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元凶は郵貯と円高にあり 日本の財政が破綻する (藤巻 健史) http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/668.html
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20100413/213962/?top 鳩山由紀夫政権は今、とてつもない愚行を犯そうとしている。郵便貯金を再び膨張させ、大きな政府に舵を切ろうというのだ。国債増発に依存し、ばらまきを続けてきた日本の財政はもう破綻寸前まで来ている。 藤巻 健史(ふじまき・たけし)氏 [フジマキ・ジャパン代表取締役] 1950 年東京都生まれ。74年、一橋大学商学部卒業、三井信託銀行入行。80年、ノースウエスタン大学大学院でMBA(経営学修士)取得。85年、モルガン銀行に移り、資金為替部長、東京支店長などを歴任。外国為替、債券取引などで巨額の収益を上げ、「東京市場屈指のトレーダー」の異名を取る。2000年の退行後、米著名投資家、ジョージ・ソロス氏の投資アドバイザーを経て、フジマキ・ジャパン代表取締役。今年3月に『日本破綻〜「株・債券・円」のトリプル安が襲う』(講談社)を上梓。ブログ「プロパガンダ」を執筆中 鳩山由紀夫政権が「全国一律サービス」を旗印に、郵政民営化政策を見直そうとしている。日本郵政への政府出資を3分の1超とし、郵便貯金の預け入れ限度額を1000万円から2000万円へと大幅に引き上げるという。 民間金融機関は「民業の圧迫」と反対しているが、この問題は「民業の圧迫」と一言で集約される小さな問題ではない。郵政が象徴する「大きな政府」は、現在の景気低迷、財政危機を起こした元凶だと思うからである。再度、「大きな政府」に舵を切るのであれば「全国どこでも、郵便は翌日届く一方、国民の年金は消失」という事態に陥るであろう。
政府が「高福祉や全国一律」のサービスを提供し得るのはカネがあってこその話だ。「税収が足りなければ国債を発行してカネを集め、サービスを提供する」と言うのは簡単でも、それは国債を完売できての話である。「子ども手当」をばらまきたくとも「国家公務員の給料」を払う義務があろうとも、金が集まらなければ不可能だ。 私はこの、カネが集まらない、すなわち国債未達(入札で国債が完売出来ない)発生の日が近いと考える。10年国債の入札は毎月、月初に行われているが、すでに毎月、カネの集まり具合を懸念しなくてはならない時期が来ているのではなかろうか。 国債未達のニュースが市場に流れた瞬間、債券価格は大暴落(長期金利は急騰)する。債券先物市場は連日のストップ安で、数日間は市場が閉鎖状態になる。そうなると国債の保有者は、なんとか損を最小限に抑えようと現物債市場での売りに走る。 1987年には5月14日に89回債が2.55%を付けた後、10月12日には6.24%と、5カ月間で4%も上昇したが、今回はその上昇幅と速さにおいて段違いの激しさだと考える。 マーケット経験がない識者の中には「外国人が日本国債を持っていないから売り圧力は小さい」などと楽観論を述べる人がいるかもしれない。しかし、マーケットはそう甘いものではない。
今までは参加していなかった年金資金や投機の外国人マネーが大量に入って来るのだ。喜んではいけない。彼らは「買い」で入って来るのではない。年金資金といえども「売り」先行で日本の市場に参入する。先物市場では「売り」も「買い」同様に簡単にでき、「売り」先行でも何の支障もないからだ。 財政破綻に陥った国の資産など持っていられない、ということで、株や円も急落する。資金繰りが苦しくなり潰れる企業が出て、失業者も急増する。国債を大量に持っている「ゆうちょ銀行」を筆頭に、棄損する「国債」を多く保有する金融機関には預金を引き出そうと行列ができるかもしれない。 取り付け騒ぎにでもなれば、日本銀行は座して事態を見守るわけにはいかない。市中で完売できなかった国債を日銀が引き受ける。過去に「ハイパー・インフレ(急激な物価上昇)」を引き起こした経験から、現在では財政法で禁止されている禁じ手の発動である。 また取り付け騒ぎを抑えこむために銀行保有の国債を日銀が買い取って市中に無尽蔵に資金供給を行うかもしれない。紙幣が街に満ち溢れ、貨幣の価値が急落する。すなわちハイパー・インフレ時代の到来だ。
