく。オージー/円、カナダドル/円、みんな上昇する(円安)と思う。目先2カ月間の円高の後だ。世界全体のおカネがまたコモデティにいく流れは出ると思う。
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