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農産物から工業製品まで、多くの産品を中国からの輸入に頼っている現状では、元高円安の結果は物価の上昇に直結します http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/570.html
株式日記と経済展望 2010年4月6日 火曜日 ◆進む円安「今年後半100円の大台も」 資金はドルや資源国へ 4月6日 フジサンケイビジネスアイ 外国為替市場で円安が加速している。週明け5日も、東京市場としては約7カ月ぶりの円安水準となる1ドル=94円台半ばまで下げた。米国など世界的な景気回復期待で、ドルや資源国などのリスク資産に投機マネーが流入。株高や円安・ドル高を“歓迎”する菅直人副総理・財務相の発言なども手伝い、市場では「100円の大台も近づいてきた」との声さえ聞かれる。 円相場は東京市場では民間部門の回復を示した前週末発表の米雇用統計を受け4営業日連続で下落し、午後5時現在では前週末比61銭円安ドル高の1ドル=94円54〜57銭で取引されている。円売り・ドル買いが進み、年初来安値を更新した前週末の海外市場の流れを引き継いだ。 就任直後のあからさまな「円安誘導」発言をこのところ封印していた菅財務相も、2日の会見では「だいぶ日経平均株価も上がって、円安が進行してきた。経済の動向は全体としては少しずつ上向いている」と述べ、円安を歓迎する姿勢を強調した。 円安が進む背景は、世界的な経済回復期待の高まりだ。とくに米国は、雇用統計が改善するなど「ほかの先進国と比べても景況感が強まっている」(大和総研の亀岡裕次シニアエコノミスト)ため、為替相場でもドルの強さが際立っている。市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利や銀行へ貸し出す際の公定歩合を引き上げ、「異常な金融政策から脱却する『出口戦略』を加速するのでは」(外資系証券)との見方も台頭している。 豪州やブラジルなど高金利通貨の資源国にも投機マネーが円資産から流入。ユーロ圏各国も財政不安はくすぶるものの、「株高が進み、投資家が欧州通貨に触手を伸ばす動き」(亀岡氏)がみられ始めた。 日本でも円安で輸出企業の業績改善期待が高まり、国債などに滞留していた資金が株などのリスク資産へと向かい、円安を一層加速する流れがみられる。 また、菅財務相は前週末の日中財務対話では、米国が切り上げ圧力を強める人民元について「賢明な判断を期待する」と述べたが、踏み込んだ発言は避けた。日本と同様に金融危機以降の輸出企業の業績悪化を憂慮している中国側に、菅財務相も一定の理解を示した格好だ。 一方、各国で今後、財政出動などの景気対策効果がはげ落ちることも予想され、金利の急上昇で景況感が冷え込めば、逆に株安からドル安・円高に傾く可能性もある。それでも市場では、当面は円安・ドル高基調が続くとの見通しが大半で、ファンド勢や外国人など機関投資家が円売り・ドル買いを活発化している。亀岡氏は「今年後半ぐらいで、1ドル=100円の大台を超える円安もあり得る」との見方を示している。
ドル円の相場が動き始めました。2008年9月のリーマンショック以来、ドルが89円から91円で推移していたわけですが、ここへ来てジリジリと円は下げて94円台に突入しています。 このドル円の動きですが、この間ずっと円高ドル安が続いたというのには、特殊な要因がありました。1つは、アメリカの財政赤字がどんどん拡大していたこと、そしてFRB(米連邦準備理事会)がゼロ金利政策を採っていたことがあります。この2つのドル安要因はハッキリしたものだったのですが、どうしてその圧力が「円」に来たのかというと、ユーロとポンドは金融危機でボロボロだったのと、人民元は完全に変動相場になってはいないのでドル安の受け皿にならなかったからです。 いわば消去法的に円がターゲットになり、巨大なドル安圧力を受け止めていた、この1年半に及んだ円高ドル安にはそうした大きなエネルギーがあった、そう理解するのが一番スッキリします。もう1つ、人民元に対する円の高止まりという現象も、現時点ではドル元相場がコントロールされているために、円高ドル安がストレートに反映していただけです。 さて、4月に入ってこの2つのトレンドが反転し始めました。