汗水たらして10年間でやっと貯めた銀行預金100万円を下ろして1回タクシーに乗れば消えてしまうということだ。年金を月々20万円もらってもタクシー初乗り2キロメートル100万円になれば、年金も「実質消滅」したのと同じだ。 一方、国の財政は大助かりである。私はこれを「合法的徳政令」と呼ぶ。国が約束通りに100万円の国債を償還してくれたとしても、手にした100万円でタクシー2キロメートルしか乗れなかったら、それは実質借金棒引きと同じだからだ。 以上が私の考える最悪のシナリオである。 もっとも1997年の通貨危機で地獄の苦しみを味わった韓国が大復活を遂げたように、その後の日本は急落した円を武器に10年もたてば大復活しているに違いない。1ドル=360円時代の日本の躍進と同様だ。 しかし、それは戦後の日本が味わった「ガラガラポン」の後の繁栄であり、決して望ましいシナリオではない。ただ、今の財政状況を考えれば、そのシナリオ実現の可能性がかなり強まったと思わざるを得ないのだ。
日本の累積赤字は来年3月末には973兆円になると言われている。10兆円ずつ返しても100年弱かかる。しかもその10兆円すら捻出することが大変だ。2010年度の税収は約37兆円と予想されているから歳出を27兆円に抑えて初めて10兆円を捻り出せる。それなのに92兆円も歳出として使おうとしているのだ。 5兆〜6兆円(2009年度見込み)だろうと予想されている法人税収と2011年度から全額支給される子ども手当5.5兆円を比べてほしい。税収の3本柱の1つである法人税収をすべて子ども手当でばら撒いてしまうわけだ。 ちなみに子ども手当や福祉などの2010年度の厚生労働省予算は28兆円だと聞く。37兆円の税収の大半は子ども手当や、その他の社会保障関連費で消えてしまうのだ。 かてて加えて、973兆円も借金がたまると、今後の景気回復に伴う金利上昇も気がかりだ。長期固定金利発行の国債があるから、日銀が金利を上げると「すぐに」と言うわけではないが、いずれは1%の金利上昇当たり9.73兆円もの金利支払いが増える。 973兆円の1%=9.73兆円である。5%も金利が上昇すれば約50兆円の金利支払増になる。37兆円の税収で30兆円近くをばらまき、50兆円近くを金利支払に充てれば国がもつわけがない。国家公務員の方々には給料をあきらめてもらわなければならないかもしれない。
景気が回復すれば税収が増えるだろうと言うかもしれないが、あの狂乱経済と言われたバブル最終年の1990年度でも「租税及び印紙収入」は60兆円にすぎない。ここまで累積赤字がたまってしまった以上、景気回復は税収増よりも支払金利増として財政に重くのしかかる。 以上の事実を直視すれば、どう考えても、我々の世代でこれほどの巨額累積赤字を返済することは出来ない。そうなれば選択肢は2つ。1つは我々が高福祉・高サービスを享受する一方、孫・子が馬車馬のように働いて借金を返すという選択。「我々世代」と「孫・子世代」との強烈な生活格差だ。 もう1つは「きれいな日本を孫・子に引き渡す」という選択。どちらかである。後者を選択した場合、尋常な手法で借金を返せない以上、ハイパー・インフレという形で、借金を実質棒引きにするしかない。 先ほど述べた私が考えうる最悪シナリオとは「市場が後者を選択した」ということである。世の識者はこれを「市場の暴力」と呼ぶかもしれない。しかし、そうではない。冷静な市場が最終的に孫・子のことを思わない無慈悲な人間を、諌めたにすぎないのだ。
