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学生は衰退する日本よりも、 海外で就職できる実力を磨け!-【ダイヤモンド・オンライン】より http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/614.html
http://diamond.jp/articles/-/7871 4月から、立命館大学政策科学部に准教授として赴任した。私の任務は講義・研究に加えて、英語のみによって学位のとれるコースの設置準備だ。それに関連して、今回は「若年層の就職難」の解決策として「大学の国際化」について論じる。 【若年層の就職難は、彼らの努力不足ではない】 若年層の就職難は、彼らの努力不足とみなされることが多い。しかし実態は、90年代以降、バブル経済の崩壊とグローバリゼーションによる「失われた10年」と呼ばれる長期的な経済停滞に対して、国内の正社員の「長期雇用保障の慣行」を頑なに守ろうとしたことで起こっている。 「長期雇用保障の慣行」とは、一般的に「年功序列」「終身雇用」として知られるもので、新卒で正社員として就職できれば、定年近くまでの数十年間、失職しないシステムだ。しかし、「失われた10年」の時期、日本企業は国際競争力を維持するために多国籍化し、開発途上国の安いコストで生産する体制を作ったが、一方で国内の労働需要が激減した。 これに対して日本企業は、「慣行」に従って既存社員の雇用維持に努め、新規採用を抑制し、派遣や請負等の非正規雇用社員を増加させた。その結果、若年層の多くが新卒で正社員として採用されず非正社員となっているのだ。 若年層の就職難に対する1つの解決策は、彼らを海外で就職させることだろう。なぜなら、日本企業は国内では採用を激減させているが、逆に海外支店での採用数は増加させているからだ。 また、中国をはじめとするアジア諸国では、外資系企業などが採用を増やしている。しかし現在の日本では、「海外に出て働ける高学歴層の若者」は、少数の帰国子女や海外の大学への留学生に限られている。そして、彼らでさえ、日本企業の海外支店や外資系企業が参加するアジアのジョブ・マーケットでは競争力がない。 アジアのジョブ・マーケットには、香港、シンガポール、マレーシアなどの高学歴の若者が集まっている。彼らは欧米で教育を受けた者が多く、語学力や実務的なスキルの習熟度で、日本の大学生は太刀打ちできない。 また国内における雇用機会の縮小を補うために海外で就職しようとする欧米の高学歴の若者も多数ジョブ・マーケットに参入してきている。現状、アジアのジョブ・マーケットに日本人が入り込める余地は少ない。 【大学の国際化プログラムを日本人学生育成のために使おう】 日本の大学はこの現状に対応し、アジアのジョブ・マーケットで戦える高学歴層の若者を育成することを考えるべきだ。しかし、現状はその体制が整っていない。 「グローバル30」という大学の国際化のプログラムはある。日本の大学の中で、留学生の受け入れ拠点となる30大学を選出する事業で、立命館大学も採択されている。英語のみによって学位のとれるコースを新設し、世界中から能力の高い留学生、外国人教員を日本に集め、教育・研究のレベルアップを図るのが目的だ。少子化によって、日本人学生が減る分を留学生で埋めるという大学の経営面の改善策でもある。 しかし、このプログラムには日本人学生をどう育てるかについて明確な戦略がない。日本の大学に外国人留学生を集めて、任期付きの外国人教員がそれを教えるという、いわば場所を外国人に期限付きで貸し付けて儲けるようなものになっている。 そこで、せっかく留学生と外国人教員を集めるのだから、これを日本人の若者の国際競争力強化に利用すると発想を転換してはどうか。 例えば、英語で履修できるコースは、帰国子女でない日本人学生も参加しやすくなるものに修正すべきだ。現在、早稲田大学国際教養学部などで設置されている英語で履修できるコースは、日本の一般的な学生の中で「海外に行ったことがないけど、海外で活躍してみたい」という意欲を持つ者を受け入れる体制がない。 入学と同時にいきなり全部英語で授業を受けないといけないので、留学生と帰国子女しかついていけないのだ。実際、私が昨年度、早稲田大学国際教養学部で担当した英語を使用した日本政治の講義では、履修学生の7割が中国・韓国などからの留学生だった。そして、残り3割の日本人学生はほとんど帰国子女だったのだ。 【エリート校以外の学生こそ海外を目指すべき】 これは、英国の大学が設置している1年間の「留学生準備コース」(ファンデーションコース)が参考になる。日本など、英国と教育システムが異なる国からの留学希望者向けで、英語力と英国の学習スタイル(ディスカッションや論文の書き方)への対応力を集中的に強化するコースだ。 帰国子女でない日本からの留学希望者の多くが、このコースを経て英国の大学に入学し、無事に卒業している。日本の大学でも1年間の英語の集中コースを設け、一般の日本人学生でも2年生から英語で履修するコースに編入できるようなカリキュラムを検討したらどうだろうか。 余談だが、アジアのジョブ・マーケットで競争力を持つ若者を育てるのは、東大・京大・早慶などエリート校よりも、むしろそれ以外の大学が積極的に取り組むべきだろう。 エリート校の学生にはプライドがあり、日本の本社より格下の、海外支店への就職はなかなかできないだろう。むしろエリートでない学生のほうが、海外から叩き上げていくという強いモティベーションを持てる可能性がある。受験に失敗して、そのまま受験エリートに使われる人生はゴメンだ、リベンジしたいという学生もいるかもしれないのだ。 政治、財界、労組、そしてマスコミは「長期雇用保障の慣行」を頑なに守り、若年層の就職難を軽視する。しかし、その先には企業拠点や優秀な学生の海外流出、国内産業の空洞化が待っている。 私は若者をこう励ましたい。「衰退する日本など関係ない。海外を目指せ。最後は君たちが勝ち組になれる」のだと。
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