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トヨタが米国民を怒らせた本当の理由を 語ろう〜米著名自動車コンサルタントの マリアン・ケラー氏に聞く http://www.asyura2.com/10/hasan67/msg/391.html
http://diamond.jp/series/dol_report/10033/ マリアン・ケラー 以下転載 大規模リコール(回収・無償修理)問題に直面するトヨタ自動車の対応を巡る米国の論調が、バッシングの様相を呈してきた。米国を代表する自動車コンサルタントのマリアン・ケラー氏は、トヨタ側のうかつな問題発言といい、事態把握能力の低下といい、通常では考えられないことが起きていると警鐘を鳴らす。 ―大規模リコール(回収・無償修理)問題を受けて、米国でトヨタ叩き(たたき)が過熱している。なぜトヨタはかくも叩かれなければならないのか? まずリコール自体は、珍しいことではない。私のもとにも先日、日産自動車からリコールのレターが届いたばかりだ。通常のリコールならば、車をディーラーに持って行き、すぐに無償で修理してもらえるというタイプのものだろう。 今回のトヨタのリコールの中でも、たとえば、最新モデルの「プリウス」はそうしたケースだ。発売後に欠陥が明らかになり、無償で修理してもらえる。そうしたリコールはこれまでも業界で行われてきた通常の手続きのようなものであり、本来はメーカーの評判を悪くするようなものではない。 では、なぜ今回のトヨタのケースは違ったのか。
米国のメディアはだいぶ以前から、米道路交通安全局(NHTSA)にここ数年、トヨタ車を購入した消費者からさまざまな苦情が寄せられていたことを報じていたが、トヨタはNHTSAにドライバー側の問題だと説明し、NHTSAもその説明を受け入れていた。だが、アクセスペダルがフロアマットにひっかかったことが原因とされる昨年の死亡事故(カリフォルニア州サンディエゴ郊外でレクサスに乗った家族4人が死亡した事故)がさかんに報道されるに至って、状況は一変したのだ。フロアマットに対する苦情は、以前からあったわけで、なぜもっと早くしかるべき対応を取れなかったのだとの批判が高まるのも当然だろう。 それでも、品質問題に関する豊田章男社長の2月初旬の会見が(トヨタがNHTSAにフロアマットの取り外しなど安全対策実施を通知した)昨年10月、いや2週間前でもいい、もっと早く行われていたら、(米国における)トヨタ批判の大合唱はこれほどまでは高まらなかったのではないか。トップが責任を公にすれば、後はメーカーとクルマの所有者とのあいだの問題として収まるからだ。 だが、それをしなかったうえに、別の経営幹部が要らぬ発言までしてしまった。(トヨタの)佐々木眞一副社長がインディアナ州のCTS社のアクセスペダルを採用した理由について、「現地への貢献を考慮したため」という趣旨の発言をしたのは、はっきり言って、言語道断だ。もちろんCTS社の技術力を評価するという前置きもあったが、あのひと言だけで、まるで現地のために劣った企業と取引したと言っているように聞こえてしまった。 デンソー製ペダルと比較すると、CTS製は明らかに少ない部品数で設計されており、コスト削減も背後にあったはずだ。佐々木氏の発言は、 米国民に侮辱的で傲慢なものと理解されてしまった。 やや厳しいことを言えば、トヨタはグローバル製造企業であっても、真のインターナショナル企業にはなり得ていないということだろう。異なる文化を超えて意図するところが正しく伝わるよう、何らかの助けが必要なのではないか。