政府は「全国一律のサービスを」を旗印に、ばらまきをして、一見弱者の味方を装っているように見える。しかし、その行為は、前述したハイパー・インフレの出現により、経済弱者に最悪な時代を作り出してしまうのだ。 よく消費税の逆進性(経済弱者により大きなダメージがある)が語られるが、「ハイパー・インフレの逆進性」の強烈さに比べれば軽微なものである。 土地や株を持っている人は、なんとかハイパー・インフレに青息吐息ながらも、ついていけるかもしれない。しかし汗水たらして10年間で、やっと100万円貯めた人はとんでもない貧乏になってしまう。100万円では株も土地も買えないと、郵便預金で持っていたら、その100万円でタクシー初乗り2キロメートルしか乗れない事態に陥ってしまうからだ。 その意味で政府が行っている弱者救済政策は、実は凄まじい弱者製造政策なのである。 本来、市場原理が徹底している国であれば、冷静な市場が継続的に人間の暴走を諌めてくれたはずだ。膿が極限まで蓄積されてしまう前に、市場がおできに針を刺して膿を少しずつ抜いてくれたはずなのだ。 政治家も人である以上、議席を確保するために「ばらまき」を行いたい。国民はなんとか助成金や高福祉の恩恵にあずかろうとする。人間である以上、ある程度はいたし方ない。それを、諌めてくれるのが市場である。
市場原理が働いている国で「過剰なばらまき」を行えば、その資金手当てで長期金利が上昇する。長期金利の上昇は景気にネガティブであり、長期金利上昇による景気悪化を恐れる政治家は「過剰なばらまき」を躊躇する。 国債マーケットが「長期金利上昇」という警戒警報を発することにより、「ばらまき」や「身の丈以上の高福祉」が防止されるのである。 その市場原理を封印するのが大きな政府の存在である。代表的な国家が「資本主義」を標榜しながら実は「計画経済国家」の日本なのだ。鳩山政権は「大きな政府」を作ろうとしているばかりか、市場原理を否定している。しかし、「市場原理主義否定」とは日本発の思想であり、世界的には、極めて異例であることには注意が必要だ。他国は日本とは逆の方向に動いている。これでは日本がますます他国に後れをとってしまう。 他国は今回の金融危機を経て、「市場主義」の弱点補強で「より良い市場主義」を目指している。少数の頭のいい人たちが計画的に経済を動かそうとしても、どこかに打算や考えの及ばないところが出てきてしまうものだ。それを「市場機能によって諌めよう」というのが資本主義である。 資本主義は市場の見えざる手で資源の最適配分がなされるという点で市場主義とも言える。資本主義は最悪のシステムだが、それに変わるシステムはない、と言うのが他国の思想なのである。
「身の丈以上の高福祉、サービス」が日本で何故諌められなかったのか。 郵政に代表される「大きな政府」には「市場原理」が働かないからだ。 海外の高い収益に目もくれず収益的に全く魅力のない国債の購入に邁進したのは経済原理では行動しない公的機関だからこそである。実際、今でも、ゆうちょ銀行は集めた資金の8割を超低金利の日本国債に投資している。 日本のバブルが崩壊を始めた1980年以降、現在までにニューヨーク株価は4倍になった。ちなみに日本の株価は4分の1である。 今回の危機以前の世界経済は平均5%成長が5年間も続き30年ぶりの好景気を謳歌した。その結果、株価・不動産価格は急騰した。当然金利も高かった。 今回の金融危機に際しての資産価格の下落は、他国においては急騰した後の大幅下落であったのに対し、日本の場合は低迷後の大幅下落である。その下落幅も世界有数の大きさだった。 日本の公的機関はこのような海外の高い収益チャンスには目もくれず、ひたすら超低金利の日本国債に投資を集中し続けたのだ。 経済原則にのっとり、利益を求める株主がバックにいれば、低い収益に甘んじている経営者はクビが飛ぶ。しかし高い利回りを要求するはずの株主は、公的機関には存在しない。すなわち「大きな政府」では、民間では当然の「高収益の追求」と言う市場原則が働かないのである。
