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マッチポンプ金融政策
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投稿者 姉葉大作 日時 2010 年 3 月 06 日 07:56:48: 1eq0f123HFFf2
 


サブプライムローン問題やCDS問題などに代表される金融危機打開のため、昨年アメリカで可決成立施行された、総額7000億ドルにおよぶ公的な金融救済プログラム(金融危機救済制度)こと「不良資産救済プログラム(TARP、The Troubled Asset Relief Program)」。【一部報道(ロイター伝)】で銀行セクターに注入した投資について、価値がほぼ半減したと伝えられるなど、色々な問題をかもしている。そして全般的には「いくら資金を注入してもきりがない、ますますドツボにはまり、無駄使いになるでは?」という論調も高まってきた。そして公的資金を注入された銀行などで、役員などが多額のボーナス・報償を前倒しで支払っていたことが明らかになり、「公的資金は彼らのあぶく銭のために使われた」という印象がぬぐえず、反発も高まるばかり。このようなTARPをビジュアル的に「ぱっと見で的確に」指し示す、ひとつながりの写真がアメリカの著名ファイナンス系ブログ【Calculated Risk】にて紹介されていたので、ここではそれについて解説を加えてみることにする。タイトルはずばりそのまま「TARP」。









次々に海中に引き込まれるクレーン車たち。それはまるで金融政策のような……

解説するまでもないかもしれないが、「事態を甘く見てギリギリの許容量の作業車両で作業をしていたら、過重に耐え切れずに次々に引き込まれてしまい、どんどん被害が大きくなる」様子を表している。見積もりを甘く見ることの危険さや、戦力の逐次投入がいかに無駄な事態を招くかは、太平洋戦争で日本がしでかしてしまい、アメリカは反面教師としてそれを学んだはずなのだが、それが活かされていないということなのだろうか。

これら一連の写真の元ソースは【snopes.com】から。その記事によると、緑色の大型クレーン車が小さな赤いクレーン車を引き上げるところまでは実際に起きた事件のようだ(2004年9月ごろ、アイルランドで発生した。幸いにも死亡者は出なかったとのこと)。ただし緑色のクレーン車が過重に耐え切れずに落ち、さらに大型の青色のクレーン車に引き上げられようとしているところは完全なコラージュ。よく見ると、単に色を差し替えただけの動画他のクレーン車であることなど、合成の稚拙さでそれが分かる。

一連の出来事をTARPなどアメリカの金融危機対策に例えると、最初は「サブプライムローン問題? そんなの一部の不動産ローンで苦しい人たちだけの問題だろう」とたかをくくっていたのが、証券化商品のダメージであっという間に資産の多くが傷つき、影響が広まり、「いつの間にやら皆が皆、サブプライムな人たち」になってしまい、それでも何とかなるだろうと、甘めに見積もっていたが、銀行やら地方自治体までがばたばたと倒れ、手を挙げ、被害がどんどん拡大していく、という有様というあたりだろうか。どの自動車・クレーン車がサブプライムローンなのか、CDSなのか、銀行なのか、地方自治体なのか、クレジットカードローンなのか、その他諸々なのかはあえて関連付けないが、状況的には極めて分かりやすいはずだ。

このような事態を解決するには、極論として「正確に見積もった上で余裕を持った対処(写真の事例ならクレーン車の派遣)」を行う必要がある。そして「見積もり」には海に落ちた車両のうち、どれを救うのか、どれを放置破棄の決定をするのかも含まれる。

これらの写真を見て「バカみたい、コメディ漫画じゃないんだから」とせせら笑う人がいるに違いない(実際には後半はフェイクだが)。しかし現状における経済問題への対策も、実は似たようなもので、端から見れば「何てバカなことをしてるんだろう、もっとよいやり方があるだろうに」という状況なのかもしれない事実を認識すれば、笑いの口元も引きつることだろう。


2月23日(ブルームバーグ):米下院監視・政府改革委員会が保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の公的支援をめぐる公聴会を1月に開催した時、最も注目を集めたのはガイトナー財務長官に対する国民の厳しい目だった。