私にも内情は分からない。 ただ、先ほどリコール自体は珍しいことではないと言ったが、今回のトヨタのケースは数モデルにわたり、しかも何年もの製造年にわたってリコールされるという大掛かりなものである点では、やはり珍しいと言わざるを得ない。 (トヨタに限ったことではないが)コストを極力削減しようとして部品を共有したこともひとつの理由だろう。コストは安くすむが、欠陥が出た際には問題は拡大してしまう。 ただ、そうした自動車業界の潮流はさておき、質問に戻れば、今回のリコール問題以前にも、ここ数年、数モデルでトヨタらしくない欠陥が続いていたことは事実だ。たとえば、テキサスで製造したピックアップトラックのタンドラでは、発売後にカムシャフトの不備でエンジン部分にひびが入るという問題が出た。タンドラでは他にも小さな欠陥がいくつかあった。また数モデルのエンジンでスレッジ(金属粉)が大量に発生するという問題も報じられた。 いずれの場合も、トヨタが静かに処理したので、今回のような騒ぎにはならなかった。もっとも、トヨタ・ディーラーたちによれば、ここ数年保証期間内の新車の修理コストが上がっていたらしく、それを考え併せると、トヨタの完璧な品質神話にかげりが差していることは事実だ。 ―今回のトヨタの対応については、米国の識者の多くが「Too little Too late(不十分で遅すぎる)」と指摘している。対応が後手に回ってしまうのはなぜだとみるか? リコールにはもちろん多大なコストがかかるからだろう。しかし、(ドライバー側の問題というトヨタの当初の認識に表れているように)、はっきり言えば、問題を重視していなかったということではないか。 では、なぜ問題を重視できなかったのか。突き詰めれば、その原因は、トヨタ社内のコミュニケーションの問題だ。はっきりとはわからないが、事態を分析するのは、米国のエンジニアなのか、日本側の人間なのか、決断を下すのは誰なのか――関係者間のコーディネーションがうまく働かず、その結果、起こっている問題にしかるべき手を打てなかったということではないか。 そもそもアメリカ政府が2人の人間をわざわざ日本に送って、問題の深刻さを伝えねばならなかったことは、通常では考えられない。殊にトヨタは、いつもアメリカの政府機関の調査には協力的だったにも関わらず、だ。
こう答えよう。1960年代、70年代に、アメリカの国産自動車産業は(顧客離れという)深刻な事態に陥った。ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターが技術的な欠陥車を出しながら、それを認めず、ドライバーの非難に終始したためだ。そのような姿勢がアメリカの車のブランドを殺し、トヨタなどの日本車に入り込む隙を与えたと私は考えている。 トヨタも、同じ道を辿らないとは限らない。今やアメリカの車の質は向上した。また、韓国の車の質も向上した。質という面でも、トヨタ車に代わる消費者の選択肢は多数存在するわけだ。今回のリコール問題でトヨタに不信感を抱いた消費者が、他のメーカーの車に率先して乗り換えていったとしてもまったく不思議ではない。 ―もう、そうした動きは出ているのか。 まだだ。市場は混乱していて、トヨタ車のオーナーたちはとにかく修理が早く終わることを求めている。重要なターニングポイントは、4〜5月頃ではないか。おそらくトヨタはその頃に、ディスカウントを行うなどの大々的なキャンペーンに打って出なければならない事態に追い込まれるだろう。さもなければ、販売を再び活気づけることはできないのではないか。 ―今後起こりうる最悪のシナリオは? リコール対象車で修理後に再び問題が浮上することだ。そのようなことがあれば、トヨタにとって回復しがたい打撃となるだろう。現在すでに電気系統に問題があるのではないかという声があるが、それも含め、まだ第三の問題が潜んでいたということになれば、消費者は他社の車に殺到する。ただ、仮にそうした事態が起こらず、人びとが自然とこの問題を忘れていったとしても、トヨタは今後のためになぜこれほど対応が遅れたか問題の本質を見つめ直す必要がある。 ―トヨタに対する集団訴訟は頻発するのか。 アメリカでは集団訴訟は避けられない。すでに動き回っている弁護士はたくさんいるだろう。大半のケースは裁判に至らないだろうが、いくつかは裁判所に持ち込まれる。裁判の過程で、トヨタが何をして何をしなかったかがきっと明らかになるはずだ。 (聞き手/ジャーナリスト、瀧口範子)
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