郵便貯金や簡易保険が収益性の高かった海外投資に目を向けないからドル需要が起こらなかった。最大の金融機関が極めて内向きであれば、他の金融機関も海外投資に二の足を踏む。「国力が弱くなればその国の通貨は当然のこととして弱くなる」という経済原則が働かなくなることが予見されるからだ。その結果、円高・ドル安が続いた。 ところで2009年のJPモルガン・チェースの純利益は117億ドル(1.1兆円)、ゴールドマンは134億ドル(1.2兆円)だ。業界内では強力な会社といっても病み上がりの米金融界での話である。 一方の日本では過去に1兆円を超える純利益を上げた会社など数えるほどしかない。普通の日本企業において1兆円の純利益など、ため息が出るほどの巨額な数字である。「会社は株主のもの」であり、収益が上がらなければ経営者の首が飛ぶ米国の会社と、多数のステークホルダーがいて、利益に対する追及姿勢が弱くなってしまう日本企業との差が原因であろう。 そういう観点からすると、日本では、民間金融機関のみに資金運用を任せても米国ほどには市場原理が働かないかもしれない。完璧に市場原理を働かせるには、「株主資本主義の徹底」が必要になるのだが本議論は今回の話と少しずれるので議論はここで止めておく。 低迷経済と巨額累積赤字問題の根は1つ
そして低迷経済から脱却しようと、政治が巨額の公共投資を増やし、ばらまきを増やしても、収益を無視した簡保や郵便貯金などが、どんどん国債を買ってくれるから長期金利は上昇しない。その結果、無制限に財政赤字が膨れ上がってしまったのである。 以上、述べたように低迷経済と巨額累積赤字問題の根は1つだ。巨大な公的金融機関の存在である。市場原理の働かない巨大な公的組織が海外に十分な投資を行わないから円高・ドル安になり、それが故に低迷経済が続いた。そして、海外投資の代わりに超低金利の国債投資を続けたからこそ、政治家の「ばらまき欲望」を諌められず、巨額赤字が累積してしまったのである。 ところで「円高・ドル安が日本経済低迷の大きな理由である」と書いたが、この点を補足しておきたい。 2001年、私は「1ドル200円で日本経済の夜は明ける」という本を書いた。その後、「その予想がちっとも当たらなかったではないか?」とおしかりを受けた。しかし、読み返していただきたい。あの本は「べき論」を書いたのである。「円を実体経済レベルまで安くしないと日本経済の復活はありえない」と書いたのだ。
今でもあの主張は正しいと確信している。もし、現在、円高なのに景気が良ければ私の主張は間違っていたことになる。円高が景気低迷の理由ではなかった証明になるからだ。しかし、あいかわらず景気が悪い。そして円高なのである。 通貨は国力の通信簿だ。国力が弱くなれば弱くなるべきだ。弱い通貨が国力を回復させてくれるからだ。それが経済学者に「為替変動相場制」が支持されている理由である。 バブル末期、日経平均株価が史上最高値を付けた1989年末の円相場は1ドル=143円40銭である。当時に比べ、日本経済が極めて弱くなったのに円は 1ドル=90円と逆に強くなってしまった。これこそ、過去に金融政策、財政政策を総動員しても、日本景気が回復しなかった最大の理由である。 私の弟(編集部注・藤巻幸夫氏)は商売をしている。商売においては景気が悪くなれば値下げをする。 経営者は景気が悪くなっても「値上げをしたい」かもしれないが、景気が悪い時に「値上げ」をするのは自殺行為である。円高とは日本の労働力、サービス、モノの値上げである。 月給1000ドルの外国人労働者と月給20万円の日本人労働者を比べて欲しい。1ドル=200円の円安の時は、どちらを雇用しても円貨での支払いは変わらない。しかし1ドル=50円の円高になれば外国人労働者は5万円で雇用できるのだ。どちらも20万円対1000ドルで一見変わりがなくても、円高は外国人労働者の相対的値下げ、すなわち日本人労働力の値上げである。日本人労働者は円高による値上げで職を失う。
