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利上げまでの時間稼ぎに過ぎない新興国の預金準備率引き上げ(KlugView) http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/397.html
利上げまでの時間稼ぎに過ぎない新興国の預金準備率引き上げ(KlugView) BRICsと呼ばれる新興4国のうち3つの国が預金準備率を引き上げています。預金準備率とは、民間銀行が預金残高の一定割合を中央銀行に預け入れる比率のことです。預金準備率が引き上げられると、民間銀行がより多くの資金を中央銀行に預け入れることになるため、結果として銀行融資が縮小することが期待されます。 2月24日、ブラジル中央銀行は、定期預金に対する準備率を13.5%から15.0%に引き上げると発表しました。これにより、市中銀行から新たに710億レアル(約3.5兆円)の資金が吸収される見通しです。 翌日(25日)、中国の中央銀行である中国人民銀行は、1月に引き続き預金準備率を2カ月連続で引き上げています。今回の引き上げによって、約3千億元(約3.9兆円)の資金が吸収される見込みです。 2月27日、インドの中央銀行であるインド準備銀行は、預金準備率を5.50%から5.75%に引き上げています。インドの預金準備率は、2月13日に5.00%から5.50%に引き上げられたばかりですが、2週間後に再度、引き上げられたことになります。 ブラジル、中国、インドと、新興国の代表とされる3つの国で預金準備率が引き上げられたのは、各国ともにインフレ懸念が高まっているためです。たとえばブラジルの場合、1月の消費者物価は、前年同月比+4.59%と、政府のインフレ目標の中央値(4.5%)を上回っています。 一般に、インフレ率(物価上昇率)が高まるのは、市中で流通する資金量が拡大するためといわれています。このため、預金準備率を引き上げることで、銀行融資が縮小すれば、市中に流通する資金量も増えにくくなり、インフレ率が低下することが期待されます。 しかし、インフレ率を抑制するのであれば、預金準備率を引き上げるよりも金利を引き上げる(利上げをする)方が効果的です。預金準備率の引き上げは民間銀行のみに影響を及ぼすのに対し、利上げは民間銀行だけでなく消費者も含めたより広い経済主体に影響を与えるからです。 それにもかかわらず、ブラジル、インド、中国が、利上げではなく預金準備率の引き上げを選んだのは、利上げをすることで、自国通貨が上昇し、輸出競争力が低下する恐れがあるからでしょう。 2008年後半の金融危機以降、ドルの下落傾向は続いており、新興国通貨は以前に比べ対ドルで上昇しています。新興国としては、これ以上、自国通貨が上昇してしまうと、輸出競争力の低下を通じて、ようやく回復軌道に乗った景気が再び悪化してしまうため、自国通貨高につながりやすい利上げは避けたいのでしょう。 しかし、自国通貨高を恐れて利上げが遅れた結果、インフレ率の上昇が続いてしまったのも事実です。預金準備率の引き上げによるインフレ抑制効果が限定的なことも考えると、ブラジル、インド、中国は、いずれ利上げを選ばざるを得ず、結局、自国通貨高を受け入れるしかないような気がします。
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●● ブラジルの2010年1月の消費者物価の伸びはどれくらい? ●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●● 前年同月比+4.59%
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