アメリカの金利が上昇の気配を見せている中で、ドルが高くなる方向でのエネルギーが生まれています。一方で、人民元についても、4月15日をメドとして切り上げという噂が日に日に濃くなっています。仮にそうなれば円元レートでは、ドル高円安と、ドル安元高の「かけ算」で大きく動く可能性が出てきました。 1つの懸念は、こうしたタイミングとシンクロするような形で、過剰な流動性供給や国債発行高の安易な上乗せを行うと、円安、特にユーロまでを対象に含めた「円の独歩安」に陥る危険があるということです。 少し以前までは、円安イコール「輸出産業にはメリット」というイメージがハッキリしていましたが、今は状況が異なります。日本企業が中国で北米向けの製造を行っているような場合は、元高ドル安のデメリットをかぶることになります。また、農産物から工業製品まで、多くの産品を中国からの輸入に頼っている現状では、元高円安の結果は物価の上昇に直結します。 この問題に関しては、為替レート変動によるメリット・デメリットは大変に複雑なのだから「為替の安定が望ましい」という毒にも薬にもならないコメントが、政府からも大手のジャーナリズムからも出てくことになるのですが、私はそれではダメだと思います。複雑な時代であればこそ、自国通貨の将来像に関しては、しっかりしたイメージと戦略を持つべきだと思うのです。 日本が高付加価値最終製品の生産国として、高付加価値労働の雇用を守ってゆくのか、それとも中付加価値でいいのか、あるいは部品や半製品の製造拠点になってゆくので良いのか、そうした選択肢の中から何を目指すかによって為替の将来イメージも変わってくるように思うのです。(後略) (私のコメント) リーマンショック以降はユーロやポンドやその他の通貨が安くなってドルが高くなりました。唯一円だけがドルに対して高くなった。つまり円が一番高く世界から評価されているのですが、為替相場から見ればドルから基軸通貨が円に切り替わる前兆現象なのでしょう。ドルも輸出を増やす為にはドル安が必要ですが、全世界に通貨が全部安くなる事は理論的にありえないから、円がドルに対する通貨として役割を引き受けている。 サブプライムショック前はユーロがドルに対する相手の通貨としてユーロが高くなりましたが、アメリカの欠陥金融商品を買いすぎて金融危機が起きてしまった。結果的に円しか頼れる通貨が無くなり円が独歩高でしたが、最近になってそれが落ち着いてきて反動で円の独歩安になってる。 このように通貨危機が起きるたびに円が買われて通貨の避難先になっていますが、戦争の危険性が高まると一気に円が安くなる。朝鮮半島もそうですがイラン情勢も戦争が始まれば石油が来なくなるから円は暴落するだろう。ユーロ安もギリシャ危機が落ち着くにつれて戻していますが、為替相場は世界情勢に敏感だ。 「株式日記」では日本が将来世界の覇権国となり円が基軸通貨になると予想していますが、マスコミが日本へのネガティブキャンペーンで悲観的になりすぎている。中国にしても新興国バブルが弾ければどうなるか分かりません。ドバイから始まってギリシャに飛び火して最終的には中国のバブルは破裂する。そうなれば中国国内の混乱は激しくなるでしょう。 冷泉氏が書いているように、日本も中国で生産して日本に輸入する企業が多くなりました。ユニクロのようにドル高=元高になれば採算は悪化するのであり、中国へ進出するビジネススタイルは転換期に来ているのではないだろうか? 中国国内のインフレが酷くなれば物価が高くなり生産コストが急上昇している。インフレを鎮めるには人民元の引き上げしか方法はない。 アメリカもいつまでもゼロ金利政策を続けていると日本の二の舞いになる事を恐れているのだろう。90年代から政府日銀はアメリカのような大胆な金融緩和をしなかったから失われた20年になりましたが、アメリカはいち早く景気を回復させて金利を正常なレベルにまで戻す事を図っているようだ。 昨日のNHKの番組でも言っていましたが、日本企業は海外の子会社の利益を海外に置いたままにしている理由の一つに円高があり、円が安くなりドルが高くなればそれだけ手取りが多くなる。1ドル90円で交換するか100円で交換するかで1割の違いが出てくる。2007年頃は1ドル120円だったからミニバブルが起きた。円安が日本における景気回復のきっかけになるのも海外にプールされている資金が戻ってくるからだ。
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