つい最近も日産自動車が「マーチ(現地名マイクラ)」の生産工場をタイにオープンした。日本への逆輸入用の工場である。円高のせいで日本人労働力が値上げとなったので、雇用が日本人からタイ人に移ったのである。 3月15日に石川県小松駅前のコマツ工場が閉鎖されたそうだ。コマツの創業地である。小松工場が閉鎖されれば当然のこととして飲食店やタクシー等の地場産業は衰退する。これも円高による日本人労働力の値上げの結果である。 1週間1000ドルのハワイ旅行が1ドル=200円の円安(20万円)から1ドル=50円の円高(5万円)になれば熱海の1週間20万円の旅館代は相対的値上げとなり、客は熱海からハワイに逃げる。これは円高による旅館サービスと言うサービスの値上げの例である。 日本は景気が悪かったのだから「円安」という値下げをしなくてはならなかった。それなのに円高による値上げをしてきたのだから景気が回復しないのは当たり前なのだ。 ちなみに現政権は「分配による景気回復」を志向して「内需振興政策」を掲げている。しかし内需拡大は1986年に発表された前川リポートで提唱されて以来、何度も叫ばれているが、過去、内需が振興したためしがない。ましてや少子高齢化の現在、内需で経済回復などさらに難しい。 前川リポート当時は、日本の貿易・サービス収支の黒字が大きく、その是正策だったのだから外需振興を主張できなかった。しかし、2008年度の貿易・サービス収支は赤字である。今、外需振興と言っても何の問題もない。外需振興のためには国際競争力回復のための円安が必要だ。それなのに円高が進んでいるのだから、日本経済は低迷するわけである。
もちろん「円安にしよう」と政府だけで努力しても市場は動かない。しかし日本には政府の後に1440兆円もの巨大な個人金融資産というマグマが存在する。これが過去に、海外に向かっていれば今頃、経済実態にあった円安が進行し、日本は景気が大いに回復していただろう。財政出動をする必要もなく累積赤字はこれほど蓄積しなかったはずだ。 20年間GDP(国内総生産)が 成長しなかった国よりも好景気を謳歌していた海外資産に投資するのが市場原理である。従って、当然のこととして円安が進んでいたはずだ。そうならなかったのは市場原理を無視した公的金融機関だと私は思うのだ。 多額の個人金融資産を預かった郵便貯金や簡保資金がもう少しドル投資をしていれば、今頃1ドル=200円で日本経済は狂乱状態だったと思うし、財政赤字もここまで溜まらなかったと私は思う。 そもそも小泉純一郎政権下で郵政民営化を進めたのは、郵貯で集めたお金が「国債購入で最も非効率に使われている」ことを是正するためだったはずだ。異常なほどに肥大した国家金融機能を解体するのが目的だったはずだ。決して「平等な利便性確保のための改革」ではなかったはずだ。
私は、円を経済実態まで安くして時間稼ぎをしながら郵貯を縮小させ、「小さな政府」を志向していれば日本は再生しうると信じていた。だからこそ、最近まで、私は市場で一番の楽観論者だったのだ。 しかし、今、郵貯問題に象徴されるように、日本は再度「大きな政府」を志向し始めている。これだけ財政赤字が累積した中で過剰な福祉や平等なサービスを求めれば、財政が近々破綻するのは避けられない。格差是正を旗印にした政策がハイパー・インフレにより、日本を極めて貧しい国に陥れ、超弱者を作り出してしまうのだ。 「市場」は冷酷だ。「身の丈以上の高サービス・高福祉」に対する市場の反乱は近い。その意味で郵貯改革の見直しは「民業圧迫」という一言では片付けられない大問題だと思うのである。 「ハイパー・インフレ」が起きても、今までは郵貯限度額が1000万円であったから個人が国に実質没収されるのは1000万円だったのに、「限度額が 2000万円に引き上げられたがゆえに2000万円の実質没収」となる日が来ないことを祈るばかりである。 ----------------- 市場は理屈では動かない。結局は市場参加者の思惑が決めることになる。
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