議員らは、ガイトナー長官がニューヨーク連銀総裁を務めていた時期に大手金融機関を裏口から救済し、事実を隠ぺいする措置を指揮したと批判。同長官は金融システム崩壊を回避するための適切な対応だったと反論した。

ブルームバーグ・マーケッツ誌(4月号)は、公聴会ではより重要だった可能性のある事実が見落とされていたと指摘する。下院監視・政府改革委の有力メンバー、ダレル・アイサ議員(共和、カリフォルニア州)は、公聴会の記録として住宅ローン担保証券(MBS)を列挙した5ページにわたる文書を提出した。米ゴールドマン・サックス・グループや仏ソシエテ・ジェネラルなどの金融機関がAIGと契約した計621億ドル(約5兆6550億円)相当のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の保証対象となったMBSだ。

このCDS取引でAIGは破たんの瀬戸際に追い込まれ、公的資金により救済された。救済措置を水面下で取りまとめたニューヨーク連銀は、1年余りにわたりこの文書の完全な公表を見送ってきた。公表を希望したAIGの要請にも応じなかった。

作家で元投資銀行家のウィリアム・コーハン氏は、こうした情報公開の欠如は、政府が金融危機の原因の適切な説明を妨害してきた事実を裏付けていると指摘する。米証券会社ベアー・スターンズの失墜を描いた著作があるコーハン氏は「この秘密主義は、救済が場当たり的なものだったことを示す新たな例だ」との見方を示した。

特定されたCDO

アイサ議員が公表した文書は、AIGが保証した債務担保証券(CDO)を具体的に特定することにより、2008年9月のAIG救済をめぐる論争の核心に切り込んだ。同社の格付けが引き下げられ、CDOの価値が急落する一方で、デリバティブ(金融派生商品)の一種であるCDSを保有する金融機関は担保を回収したのだ。

この文書により、CDOのパフォーマンスがいかに悪かったのかが初めて衆目にさらされた。一部には名目価値の75%を超える損失を被ったものもあった。しかも、AIGからCDSを購入した金融機関と、そのCDSで保証されるCDOの組成を担当した金融機関がほとんどの場合同一だったことも、同文書とブルームバーグの集計データが示している。

元スワップ・トレーダーで、現在はストラクチャード・ファイナンス・コンサルタントのダニエル・カラッチ氏は、金融機関は価値が大幅に低下した証券に対する保証を、そもそもなぜAIGから取り付けることができたのかを説明しなければならないと指摘。また住宅ローン会社を傘下に持つ金融機関に対しては、CDOに組み込まれたローン債権の質に関するインサイダー情報の入手がなかったかどうか、説明を迫るべきだと訴えている。

文書で明らかになった具体的な証券とブルームバーグのデータによると、AIGが保証する対象となったCDO621億ドル相当の172億ドル分をゴールドマンが組成、この規模はどの金融機関よりも大きかった。バンク・オブ・アメリカに後に買収されたメリルリンチは132億ドル相当を、ドイツ銀行は95億ドルをそれぞれ担当していた。

こうした詳細は、ニューヨーク連銀が事実を覆い隠そうとした理由を示唆しているとデューク大学ロースクールのジェームズ・コックス教授はみている。「ゴールドマンのため、あるいは投資銀行がリスクにさらされるとのマクロ上の懸念から、ゴールドマンを守ろうとしたのかもしれない」と指摘した。同社の広報担当マイケル・デュバリー氏はコメントを控えた。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 柴田 広基 Hiroki Shibata hshibata@bloomberg.netEditor:Keiko Kambara,Yoshito Okubo記事に関する記者への問い合わせ先:Richard Teitelbaum in New York at rteitelbaum1@bloomberg.net
更新日時: 2010/02/23 16:12 JST



 

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コメント
 
01. 2010年3月06日 14:26:19
あのサブプライムローン破綻を仕掛けて、金融恐慌を巻き起こし、多くの金融機関
を破綻に導いておいて、ありえない空前の利益をあげたことが、何よりゴールドマ
ンの正体を物語っているではないか!
すべては、この連中が仕掛けていることなのだ!
一日も早く日本からも追い出すべきだ!
ちなみに、郵政民営化の黒幕もゴールドマンであることは、最早明白である。

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