★阿修羅♪ > 国家破産67 > 505.html ★阿修羅♪ |
|
ドル高局面は悲惨な終幕を迎えるのか?= 「債務状況がギリシャに最も近いのは米国」【英フィナンシャル・タイムズ紙】 http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/505.html
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/3058 1997年7月にタイ中央銀行が通貨バーツの切り下げに追い込まれた時、この動きがほかの東南アジア諸国に伝染し、ついには韓国や台湾にまで広がっていくと予想できたアナリストはほとんどいなかった。 バーツ切り下げから6週間で、インドネシア・ルピアは1ドル=2300ルピアから、同1万ルピアを大きく超える水準まで急落した。日本の銀行の中には、そのせいでコンピューター・システムがクラッシュしたところもあった。4ケタから5ケタへの相場変動を処理するようプログラムされていなかったからだ。 【バーツ危機がアジア危機に発展したメカニズム】 インドネシア中央銀行は何年もの間、ルピアがドルに対してごく緩やかに、そして予想可能なペースで下落するに任せていた。また同中銀の為替政策がまさに予想可能であったために、インドネシア企業はドル建ての借り入れを好んで行った。ルピア建てで借りるよりも金利がずっと低かったからだ。 ドル建ての貸し付けを行っていた外国銀行は、信用保険を購入してこのリスクをヘッジした。しかし、インドネシア企業の信用保険には流動性のある市場が存在しなかったことから、代替策としてインドネシアそのもののクレジット・デリバティブを購入した。 ところが、そのデリバティブの売り手はインドネシアの銀行だったため、ただでさえ不完全なヘッジはさらに不完全なものになってしまった。ルピアが下落し始めると、インドネシアの銀行の信用力も低下したのだ。 タイで始まった危機はこのようなメカニズムによって周辺の国々に伝染していった。それから数年経った今の経済状況に目を向けると、ドルがルピアと同様な運命をたどる恐れはないのかという疑問が沸いてくる。 3月第2週はドルにとって今年1月以降で最悪の週となり、JPモルガン・チェースのエコノミストたちは、ドル高局面の終わりがやってきた可能性が高いと考えた。この週のドルの動きは、米国の2月の財政赤字が単月としては過去最高の2210億ドルに拡大したとの報道に影響されたものだった。 【「債務状況がギリシャに最も近いのは米国」】 またこの1カ月前には、クレディスイスが物議を醸す調査リポートを公表していた。公的債務の状況がギリシャに最も似ているのは、何と米国だと指摘する内容だった。 今のところ、ドルは予想以上に堅調に推移している。ドルは今でも、嵐の際の「安全な避難先」と見なされているからだ。欧州単一通貨ユーロへのプレッシャーやユーロ圏の比較的弱い国が発行したソブリン債への懸念、世界的な景気後退、そして(矛盾するようだが)中国経済の過熱と成長減速の可能性などに対する不安感なども、ドルを押し上げる方向に働いている。 実際、クレディリヨネ・セキュリティーズ・アジア(CLSA)のアナリスト、クリス・ウッド氏が最近のニューズレター「Greed & Fear(強欲と恐怖)」で指摘しているように、ドルの強さは、他の通貨よりもユーロと英ポンドに対して著しく際立っている。 しかし嵐が収まるにつれ、ドルの弱さはますます明らかになってきた。確かに、ドルの弱さは一部の新興国通貨に対しては目につくものの、ほかの先進国通貨に対してはそれほどでもない。 また、米国の経済成長は比較的強く、米連邦準備理事会(FRB)も近々利上げに踏み切る可能性があるため、ドル相場は下支えされると予測する強気派も少なくない。 【カギを握るのは人民元レートを巡る米中の論争】 ドルがこれまで比較的堅調だった理由の1つは、ドルにペッグ(固定)している通貨が非常に多いことに求められる。その代表格が中国の人民元だ。だが為替レートを巡る米中の議論は激しさを増しており、米財務省は4月に、中国が「為替操作国」に当たるか否かを判断して連邦議会に報告しなければならない。 また中国の方も、米国債の購入ペースを緩める可能性がある。実際、ここ数カ月は米国債購入額トップの座を日本に譲り渡している。ただ今のところは、ドル建て資産に対する中国の購入意欲は衰えていないようだ。 大半の政府高官は、もし中国が米国債の売りに回れば、あるいはその購入額を大幅に減らすだけでも、自分で自分の首を絞めることになると考えている。しかし国家というものは個人投資家と同様に、常に合理的に行動するとは限らない。 中国の温家宝首相は先日、人民元は過小評価されていないと主張したが、前出のウッド氏に言わせれば、これは「公の場で自分の縄張りを守ろうという政治的な積極性が、中国の側で強まっていることの表れ」だ。 もし中国が最終的に、米国債の購入を大きく減らしたり、既に買った債券を売ったりしても、中国が被るダメージは米国が受けるダメージよりも小さいと判断すれば、ドルはしばらくの間、今よりもかなり弱くなる恐れがある。 By Henny Sender
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
▲このページのTOPへ
★阿修羅♪ > 国家破産67掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。 すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。 |